マルチな才能を発揮してますが、顔出しはNGで
顔出し中は好きにやらせていただく 22
 旧市街地の廃墟となったビルの隙間から機体のカメラアイを動かし辺りを窺うが、敵影はなく、レーダーにも反応はない。
 時折、機体に砂交じりの風が吹きつけ、ノイズの様な音と金属が擦れる音だけが聞こえてくる。
「歩美、見えるか?」
 市街地の西側の丘に超遠距離射撃ができる歩美を配置し、俺がチームの1番先頭に立って囮となる。
 おそらく、unknownはこちらを補足する際、あの赤い球体に目の様なものを出して確認するはずだ。
 歩美にはそこをピンポイントで狙撃してもらう。
 もし、あの赤い球体がコアで奴らの弱点であれば、一体ずつ誘い出し撃破できる。しかし、赤い球体がコアでなく弱点でもなかった場合は粉々になるまで斬り刻むだけだ。
「見えた! 約45秒で会敵するわ!」
 歩美の機体がunknownを捉え、オープン回線で全機に通信が入る。
「ノエル、数は!?」
「26、27… 全部は把握しきれませんがほぼ先程と同じ数です!」
「敵はレーダーの索敵範囲で1度止まる。そこで歩美の射撃でコアを狙撃、復活しないとわかったら手筈通り行動してくれ」
「もし復活したら… 」
「その時は全力で逃げる」
「逃げるって言っておいて、1人で戦う気なんでしょ?」
 「西野さん? 頼むから余計なことは言わないでね? ノエル、復活するまでのタイムラグは計算できたか?」
「はい! 復活まで約12.6秒です。それ以降は今の時点では確認できていません」
「おいでなすったぜ~、隊長さんよ~!」
「レーダー索敵範囲内まで10、9、8、7… 敵unknownレーダー索敵範囲外で停止!?」
「なッ!?予測より遠い、歩美! 撃てるか!?」「ダメッ!! ビルが邪魔で先頭のやつが見えない!!」
 先頭のunknownから赤い球体が顔の部分に出現する。
「ここからじゃロックオン範囲外で正確に射撃はできないわよ!?」
 西野が待機位置から射撃を試みようとするが、精密射撃は出来ないほど距離がある。
「くそッ!! ダメか… 」
「待って!! 私、ここからでもやってみる」「歩美? 本気なのか!?」
「私を信じて、勇志」
「わかった。俺はいつだって歩美を信じてる、頼んだぞ!」
「ふーッ… 大丈夫、私ならできる」
 unknownの球体から目の様な物が浮かび上がった。
「今だ! 歩美っ!!」
 歩美の機体から短い射撃音が響き渡り、ピンクの閃光がunknownの左側のビルを焼き貫く。
 その閃光は真っ直ぐunknownの赤い球体を貫通し、道路に穴を開けた。
「超遠距離射撃、目標のコアに命中しました!!」
 ノエルの報告と同時に球体を貫かれたunknownが、まるで糸の切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちる。
「13秒カウントダウン!!」
 先頭の個体を失ったunknownたちは一瞬だけ動きが止まったような気がしたが、すぐにまた他の個体からコアが露出し、目の様なものが浮かび上がる。
「「「グガギャギャギャッギャギャーーー!!!!」」」
 全個体が叫び声をあげ真っ直ぐこちらに突進を始める。
 歩美がコアを撃ち抜いた個体は未だに再生する気配が見られない。
「残りは!?」「残り3秒、2、1 … unknown再生しません!!赤いコアが弱点ですッ!!」
「全機!散開して各個撃破ッ!!」「「「了解ッ!!!」」」
 真っ直ぐ俺の方に向かってくるunknownにデスゲイズのブーストを最大まで飛ばしながら、スーパージャマーとミラージュコラルドシステムを発動する。
 急に向かってきていた相手がいなくなり、急停止し辺りを見回していたunknownのコアを容赦なくビームサイズで斬り裂く。
