マルチな才能を発揮してますが、顔出しはNGで
顔出しNGで楽曲提供 6
「あはははははッ!! バッカじゃないの!? マリーちゃんがマフィアの幹部な訳ないじゃん! あはははははッ!」「うっさいなぁ! もういいだろー」
 この『変なおっさん』改め『マリーさん』が、まさかのスターエッグプロダクションの代表取締役社長で、マフィアの幹部ではないということはよーく分かった。
 《kira☆kira》の2人がVIPルームに入ってきたことでようやく自分の勘違いに気付き、安心して緊張が解けたせいか、左足のふくらはぎがつった。
 3人の目の前でいきなり転がりまわったものだから、どうしてつったのか理由を話さないわけにもいかず、包み隠さず話したらこれの有様だ。   アキラのやつ、腹を抱えて笑いやがって!
 さっきまでキアラと喧嘩して自分の部屋に引きこもってたくせに、まったく調子のいいやつだ。
「こら! アキラちゃん、あんまり笑ったら失礼だよ… くっふふふ… 」
 き、キアラまでー!
 あー、恥ずかしい… 穴があったら入りたい、そのまま冬眠したい。
 「ゴメンなさいねーん。アタシがもっと早く自己紹介していればよかったわねー。アタシ、生ユウくんに会えて興奮しちゃってすっかり忘れちゃってたのよーん!」
「こちらこそ… マフィアの幹部なんてとんでもないことを考えていて、すいませんでした。 マリーさん」  「気にしないでー。 アタシぃ、こんなんだからよく勘違いされちゃうのよーん。 それとアタシの事は『マリー〝ちゃん〟』って呼んでってばー」
 あ、自覚はしてるんですね…
「マリーさんはユウさんの大ファンなんですよ」「いやだーん! 恥ずかしいぃ〜! そんなストレートに言っちゃダメよー、キアラちゃん! それに、キアラちゃんだってユウくんの大ファンだって、アタシ知ってるのよ〜ん!」
「ままままマリーさん!? 今は私、関係ないじゃないですかーッ!! 私まだユウさんに言ってなかったのにッ!」「あら、ごめんなさ〜い」
 この人、本当に社長さんですか?
 でも、キアラもアキラもマリーさんとは本当に楽しそうに会話するんだな…
 まあアキラはさっきから目の前の飯にかぶりついているが…
「でも、ユウくんといえば! 怖いお面からは想像もできない優しい歌声、またその一つ一つの言動とかが可愛いのよね~! ギャップて言うのかしらね~。 堪んないわ!   そのお面の下はどんな素顔をしているのかしら?  いやーん! 乙女の妄想が止まらないわ~ん!」
 こんなお面野郎のどこがそんなにいいんですかね!?っていうか、乙女って誰!?
 それとキアラさん? 『お面の下の素顔が気になる』ってところで、全力でうなづいているの見えてますからね!?
「だったら、そんなお面脱いだらいいじゃん?  食事の時までしてたら邪魔だろ?」
 アキラの意見も最もだ、食事中にお面なんて被ってたらマナー違反だろうに。
「確かに、じゃあ脱ごうか?」
 そう言いながら、お面に手を掛け脱ぎ始める。
 隣で目をキラキラ輝かさているキアラが少し気になる、あんまり見つめないでくれるかな…?
 申し訳ないけど、お面の下から出てくるのは中味普通の男子高校生だからね?
「ちょっと待ってッ!!」
 思わぬところから待ったが掛かる。
 見るとマリーちゃんが両手をテーブルに置き、スッと立ち上がるところだった。
「ユウくんの素顔は分からないからこそ素晴らしいの! 寝る前にユウくんの顔がどんなだろうかと妄想しながら寝るのがアタシの楽しみなの!だから、そのお面は取っちゃダメよ…!」
 なんかあまりもの説得力でキュンと来ちゃったかも… と錯覚しそうになったけど、よくよく考えても俺、被害者だよね?
