天魔界戦
第5話 デスペラード
何故かギルド内にある、喫茶店にてアルマとメルは遅刻によって聞けなかった説明を聞いた。
ギルドの仕事は管理政府の食べ残しである。
『管理政府』とは、その名の通りこの国を管理している政府である。犯罪の取り締まりや貴族の警護など。
そしてギルドの役割は、管理政府からの依頼が主であり、手が足りないから手伝ってくれとの事である。内容はほとんどが、殺しの依頼だ。
役割を言うなら、街の守るのが管理政府で街の敵を滅ぼす者がギルドとなっている。
ギルドは確かに誰もが知っている職業だが、単純に危険と判断した人間を殺していることから、『人殺し』として嫌われることも少なくない。
当たり前と言えば当たり前だ。例え相手が人を殺していようとも、殺されても仕方ない事をしようとも、人間なのだから。
その人間を殺すことを仕事としているギルドが好かれるはずが無い。
「まあ難しい話はここまでにして・・・」
難しい顔をしているアルマとメル。アルマに1本とられたカイトは1度聞いた話にさらに機嫌を悪くしていた。
その空気に耐えかねたレイジが話題を変える。
「先週君達に受けてもらった試験は見せてもらった。たけどそれは君達の戦闘能力だけだ。これから命を預ける仲間として君達のことを詳しく知っておきたい。」
レイジが言うことは最もだろう。この仕事は死と隣合わせ、どんな危険があるのかわからない。いざと言う時、仲間を信用出来なければ登れる壁も登れなくなってしまう。
「まずは僕から行こう。僕はレイジ、となりのノクターが出身だよ。剣も使うけど、雷魔法が得意。このギルドに来た理由は、ノクターのギルドにいる兄さんを超えるため、いつまでも兄さんを追いかけてはダメだと思ったから。」
「ノクターって名前に漢字が着くところか?」
アルマが質問する。
「あぁ、僕の家は来羅(らいら)、来羅レイジと言う。僕からはこんなとこかな。
次、メルちゃんどうぞ。」
メルの積極性が無いのを見抜き、流れに乗せるレイジ。
「はい!え、えっとメル、です。モルルって街から来ました。得意な魔法は土魔法ですけど、火と闇魔法意外なら大体使えます。ここに来た理由は魔法で人々を守れたらな〜って」
「モルル・・・?あの魔法しか興味無い辺境の?」
「別に魔法だけって訳じゃないですけど・・・」
「それに『守る』ってんならギルドより管理政府じゃないのか?」
「そう、なんですけどね・・・。管理政府には闇の賢者と呼ばれるすごい魔道士さんがいて、彼がいるし、身体能力が低いって言われちゃいました。」
少し寂しそうにするメル。
ギルドは殺しと言う仕事上、やはり戦闘能力を見ることが多い。しかし、管理政府は汎用性を重視する。近接戦闘や魔法戦闘、拠点を守るなど幅広い仕事の管理政府はメルに向いていないのだろう。
「次、カイト君?」
ずっとそっぽを向いているカイトへ、レイジが振った。
「・・・カイトだ。氷の魔法なら多少は扱える。ここに来た理由は特にない。俺に合う仕事だと思ったからだ。以上だ。」
空気が何も聞くなと言っている。機嫌が治るまで待つしかないだろう。
「んじゃ俺だな。俺はアルマ、ヒューザ村の出身だ。得意な魔法は光だが闇魔法意外は少しずつ使える。・・・ここに来た理由は故郷を潰した連中を探しに、だ。」
「ヒューザ村、と言うと奴らか・・・」
流石と言うべきか、レイジは少し知っているようだ。
「あぁ、『デスペラード』だ。」
「デスペラード?」
『デスペラード』、規模不明、潜伏地も不明、何処と無く現れ、金品を奪い人を殺し街を潰す。必ずデスペラードの名前を残して。そして、この組織にはどうしても不審な点がある。
それは『リーダーとなる人物が分からない』事だ。
「え?分からないんですか?」
「うん。彼らはなんの作戦も立てず行動していらしく、顔が分かっている者もいるけど、全滅した盗賊のリーダーや一匹狼の殺人鬼。いづれも犯罪慣れしている連中ではあるが、意気投合するとは思えない。」
