天魔界戦

皇神凪斗

第47話 カイン vs アルマ

ロキが戦うのを横目にアルマは敵を捉える。
「俺も負けてらんねーな!
『光魔の鎧』!」
アルマの左腕から溢れた光が全身を包み込む。
「行くぜ!」
光が聖剣にまとわりつき、巨大な剣を形成する。
アルマはそのままカインへ振り下ろす。カインはそれを飛んで躱す。
「(光の練磨が『魔装』の役割を果たし、身体能力が上昇している。まともにぶつかるのは避けた方がいいな。)
神流かんる』!」
カインの左手から魔法陣が展開される。その魔法陣から大量の水が吹き出す。
一瞬で津波のように地面を流れ、アルマへ向かっていく。
「『光魔の盾』!」
アルマは横長く盾を形成し受け止める。
「『轟雷紫電ごうらいしでん』!」
カインから凄まじい雷が伸び、『神流』に伝導する。アルマの盾は二つの魔法に耐えきれず、ひび割れる。
「やっぱり普通の威力じゃねぇ!」
「あぁ、俺が使っているのは・・・あの『原初の魔導書』に記された『神や天使の使う上位魔法』だ。
お前の使う『神器』で有利に立てると思うな。
・・・『ほむら』!」
カインは更に魔法陣。そこから現れたのは───

─────視界を覆うほどの火球だった。

「!?・・・『光魔の盾』!」
直撃の寸前に何とか盾を展開する。
しかし、炎の止まらずアルマを壁際まで追い込んでいき、大爆発を起こす。
「アルマ!」
「行かせないよ?」
ロキが駆けつけようとするものの、悪魔がそれを阻止する。
巻あがった塵が晴れ、アルマが姿を現す。
「くっ!」
聖剣を手放し、地に伏せる。光魔の鎧はほとんど残っておらず、全身の所々に火傷を負っていた。
「ほう?それなりに魔力を込めたつもりだったが、流石だな。」
「この・・・野郎。・・・余裕、かましやがって!」




「アルマ君!」
メルは急いで『ミストルティン』を持ち出す。
「待て!」
しかし、ゼツがそれを制す。
「今、手を貸せばこの戦いに巻き込まれるぞ。
あいつらがやってるのは遊びじゃ無い。殺し合いだ。」
「辛いだろうけど我慢して・・・あいつカインには何か考えがあるはず。」
「それはよく分からんが・・・『上位魔法』を使うには人間には扱いきれないほどの魔力が必要じゃないのか?」
「あいつの強さは身体能力や悪魔の力だけじゃない・・・魔力だけ取っても人類最強なのよ。」

戦いはまだ続く。


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品