 後ろに続いていた2体のunknownも、ビームサイズを斜め右上から振り下ろし、周りのビルごと纏めて斬り伏せた。
「これで3体!! 次ッ!!」
 完全にスイッチが入った俺は近くのunknownを次々と撃破していく。
「おいおい隊長! 1人で全部片付けちまうつもりかよ! 俺も鬱憤が溜まってるんだ、少しは晴らさせてくれやッ!!」
 ロックの実弾兵装でゴテゴテに固められたダンガムヘビーウェポンベースのカスタマイズ機から大量のミサイルがunknownを蜂の巣にする。
 そのまま崩れ落ちたunknownのコアを機体の脚部で容赦なく踏み潰す。
「消し炭にしてあげるわ!!」
 西野のヴァーチェカスタムも固定砲台の如く、迫り来るunknownに大出力のビーム砲撃を浴びせ、unknownをそのコアごと消し飛ばしていく。
 歩美はポイントを移動しながら、取り付かれそうになっている味方を援護し超遠距離射撃で正確にコアを撃ち抜いている。
「これでラストだ!!」
 最後のunknownの脚をビームサイズで切断し、地面に倒れた所をデバイスの先でコアを潰す。
「unknownの全滅を確認! やりました隊長ッ…!!」
 ノエルが感極まり今にも泣きそうな声で報告してくる。
「喜ぶのはまだ早い、周囲の警戒を怠るな!!」
「やった!勝った! 隊長! 俺たち勝ったんですよ!?」
 俺の近くにいたチームメンバーの1人が喜びを露わにし、こちらに近付いてくる。
「そうみたいだな… 」「隊長、俺帰ったらしばらくゲームなんてやめて… 」
 メンバーが喋っているといきなりロックオン警報が鳴り響き、咄嗟に機体をステップ移動させて回避運動を取る。
 すると、今いた場所に黄色い閃光が走り抜け、隣にいたメンバーの機体のコクピット部分を貫いた。
「そん、な… 」
 ビームが発射された方向を見ると、右の掌をこちら向けたunknownが1体佇んでいた。
「何だあのunknownは…? 他の個体より一回りもでかいぞ?」
 しかも、unknownは戦闘時には必ず頭部にコアを露出させていたはずだ!
 そのコアが右掌に移動していて、尚且つビームを撃ってくるなんて…
 「くそがぁーッ!! よくもやりやがったな! うおおおおおおおお!!!!」
 ロックが新たに出現した個体に向かって両腕に装備しているガトリング砲を乱射しながら地面を滑り、unknownを中心に反時計回りに旋回する。
 しかし新たに出現したunknownはビルを盾に使い、猛スピードで移動しながらロックの砲撃を全て躱していく。
「何だコイツ!? 今までのやつとは全然比べ物にならねぇ!!」
「勇志、もしかしてこのでかいのがボスなんじゃない!?」
 西野が今目の前でロックと死闘を繰り広げているunknownをボスではないかと仮定する。
「どっちにしても、コイツはここで倒さないと不味い!  西野はロックの援護、奴の足を止めてくれ! 右掌からの射撃に注意しろよ!」
「「了解!!」」
 ロックのガトリング砲に西野のビーム砲撃も加わり、より隙がない弾幕を張っているが、unknownはまるで背後に目が付いているかのように全ての射撃を身体を捩じらせたり、ビルの間をすり抜けて躱している。
「何で当たらないのよッ!?」
 西野が射撃の手は緩まるどころか、全ての砲門を開放し手数を増やすが一向に当たる気配はない。
「隊長! 俺らが接近して奴の動きを止める!」「隊長はコアを破壊してください!!」
 俺の返事を待たず近接戦闘に特化した機体を使う2人がunknownに特攻を掛ける。
 ロックと西野の射撃の弾幕を躱すことで手一杯のunknownの懐にいとも簡単に潜り込み、ビームサーベルを振るう。
 もう1機もunknownの背後にすでに回り込んでいて挟み討ちを狙い、大剣を振りかざす。