「そんな危険な組織ならスパイ・・・とか動かないんですか?」
「いや、何度か彼らの潜伏場所、中心となる人物を突き止めるために各所から捜索部隊が出されたよ。数え切れないくらいね。しかし、尻尾を掴んだと報告が来た次の日からその部隊と連絡がつかなくなる。そんな状況だ。」
「それじゃ、どうしようも・・・!」
バンッ!とアルマが中身を飲み干したコップをテーブルに置く。
「それでも、絶対に見つける・・・。潰してやる。」
あんなにも俺に優しくしてくれたみんなを、奴らは皆殺しにした。
全員の墓を作り、心に誓った。奴らを潰してみせると。
ギルドの仕事は管理政府の食べ残しである。
『管理政府』とは、その名の通りこの国を管理している政府である。犯罪の取り締まりや貴族の警護など。
そしてギルドの役割は、管理政府からの依頼が主であり、手が足りないから手伝ってくれとの事である。内容はほとんどが、殺しの依頼だ。
役割を言うなら、街の守るのが管理政府で街の敵を滅ぼす者がギルドとなっている。
ギルドは確かに誰もが知っている職業だが、単純に危険と判断した人間を殺していることから、『人殺し』として嫌われることも少なくない。
当たり前と言えば当たり前だ。例え相手が人を殺していようとも、殺されても仕方ない事をしようとも、人間なのだから。
その人間を殺すことを仕事としているギルドが好かれるはずが無い。
「まあ難しい話はここまでにして・・・」
難しい顔をしているアルマとメル。アルマに1本とられたカイトは1度聞いた話にさらに機嫌を悪くしていた。
その空気に耐えかねたレイジが話題を変える。
「先週君達に受けてもらった試験は見せてもらった。たけどそれは君達の戦闘能力だけだ。これから命を預ける仲間として君達のことを詳しく知っておきたい。」
レイジが言うことは最もだろう。この仕事は死と隣合わせ、どんな危険があるのかわからない。いざと言う時、仲間を信用出来なければ登れる壁も登れなくなってしまう。
「まずは僕から行こう。僕はレイジ、となりのノクターが出身だよ。剣も使うけど、雷魔法が得意。このギルドに来た理由は、ノクターのギルドにいる兄さんを超えるため、いつまでも兄さんを追いかけてはダメだと思ったから。」
「ノクターって名前に漢字が着くところか?」
アルマが質問する。
「あぁ、僕の家は来羅(らいら)、来羅レイジと言う。僕からはこんなとこかな。
次、メルちゃんどうぞ。」
メルの積極性が無いのを見抜き、流れに乗せるレイジ。
「はい!え、えっとメル、です。モルルって街から来ました。得意な魔法は土魔法ですけど、火と闇魔法意外なら大体使えます。ここに来た理由は魔法で人々を守れたらな〜って」
「モルル・・・?あの魔法しか興味無い辺境の?」
「別に魔法だけって訳じゃないですけど・・・」
「それに『守る』ってんならギルドより管理政府じゃないのか?」
「そう、なんですけどね・・・。管理政府には闇の賢者と呼ばれるすごい魔道士さんがいて、彼がいるし、身体能力が低いって言われちゃいました。」
少し寂しそうにするメル。
ギルドは殺しと言う仕事上、やはり戦闘能力を見ることが多い。しかし、管理政府は汎用性を重視する。近接戦闘や魔法戦闘、拠点を守るなど幅広い仕事の管理政府はメルに向いていないのだろう。
「次、カイト君?」
ずっとそっぽを向いているカイトへ、レイジが振った。
「・・・カイトだ。氷の魔法なら多少は扱える。ここに来た理由は特にない。俺に合う仕事だと思ったからだ。以上だ。」
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「ヒューザ村、と言うと奴らか・・・」
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「あぁ、『デスペラード』だ。」
「デスペラード?」
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