天魔界戦

皇神凪斗

第19話 選ばれた故の

その後、色々と話をした。天使についてはこの二人は知っていた様だ。
神門大社にいた二人の巫女。言葉に清楚の欠けらも無い方が長女ミレーナ、おっとりした方が次女セレフィ。
彼女らはレミアールと育ち、巫女として神門大社で過ごしていた。
「とりあえず、お前の用事を済ませてこいよ。レミア。」
「ええ・・・。お姉様方少しよろしいですか?」
そう言うと、何も言わず大社の裏に向かっていく。
二人は顔に疑問符を浮かべながらもあとも追いかける。




レミアールはこれまでの悩みを素直に話した。
「なるほどねぇ。」
「私は・・・どうすればいいんでしょうか・・・。」
全てを否定された気がした。これまで誇ってきた、頼ってきた特別な力神の裁きの無力さを見せつけられて、寄りかかっていた柱が折れてしまった。
「別にあの力だけがレミーの全てじゃないって、昔から言ってたでしょ?いつまで引きづってるのさ。」
「だとしても・・・!!心の中から思い込んだ考えは変えられなかった!!」
セレフィはレミアールに歩み寄り、両肩を掴む。
「レミアール、聞きなさい・・・。
その力は、あなたが選んで手に入れたものでは無いでしょう?
望まずに手に入れた物を使わなくても良いのですよ?」
「でも!!私はお姉様からこの力を奪った様なもの!!
・・・それなのに力を使わないなんて、我儘にも程があります!!」
「別に、気にしてなんかない。それに、今となってはレミーこそが適任だと確信してる。」
「だからこうして、後悔しているんです・・・。」
「・・・・・・もう一度考えてください。あの力が無ければ、あなたは何も出来ないのですか?」
「レミー、今何をしてるの?その服は?」
「・・・管理政府の指揮官服・・・。」
「その地位を手に入れたのは誰?その力は必要だった?」
「!!・・・。」
「選ばれたが為に努力し、力に見合う実力を身につけた。
貴方には、力が無くても充分に出来ることはあります。」
レミアールは流れた涙を拭き、真っ直ぐ二人を見つめる。

「気づかせてくれて、ありがとうございます。お姉様。」

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