天魔界戦

皇神凪斗

第31話 四大天使の実力

「『終炎の断刀』!」
ロキの左腕を覆うようにして形成された大きな終炎の刀を振り下ろす。
「ぐぬぅ!」
神炎で受け止めるもやや押され気味である。
「『終炎の灯火』」
振りかざされた刀が爆発。ウリエルは吹き飛ばされる。
ロキが神炎に対抗出来る力を手に入れた為、戦術で劣るウリエルは防戦一方を強いられていた。
「・・・我々四大天使は・・・真に主より認められし偉大なる天使。」
「また・・・それか。誰から認められようと関係無い。問題はお前がするべき事を出来るかどうかだ。」
「人間に理解できるとは思っていない・・・我らには応えねばならぬ義がある!

・・・『主の加護を我が身に』・・・。」

ウリエルの身体の内側─────ウリエルの心臓部分から光が溢れる。そして、身体が変形を始める。
元々体格が良かったが、腕が太くなりさらに筋肉質になる。
筋肉が膨れあがるが、逆に翼は衰退する。もはや、その翼ではその筋肉質を身体を浮かす事が出来ないのだろう。
「我、『力』の加護を受けし者。」
「まだ強くなるのか・・・・・・!?」
ウリエルは自然と神炎を纏い、姿勢を低くする。
そのまま、地面─────というより、魔法の空間にヒビが入るほど蹴り飛ばし突進。
凄まじい速さでロキに接近する。
ロキは魔刀を正面に構える。
ウリエルは腕を広げ、魔刀ごとロキにラリアットを食らわせる。
魔刀はウリエルの腕にめり込むも、全く傷は付いていなかった。
力ずくで今度はロキが吹き飛ばされる。
「(脚力の増加で単純に速くなった。それに、魔刀でも切れない肉体・・・これが四大天使の真の姿か。)」
飛ばされながら体勢を立て直し、地面を蹴る。
それを見たウリエルもロキを追いかける。
ウリエルは簡単にロキへ追い付き拳を振り下ろす。
「速いッ!」
身体をくねらせ紙一重で躱し、また地面を蹴る。
背後に周り魔刀をウリエルの背中に叩きつける。
ガキンッ!
刃と肉体がぶつかり金属音がする。ロキの魔刀を持つ手が小刻みに震える程にその肉体は硬かった。
ウリエルは振り返りつつ、拳を振る。魔刀を弾かれた反動で身動きが取れず直撃。
ロキは血を吐き、地面に強く叩きつけられる。
そして、大きく跳ねて空中へ。そこにウリエルが追い付き、更に拳を思い切り振り下ろす。
当然、防ぐ間もなく直撃。空間にヒビが入るほど強くめり込む。
ウリエルは空中で両足に神炎を集中させ、ロキの腹部目掛けて落下。
「ぐぅッ・・・ハァ!」
練魔を駆使し、身体をズラす事で何とか回避。距離をとる。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
「お前がどんな戦術を用いようとも、『力』でねじ伏せる。
お前の攻撃はこの肉体が弾く。

もうお前を相手に手は抜かん!」

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