天魔界戦

皇神凪斗

第22話 メタトロンの実力

四大天使が全滅し、戦況を見兼ねたメタトロンは自ら前線へ降りてくる。
最も警戒すべき敵が前線に来た事で実力者はその場に集まる。
ルルカ、メル、レイジは前に立ちゼツとムラサキは後方支援。シャールは倒れたロキを守るように立つ。
「分からないか?お前達では私に勝つ事は出来ない。その行動は無意味だ。」
「行動が無意味かどうかを決めるのは他人じゃない。その行動を起こす僕達自身だ!」
「あぁ、元から会話が通じるとは思っていない。」
メタトロンが手をかざすと白い槍が姿を現す。
「罪には罰を。人間でありながら我らに刃向かった罪は重い。」
「天使だからって正義のつもり?私達にとっては貴方達こそ多量虐殺をした張本人。
戦争を仕掛けたのも貴方達、罪は問われるとしたらそっちの方。」
「口の減らない女だ。・・・まあ、人間の中で危険な存在は数人。そいつらを殺せば残りは雑魚だ。」
そう言ってメタトロンが向かったのはロキだった。
翼を羽ばたかせ、風を巻き起こしながら飛翔。皆の頭上を飛び越え真っ直ぐ向かう。
「戦闘中に睡眠など呑気なものだ。痛みを感じるのは辛いだろう、私が地獄へ送ってやる!」
「させるか!」
直ぐに追いついたルルカが魔剣を振り下ろす。
メタトロンはもう片方の手にも槍を出現させ魔剣を防ぐ。そして、片方の槍でルルカを殴り飛ばす。
「ライジング!」
レイジが雷のままメタトロンへ襲いかかる。
「身体を雷に変えて物理攻撃をすり抜けるか・・・だが魔法の体には魔法が効くはずだ。」
メタトロンの前に魔法陣。直後爆発が起き、レイジは爆発に巻き込まれ弾き飛ばされた。
「クソッタレ!」
ゼツが両手の拳銃でメタトロン目掛けて引き金を引く。拳銃からは大きな魔弾が発射されたがメタトロンは槍を大きく回転させてそれを防ぐ。
あっという間にメタトロンはロキの前に辿り着く。しかし、シャールが立ちはだかる。
「ロキには指1本触れさせません!」
「愚かな。どうせお前たちは死ぬ。その順序が変わるだけだ。
まあ、その男の為に死にたい言うのなら望み通り殺してやる。」
「死ぬのは貴方の方です!!」
シャールは数十本のナイフをメタトロンへ放つ。メタトロンは両手の槍でそれを全て叩き落とす。

「では・・・死ね。」

メタトロンが槍をロキの前に立ちはだかるシャールへ向け投げる。
シャールはその槍目掛けてナイフを放つが全く歯が立たず軌道が変わることは無かった。

「ロキ・・・お許し下さい。」



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