天魔界戦

皇神凪斗

第一章 最終話 目的

恐らく意図的に席を外したルーズとその他。
そしてここでメルは、メルでなくてもしなくてはならない問いをする。

「あの。これからアルマ君は・・・どうするんですか?」

「ん?どうするって?」
アルマ達が入団してから約一ヶ月。様々な依頼をこなし─────
「・・・アルマ君の『目的』はあの無法者デスペラードを倒す事だったよね。その為にこのギルドに入って。
・・・だから、これからどうするのかなって・・・。」
アルマがいなくなる不安を抱えながらメルは言葉を発した。
「そうなんだよなぁ〜。正直、よく分かんね。
あともう少しで手が届きそうだったのに、いきなりゴールが消えちまって。何をすればいいかも、進むべき道も、全然見えなくなっちまった。
でも、あいつロキはわりぃことしてるし、言い出しっぺの俺が辞める訳にも行かない。
・・・戦えば何か掴めると思ったんだけど、見えたのは『人を守るあいつロキ』だった。」
今まで人を殺してきた人間が、最後の最後で輝く何かを見せてきた。余計に答えが見えなくなったアルマ。
「・・・ん?待てよ。」
「?・・・アルマ君?」
「そうだった、そうだった!!俺にはお前が教えてくれた『目的』があるじゃねぇか!」
「え?私が!?」
アルマは力強く頷く。
「俺のこれからの『目的』・・・それは『人を守る事』だ。」
「!!」
復讐ではなく、ロキを倒す為にアルマが立ち上がる理由。
そして、これからの『目的』
殺すのでは無く守る。同じ行動でも意味は全然違う。殺しは正当化できないが、『目的』が無ければ人は動かない。

「私も・・・同じ『目的』を持っても良いですか・・・?」




祝い騒ぐ彼等を見ている者がいた。二人で、金色の輪が付いた鏡を覗く。そこに写し出されたアルマ達。
しかし、二人の表情は恐怖と怒りが浮かんでいた。
「まさか・・・『人間』が『天使』の力をその身に宿すなど・・・!」
「如何なされますか?ウリエル様。」

「・・・・・・『四大天使』を集めろ!!」




第一章 真題 『界戦の始まり』 End

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