「もらったーッ!!」
 懐に潜り込んだ機体の斬り上げがunknownの胴体を捉えた瞬間、unknownは懐に入られた機体の肩部分を掴んで身体を浮かせ、後方の機体を両脚で蹴り飛ばして、そのまま体制を変える。
 懐に潜り込んだ機体の後ろに回り込んだunknownは右掌のコアからビームを放出させ、細長い槍のような物を生成すると背後から機体のコクピット部分を正確に刺し貫いた。
「こんちくしょーめが!やりやがったなッ!!」
 ロックがありったけの弾丸をunknownに向けて発射するが、闇雲に撃っているため周りのビルや地面に当たり土煙が巻き起こってしまいunknownの姿が見えなくなる。
 目の前で仲間をやられてキレたロックは周りが見えなくなっているようだ。
「ロック落ち着けッ!!」
 俺の言葉ですぐに落ち着きを取り戻したロックが射撃を止め、unknownの索敵に入る。
「畜生、どこへ行きやがった!?」「レーダーに反応がまだある、注意しろ」
「ん? 影が… そこかァァァ!!」
 ロックが再び砂けむりに見えた影に向かって弾丸の雨を浴びせる。
「やったか!?」
 ゆっくりと砂けむりが晴れ、そこに立っていたのは、先程unknownに蹴られてビルに激突した味方の機体を盾にこちらを覗いているunknownだった。
「何なんだ、こいつの戦い方はまるで… 」「ロック、退がれ! 来るぞ!!」
 unknownは盾にしていた機体をロックに向けて投げ飛ばし俺の方に向かって突進してくる。
 ロックは味方を誤射してしまったためか判断が鈍り、避けきれずに味方の機体にぶつかり下敷きになってしまった。
「くッ!」
 俺に向かって突進してきたunknownが急に体制を変え、回し蹴りを繰り出してくるが、サイドステップで躱しビームサイズで反撃する。
 しかし、unknownは状態を90度近く逸らしてビームサイズを躱し、右掌のコアからビームの槍を出して貫こうとしてくるが、紙一重で回避する。
 息つく間もなく繰り広げられる攻防に、他のプレイヤーたちは手を出せずに固唾を飲んで見守る。
「ここだ!!」
 一瞬の隙を突いてunknownの右腕を根元からビームサイズで切り落とした。
「西野、コアを!!」「わかったわ! いけーッ!!」
 宙に舞ったunknownの右腕を、西野のヴァーチェカスタムの砲撃が跡形もなく消し飛ばす。
「勇志!やったわ!!」「ナイスだ、西野!」
 これで終わったものだと気を抜いた瞬間、unknownの左掌から出現したビーム射撃が右腕をかすめる。
「なに!?」「何でまだ生きてるの!?」
 ビームが発射された左掌を見ると、そこには赤いコアがもう1つ出現していた。
「コアが2つあるのか!?」
 直ぐに体制を立て直し、ミラージュコラルドシステムとスーパージャマーを発動させ、一瞬のうちにunknownの左腕も根元から切断し、コアを砕いた。
「ギャァアァァア!!!」
 2つのコアを失ったunknownは断末魔の叫びを上げ、その場に崩れ落ちた。
「やった… やったぜ!隊長!!」「すごい… 倒したの!?」
 強敵の撃破に仲間たちが次々と駆け寄ってくる。
 「ゲームクリアにならないってことは今の奴はボスじゃないってことか… 」
 しかし、他のunknownの個体とは明らかに強さが違うし、中ボスと言ったところだろうか。
 とにかく、今は1度補給エリアに戻り、弾薬とヒットポイントの回復をしなければ、次にunknownと戦えばひとたまりもない。
「全機補給エリアまで撤退、そこでまた指示を… 」「隊長!! レーダーに反応多数、そのうち2体は通常の3倍のスピードでこちらに向かって来ています!」
 急いで機体を森林地帯の方へ向けると、森林地帯に面している丘に先程倒したunknownの中ボスと同じ奴が2体、まるで獲物を見定めるようにこちらを見下ろしていた。
