天魔界戦

皇神凪斗

第6話 復讐者

六人はグランギルドへ到着する。
「か、カイト君。本当に大丈夫なんでしょうか?」
「知らん。どの道、俺達では止めようが無い。」
黙って付いていくしかないカイトとメル。
ロキは扉を堂々と開け、中に入っていく。

「あぁ?」
中から聞こえたのはそんな声だった。
勿論、カイトとメルの仲間達の声だ。
「お前、無法者デスペラードの・・・。」
「ギルドに乗り込んでくるとはいい度胸だな。」
「ふむ・・・期待外れだな。多少は相手になる奴がいるかと思ったんだが・・・。」
周りの物達の表情が変わる。
「こいつ・・・舐めてんのか?」
武器を手に持ち、一斉にロキに詰め寄る。
「待て。」
「ん?」
その時、ロキの正面、ギルドのメンバーの背後から間を縫って何かが伸びる。
2本ある銀色のそれは、ロキの両目の前で止まる。
その後、厚みを増し丸太のようになったそれは左右に薙ぎ払われ、メンバーを押し退ける。

「お前の相手は・・・俺様だ!」

カイトも流石に焦りを感じた。
「(ギルドをがら空きにしてるとは思っていないが、まさかこいつが残されているとは・・・!)」
そこに居たのは、ギルド内最強チームと言われる。シェルナンドのチームだった。
「自然操作魔法・・・水銀。悪くないな。」
ロキは真っ直ぐ、シェルナンド達を見据える。
「お前には恨みがある。それを晴らせてもらうぞ。」
「・・・良いだろう。」
カゲは魔法陣を展開する。
「『転移テレポート』」




一同は訓練場へ移動した。
カイト、メル、ゼツ、ムラサキとシャールの五人は観戦席に着く。
「ロキは何を考えているんだ。」
「時間の無駄・・・か?でも、これは意味のある戦いだと思うぜ?」
「何?」
「もし、あの状況でロキが逃げれば、周りの奴らが喧嘩を売ってくる。
でもあいつはギルドの中でもそこそこ強いんでしょ?」
「もしかして、周りに強さを見せて今後近づいて来る人を減らそうと?」
「ええ。それにあの人はプライドが高いでしょう?あくまで自分のチームだけで戦おうとする。絶好の標的ね。」




三人を前に、ロキは余裕の笑みを浮かべる。

「さあ、お前の力を見せてみろ。」

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