天魔界戦

皇神凪斗

閑話 1

「クソ!全部あの若造の所為だ。今に見てろよ・・・一泡吹かせてやる!」
彼らはデスペラードの者、しかしロキよりお叱りを受け、アルマへの復讐を計画する。
「あの家だな。」
「若造がこのスティルマに来てからしばらく世話になったっていう女か。」
「あのシュウトに聞いたんだ。間違いない。」
三人は一般人を装い、簡単に隠せるナイフ一本だけを携帯してきた。
今回はただ女を攫うだけなので、普通にドアを叩く。
「はい。少々お待ち下さい。」
三人はニヤリと笑う。
ドアが開くとそこには少女と呼ぶべき綺麗な女性がいた。
「ん?おい・・・どういう事だ?」
「聞いた限りでは一人暮らしだったはずだぞ・・・。」
「・・・嬢ちゃん。カリナって女知ってるか?」
「はい。私ですが。」
三人は驚くと同時に安堵した。大人ならともかく、子供なら簡単に捕まえられるという事に。
「悪いな。ちょっと俺達と一緒にアルマの所に付いてきて貰うぞ・・・。」
男はカリナに手を伸ばす。
その瞬間、無表情だった少女の顔が暗くなる。
「・・・愚か者が・・・。」
「あぁ?」
睨んでいた。ただの少女が、男達を怒りの目で睨んでいた。
「なんだ・・・。その目は!!」
少し苛立ちを覚えた男は伸ばした手を握りしめ、殴り掛かる。
しかし、カリナは残像が見えるほど素早く後ろに下がる。
「こ、こいつ!ただのガキじゃねぇ!!」
三人はナイフを取り出す。
同じように、カリナは魔法で氷のナイフを作り握る。
「ここで死になさい。」
男達は避けようとするが、かなりのスピードで放たれたナイフに驚く暇もなく喉を貫かれる。
「かっ・・・!くかっ!」
もう手遅れだと分かっていてもナイフを引き抜こうとする。
しかし、氷は男達の唾液、口の中から首の周りまでを凍らせ、既に動かなくなっていた。
体内と体外が同時に凍っていく。体の中で大きな塊が出来るような、なんとも言い難い苦痛に身体中を掻きむしる。
そして数十秒で氷像となる。

「全く・・・。さて、どう処理しましょうか。」

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