 時折、機体に砂交じりの風が吹きつけ、ノイズの様な音と金属が擦れる音だけが聞こえてくる。
「歩美、見えるか?」
 市街地の西側の丘に超遠距離射撃ができる歩美を配置し、俺がチームの1番先頭に立って囮となる。
 おそらく、unknownはこちらを補足する際、あの赤い球体に目の様なものを出して確認するはずだ。
 歩美にはそこをピンポイントで狙撃してもらう。
 もし、あの赤い球体がコアで奴らの弱点であれば、一体ずつ誘い出し撃破できる。しかし、赤い球体がコアでなく弱点でもなかった場合は粉々になるまで斬り刻むだけだ。
「見えた! 約45秒で会敵するわ!」
 歩美の機体がunknownを捉え、オープン回線で全機に通信が入る。
「ノエル、数は!?」
「26、27… 全部は把握しきれませんがほぼ先程と同じ数です!」
「敵はレーダーの索敵範囲で1度止まる。そこで歩美の射撃でコアを狙撃、復活しないとわかったら手筈通り行動してくれ」
「もし復活したら… 」
「その時は全力で逃げる」
「逃げるって言っておいて、1人で戦う気なんでしょ?」
 「西野さん? 頼むから余計なことは言わないでね? ノエル、復活するまでのタイムラグは計算できたか?」
「はい! 復活まで約12.6秒です。それ以降は今の時点では確認できていません」
「おいでなすったぜ~、隊長さんよ~!」
「レーダー索敵範囲内まで10、9、8、7… 敵unknownレーダー索敵範囲外で停止!?」
「なッ!?予測より遠い、歩美! 撃てるか!?」「ダメッ!! ビルが邪魔で先頭のやつが見えない!!」
 先頭のunknownから赤い球体が顔の部分に出現する。
「ここからじゃロックオン範囲外で正確に射撃はできないわよ!?」
 西野が待機位置から射撃を試みようとするが、精密射撃は出来ないほど距離がある。
「くそッ!! ダメか… 」
「待って!! 私、ここからでもやってみる」「歩美? 本気なのか!?」
「私を信じて、勇志」
「わかった。俺はいつだって歩美を信じてる、頼んだぞ!」
「ふーッ… 大丈夫、私ならできる」
 unknownの球体から目の様な物が浮かび上がった。
「今だ! 歩美っ!!」
 歩美の機体から短い射撃音が響き渡り、ピンクの閃光がunknownの左側のビルを焼き貫く。
 その閃光は真っ直ぐunknownの赤い球体を貫通し、道路に穴を開けた。
「超遠距離射撃、目標のコアに命中しました!!」
 ノエルの報告と同時に球体を貫かれたunknownが、まるで糸の切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちる。
「13秒カウントダウン!!」
 先頭の個体を失ったunknownたちは一瞬だけ動きが止まったような気がしたが、すぐにまた他の個体からコアが露出し、目の様なものが浮かび上がる。
「「「グガギャギャギャッギャギャーーー!!!!」」」
 全個体が叫び声をあげ真っ直ぐこちらに突進を始める。
 歩美がコアを撃ち抜いた個体は未だに再生する気配が見られない。
「残りは!?」「残り3秒、2、1 … unknown再生しません!!赤いコアが弱点ですッ!!」
「全機!散開して各個撃破ッ!!」「「「了解ッ!!!」」」
 真っ直ぐ俺の方に向かってくるunknownにデスゲイズのブーストを最大まで飛ばしながら、スーパージャマーとミラージュコラルドシステムを発動する。
 急に向かってきていた相手がいなくなり、急停止し辺りを見回していたunknownのコアを容赦なくビームサイズで斬り裂く。
 後ろに続いていた2体のunknownも、ビームサイズを斜め右上から振り下ろし、周りのビルごと纏めて斬り伏せた。
「これで3体!! 次ッ!!」
