天魔界戦

皇神凪斗

第20話 世界の乱れ

レミアールが落ち着いた後、全員で集まって話を再開する。
「まずはお姉様の意見を聞きたいのですが・・・。」
「ん?この二人が巫女とは言え、あの天使について何か知ってる訳じゃ無いだろ。」
単純な疑問を振ってくるロストに、三人の巫女は目を見合わせる。
「・・・まあ、あそこに居合わせた以上知る資格はあるでしょう。」
そうして、セレフィは全員の視線を集め、その言葉を口にした。

「この『神門大社』は『天界』に繋がっています。」

「「!!!」」
「て、『天界』だって!?それは『天使達』のいるいわゆる『天国』のこと!?」
「はい。そうと言っても良いでしょう。
そして、私達は『天界』への侵入を防ぐのが役目。」
「『天使様』がこの『大社』に来たことは無ぇが、『天界』の存在を知ってる奴らはいる。
でも、侵入を防ぐのは『そいつ』の為なんだ。
天使は人間を監視する立場で、友好的な性格の奴は中々いないし、実力だって人間を遥かに越えてる。」
ルーズはその身をもって体験していた。天使の強さを。
《言っておくが、あれは天使の中でも下っ端の方じゃぞ。》
「うおー、あんたロストが悪魔憑きだったか。さっきから妙な気配があると思ったぜ。」
《わしの気配を察するとは・・・お主、かなりやりおるな。
だが、今はそんな話をしてるのでは無いぞ。》
「ういー。」
そこでルーズは仕切りを入れる。
「まあ、話を戻そうか。
二人は『天界』の状況が分かるのか?」
「ぼんやりとですが、見ることは出来ます。」
「・・・それで、あの『天使』が言ってた事は本当なのか?」
「・・・『はい』
彼等は本気で『人間』を・・・この『人間界』その物を破壊しようとしているのかも知れません。」
「嘘・・・だろ?」
それはまるで、監獄の中の囚人。
見張りの警備員に、丸裸の囚人は逃げることしか出来ない。
そして、『天使の魔法』ならこの大陸を滅ぼすことも難しくは無いだろう。

『人間』は危機に立たされた。

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