天魔界戦

皇神凪斗

第42話 連携

ミカエルとシャールは睨み合う。
ミカエルはじわじわと足に力を込めていく。
メルの顔が痛みに歪んでいく。
「やめなさい!」
シャールはミカエルへ向かって走り出す。
ミカエルはニヤリと笑い、剣を構える。

その時、シャールは肩を後ろから掴まれる。

「ミカエル!」
アルマがシャールを押しのけミカエルへ踏み込む。
「『天櫃』!」
四角い光でアルマを隔離する。
「何度も言ってるが君は後だ。」
ミカエルが遠くを指さすとその『天櫃』は指差した方向へ飛んでいく。
「そして・・・
まず一人!」
ミカエルが足を上げた瞬間。

「『骸苦髏太刀』」

メルの下に空間の入口が開く。
「何!?」
メルが入口に落下、すぐに空間は閉じられる。ミカエルはただ地面を叩き割る。
「『灰炎 残爪』!」
ロキの左手に白い炎が巻き付く。それは大きな獣の腕と長く鋭い爪を形作る。
その腕をミカエルの頭上から振り下ろす。
「くっ!」
ミカエルは後ろに飛んで躱す。ロキはそれを追って追撃を続ける。
「なんだい?随分積極的じゃないか。彼女を挑発されて怒ってしまったかな?」
「お前が同時に使える魔法は『四つ』
ウリエル、ラファエル、ガブリエルの人形に一つずつで三つ。
アルマを閉じ込めるのに一つで、今お前が攻撃に魔法を使うことが出来ない。
下手にその剣だけで反撃をしようものなら俺の『灰炎』で痛手を負う可能性があるから逃げるしか無いんだろう?」
「へぇ〜。流石の観察力だね。でも攻撃が単純すぎる。防御に慣れすぎて攻撃が下手になったんじゃない?」

「そう思うなら・・・少しは警戒することだな。」

「?・・・・・・まさか!?」
ミカエルは後ろを向いた。
「『切り裂け』!」
カイトの神槍がミカエルの鱗を大幅に剥がす。
「『骸苦髏太刀』!」
間髪入れずロキが追撃。ミカエルの胴体にバツ字の傷を斬りこんだ。
「フッ・・・・・・ん?」
ミカエルはロキの服を掴み、剣を振り上げる。
「貴様ァアッ!!」
シュッ!っとミカエルの視界が2つに割れる。
左目ではロキの姿が、右目では光の壁を見つめていた。
ロキが骸苦髏太刀でミカエルを真っ二つにし半分をどこかの空間へ飛ばしたのだ。

「『白輪 天壊』!」

ミカエルは横から凄まじい勢いで殴りつけられる。
自分で張った『天櫃』を自分の身体で割砕き、地面へ向けて落下する。



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