 完全にスイッチが入った俺は近くのunknownを次々と撃破していく。
「おいおい隊長! 1人で全部片付けちまうつもりかよ! 俺も鬱憤が溜まってるんだ、少しは晴らさせてくれやッ!!」
 ロックの実弾兵装でゴテゴテに固められたダンガムヘビーウェポンベースのカスタマイズ機から大量のミサイルがunknownを蜂の巣にする。
 そのまま崩れ落ちたunknownのコアを機体の脚部で容赦なく踏み潰す。
「消し炭にしてあげるわ!!」
 西野のヴァーチェカスタムも固定砲台の如く、迫り来るunknownに大出力のビーム砲撃を浴びせ、unknownをそのコアごと消し飛ばしていく。
 歩美はポイントを移動しながら、取り付かれそうになっている味方を援護し超遠距離射撃で正確にコアを撃ち抜いている。
「これでラストだ!!」
 最後のunknownの脚をビームサイズで切断し、地面に倒れた所をデバイスの先でコアを潰す。
「unknownの全滅を確認! やりました隊長ッ…!!」
 ノエルが感極まり今にも泣きそうな声で報告してくる。
「喜ぶのはまだ早い、周囲の警戒を怠るな!!」
「やった!勝った! 隊長! 俺たち勝ったんですよ!?」
 俺の近くにいたチームメンバーの1人が喜びを露わにし、こちらに近付いてくる。
「そうみたいだな… 」「隊長、俺帰ったらしばらくゲームなんてやめて… 」
 メンバーが喋っているといきなりロックオン警報が鳴り響き、咄嗟に機体をステップ移動させて回避運動を取る。
 すると、今いた場所に黄色い閃光が走り抜け、隣にいたメンバーの機体のコクピット部分を貫いた。
「そん、な… 」
 ビームが発射された方向を見ると、右の掌をこちら向けたunknownが1体佇んでいた。
「何だあのunknownは…? 他の個体より一回りもでかいぞ?」
 しかも、unknownは戦闘時には必ず頭部にコアを露出させていたはずだ!
 そのコアが右掌に移動していて、尚且つビームを撃ってくるなんて…
 「くそがぁーッ!! よくもやりやがったな! うおおおおおおおお!!!!」
 ロックが新たに出現した個体に向かって両腕に装備しているガトリング砲を乱射しながら地面を滑り、unknownを中心に反時計回りに旋回する。
 しかし新たに出現したunknownはビルを盾に使い、猛スピードで移動しながらロックの砲撃を全て躱していく。
「何だコイツ!? 今までのやつとは全然比べ物にならねぇ!!」
「勇志、もしかしてこのでかいのがボスなんじゃない!?」
 西野が今目の前でロックと死闘を繰り広げているunknownをボスではないかと仮定する。
「どっちにしても、コイツはここで倒さないと不味い!  西野はロックの援護、奴の足を止めてくれ! 右掌からの射撃に注意しろよ!」
「「了解!!」」
 ロックのガトリング砲に西野のビーム砲撃も加わり、より隙がない弾幕を張っているが、unknownはまるで背後に目が付いているかのように全ての射撃を身体を捩じらせたり、ビルの間をすり抜けて躱している。
「何で当たらないのよッ!?」
 西野が射撃の手は緩まるどころか、全ての砲門を開放し手数を増やすが一向に当たる気配はない。
「隊長! 俺らが接近して奴の動きを止める!」「隊長はコアを破壊してください!!」
 俺の返事を待たず近接戦闘に特化した機体を使う2人がunknownに特攻を掛ける。
 ロックと西野の射撃の弾幕を躱すことで手一杯のunknownの懐にいとも簡単に潜り込み、ビームサーベルを振るう。
 もう1機もunknownの背後にすでに回り込んでいて挟み討ちを狙い、大剣を振りかざす。
「もらったーッ!!」
 懐に潜り込んだ機体の斬り上げがunknownの胴体を捉えた瞬間、unknownは懐に入られた機体の肩部分を掴んで身体を浮かせ、後方の機体を両脚で蹴り飛ばして、そのまま体制を変える。
