天魔界戦

皇神凪斗

第2話 最初の仲間

頭の中に浮かぶ地図を頼りにグランギルドに到着した。
・・・それでもメルは体力があまりなく、何度も休憩を挟み遅刻してしまった。
置いていけばなんとか間に合ったかもしれないが、男としてそれは出来なかった。
グランギルドは一見は鉄筋コンクリート造の会社にしか見えないが、かなり膨大な魔力を感じた。強力な防御魔法でもかけてあるのだろう。
入口に目を向けると1人の男性が立っていた。金髪の爽やか系美青年だった。アルマが見つけたのを確認するとゆっくりと歩いて来た。
「やあ、アルマ君とメルちゃんだね。グランギルドへようこそ。僕はレイジ、君達のチームリーダーを任され者だよ。」
「ういっす。・・・ん?君達?メルも一緒のチームなのか?」
「そうだよ。基本的には3人とリーダー1人、リーダーは1人でも依頼をこなせるような、実力を認められた者が選ばれる。僕も及ばずとも君達を守るくらいはやらせてもらう。」
レイジは華麗にお辞儀した。
「そ、そんな及ばずなんて!こちらこそお願いします。」
メルは慌ててお辞儀を返す。
話上手いなこの人。そして・・・強い。顔は爽やかだし、見たところ行動に隙がない。かなりの修羅場を潜ってきたにも関わらず、大きな怪我をした様子がない。
なんて考えていると。
「初日から遅刻とは、腑抜けた奴らだな。」
その声はギルドの中から出てきた男性から発せられた。
かなりキツい目付きで、眼鏡の位置を中指で整える男の髪は黒く、毛先につれ青くなっている。来ている服は執事服だが、ボタンを2つほど留めていなかったり腕を捲ったり、明らかに執事でないことがわかる。
レイジは苦笑いしながら説明する。
「えっと、彼はカイト。言葉はキツいけど仲良くしてあげてね?」
フォローなしかよ。キツいけど、実は心優しい的な。
「フン、馴れ合うつもりは無い。依頼には同行してやるが、足を引っ張るなよ。何かあっても助けるつもりは無い。自分の身は自分で守れ。以上だ。」
言いたいことだけ言うとギルドの中に戻ろうと背を向ける。
「おいおい、まだ俺の自己紹介が終わってねーぞ。」
アルマは逃がすまいと話しかける。だがカイトは足を止めない。
「腑抜けに興味は無い。」
「逃げるのか?」
かなり挑発的な喋り方にカイトは歩くことをやめ、振り返り、アルマを睨みつける。
「痛い目を見ないと分からないのか?」

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