天魔界戦

皇神凪斗

第2話 グランギルド最強チーム

シェルナンドの言葉に他の者も会話に聞き耳を立てる。
「それなら分かってんだろ?うちのチームと政府の軍で無法者デスペラードは死んだ。」
「だが!!肝心の頭は捕まっていないんだろう?」
食い気味に言葉を発するシェルナンド。無法者という言葉の後から冷静さが欠けている様にも感じられた。
「で?それがどうした?」
「・・・言うまでもない・・・奴を見つけ出してその首を取って来るんだ。俺様がな!!」
「馬鹿言えアホ。あいつは今まで顔すら分からなかった隠密のプロだ。
組織が潰され、逃亡中の今追いかけたって尻尾すら掴めねぇよ。」
熱くなったシェルナンドをグランは冷静に対処する。しかし、その決意には揺るぎない物を感じた。
「知った事か!!どこまでも追いかけて、必ず討ち取ってやる・・・!!」
「正確に言ってやろうか!!追いかけたって死ぬだけだつってんだよ!!
今までどれだけの捜索隊と暗殺者が手がかりもなく消されたと思ってるんだ!」
「ハァッ!難しければ報酬を増やしてもらうだけだ。ギルドマスター。」

「一ついいか?」

二人の間に割ってはいる者がいた。眼鏡の位置を中指で直しながらカイトは言う。
「ロキは俺達が先に目を付けた。横取りはやめてもらおうか。」
その場にいた者全員がカイトに視線を向けた。
シェルナンドは一歩踏み出せば顔がぶつかる距離までカイトに近づいた。
「何だ貴様。新人か?この俺様に文句でもあるのか?」
「レイジのチームだ。そいつらだよ、無法者を片付けてくれたのは。」
「ふむ。なるほどな。
まあ、安心しろ。頭を逃すと言う貴様らの失態をこの大先輩である俺様が取り返してやろう。」
「不要だと言っている。それに、貴様ではやつには勝てない。」
シェルナンドの表情が一瞬だけ歪む。
「それは・・・俺達がこのギルド内最強のチームだと知っての発言か?」
「知らんな。だが、俺のチームは実際にやつの戦いを見ている。だからこそ貴様には勝てないと分かる。」
「・・・さっきの発言からして、貴様もロキとやらの首を狙っていると考えていいのか?」
「何が言いたい・・・?」
カイトの反応でシェルナンドはニヤリと笑う。

「俺と・・・いや、俺達と貴様のチームで模擬戦をしようじゃないか。
やつの情報を持っていようと持ってなかろうと俺達には関係が無いことを教えてやろう。」

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