 懐に潜り込んだ機体の後ろに回り込んだunknownは右掌のコアからビームを放出させ、細長い槍のような物を生成すると背後から機体のコクピット部分を正確に刺し貫いた。
「こんちくしょーめが!やりやがったなッ!!」
 ロックがありったけの弾丸をunknownに向けて発射するが、闇雲に撃っているため周りのビルや地面に当たり土煙が巻き起こってしまいunknownの姿が見えなくなる。
 目の前で仲間をやられてキレたロックは周りが見えなくなっているようだ。
「ロック落ち着けッ!!」
 俺の言葉ですぐに落ち着きを取り戻したロックが射撃を止め、unknownの索敵に入る。
「畜生、どこへ行きやがった!?」「レーダーに反応がまだある、注意しろ」
「ん? 影が… そこかァァァ!!」
 ロックが再び砂けむりに見えた影に向かって弾丸の雨を浴びせる。
「やったか!?」
 ゆっくりと砂けむりが晴れ、そこに立っていたのは、先程unknownに蹴られてビルに激突した味方の機体を盾にこちらを覗いているunknownだった。
「何なんだ、こいつの戦い方はまるで… 」「ロック、退がれ! 来るぞ!!」
 unknownは盾にしていた機体をロックに向けて投げ飛ばし俺の方に向かって突進してくる。
 ロックは味方を誤射してしまったためか判断が鈍り、避けきれずに味方の機体にぶつかり下敷きになってしまった。
「くッ!」
 俺に向かって突進してきたunknownが急に体制を変え、回し蹴りを繰り出してくるが、サイドステップで躱しビームサイズで反撃する。
 しかし、unknownは状態を90度近く逸らしてビームサイズを躱し、右掌のコアからビームの槍を出して貫こうとしてくるが、紙一重で回避する。
 息つく間もなく繰り広げられる攻防に、他のプレイヤーたちは手を出せずに固唾を飲んで見守る。
「ここだ!!」
 一瞬の隙を突いてunknownの右腕を根元からビームサイズで切り落とした。
「西野、コアを!!」「わかったわ! いけーッ!!」
 宙に舞ったunknownの右腕を、西野のヴァーチェカスタムの砲撃が跡形もなく消し飛ばす。
「勇志!やったわ!!」「ナイスだ、西野!」
 これで終わったものだと気を抜いた瞬間、unknownの左掌から出現したビーム射撃が右腕をかすめる。
「なに!?」「何でまだ生きてるの!?」
 ビームが発射された左掌を見ると、そこには赤いコアがもう1つ出現していた。
「コアが2つあるのか!?」
 直ぐに体制を立て直し、ミラージュコラルドシステムとスーパージャマーを発動させ、一瞬のうちにunknownの左腕も根元から切断し、コアを砕いた。
「ギャァアァァア!!!」
 2つのコアを失ったunknownは断末魔の叫びを上げ、その場に崩れ落ちた。
「やった… やったぜ!隊長!!」「すごい… 倒したの!?」
 強敵の撃破に仲間たちが次々と駆け寄ってくる。
 「ゲームクリアにならないってことは今の奴はボスじゃないってことか… 」
 しかし、他のunknownの個体とは明らかに強さが違うし、中ボスと言ったところだろうか。
 とにかく、今は1度補給エリアに戻り、弾薬とヒットポイントの回復をしなければ、次にunknownと戦えばひとたまりもない。
「全機補給エリアまで撤退、そこでまた指示を… 」「隊長!! レーダーに反応多数、そのうち2体は通常の3倍のスピードでこちらに向かって来ています!」
 急いで機体を森林地帯の方へ向けると、森林地帯に面している丘に先程倒したunknownの中ボスと同じ奴が2体、まるで獲物を見定めるようにこちらを見下ろしていた。
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