 夜な夜な抱き枕を抱えて俺のことを妄想しているマリーさん…
 うぶッ!? 吐き気が…
 落ち着けー、落ち着けー 深呼吸ー…
「マリーさん… そのー、なんと言いますか…」
「ユウくん… 」
 マリーさんが、俺の話をもう十分とでも言うように制止する。
「 『マリー〝ちゃん〟』って呼べっつってるだろ!? ア゛アンッ!!?」「ひぃぃぃいッ!!?」
 いきなり般若のような顔で、俺の顔を超至近距離で睨みつけるマリーさんに腰を抜かしてしまう。
「ごごごめんなさい!!まっ、マリー〝ちゃん〟… 」「よろしい… もうッ、おいたがすぎるわよ?」
「以後、十分気をつけます…」
 そんなこんなで4人で食事を和気あいあい? と食べてお開きになった。
「じゃあユウくん、またいつでも遊びにいらっしゃいね」「はい、ありがとうございました。 マリーさッ… マリー〝ちゃん〟」
「はーい、またねーん。 じゃあ、アキラちゃん、キアラちゃん、ユウくんをエントランスまでお見送りしてあげてくれる?」
「え~、なんで私が~」「ほら、アキラちゃん行くよ。 またマリーさんに怒られても知らないからね?」
「マリーちゃん怒ると恐いからなー」
 そんな仲睦まじい2人にエントランスまで送ってもらい、スターエッグプロダクションを後にした。
 帰り際、キアラにガップレみんなにと手土産を渡された。 本当によくできた子だ。  アキラは最後までそっぽ向いていたが、なんだかんだでお見送りまでしてくれてるんだから前よりは良くなった方だろう。
 帰りの電車の中で、妹の愛美に『今から帰る』とメールをする。
 すぐに『サイン貰ってきてくれた?』とだけメールが返ってきた。
 すまん、妹よ…
 お兄ちゃん、サイン貰うの忘れたわ。
 代わりに、この義也の分の手土産を愛美に渡してあげよう。
 それにしても、電車の中が騒がしいな。 さっきから子供がワンワン泣いているが…
 ん? 何だ? 俺を見ている?
 あ! しまった… お面を脱ぐのを忘れてた!!
 この『変なおっさん』改め『マリーさん』が、まさかのスターエッグプロダクションの代表取締役社長で、マフィアの幹部ではないということはよーく分かった。
 《kira☆kira》の2人がVIPルームに入ってきたことでようやく自分の勘違いに気付き、安心して緊張が解けたせいか、左足のふくらはぎがつった。
 3人の目の前でいきなり転がりまわったものだから、どうしてつったのか理由を話さないわけにもいかず、包み隠さず話したらこれの有様だ。   アキラのやつ、腹を抱えて笑いやがって!
 さっきまでキアラと喧嘩して自分の部屋に引きこもってたくせに、まったく調子のいいやつだ。
「こら! アキラちゃん、あんまり笑ったら失礼だよ… くっふふふ… 」
 き、キアラまでー!
 あー、恥ずかしい… 穴があったら入りたい、そのまま冬眠したい。
 「ゴメンなさいねーん。アタシがもっと早く自己紹介していればよかったわねー。アタシ、生ユウくんに会えて興奮しちゃってすっかり忘れちゃってたのよーん!」
「こちらこそ… マフィアの幹部なんてとんでもないことを考えていて、すいませんでした。 マリーさん」  「気にしないでー。 アタシぃ、こんなんだからよく勘違いされちゃうのよーん。 それとアタシの事は『マリー〝ちゃん〟』って呼んでってばー」
 あ、自覚はしてるんですね…
「マリーさんはユウさんの大ファンなんですよ」「いやだーん! 恥ずかしいぃ〜! そんなストレートに言っちゃダメよー、キアラちゃん! それに、キアラちゃんだってユウくんの大ファンだって、アタシ知ってるのよ〜ん!」
「ままままマリーさん!? 今は私、関係ないじゃないですかーッ!! 私まだユウさんに言ってなかったのにッ!」「あら、ごめんなさ〜い」
 この人、本当に社長さんですか?
 でも、キアラもアキラもマリーさんとは本当に楽しそうに会話するんだな…
 まあアキラはさっきから目の前の飯にかぶりついているが…
「でも、ユウくんといえば! 怖いお面からは想像もできない優しい歌声、またその一つ一つの言動とかが可愛いのよね~! ギャップて言うのかしらね~。 堪んないわ!   そのお面の下はどんな素顔をしているのかしら?  いやーん! 乙女の妄想が止まらないわ~ん!」
 こんなお面野郎のどこがそんなにいいんですかね!?っていうか、乙女って誰!?
 それとキアラさん? 『お面の下の素顔が気になる』ってところで、全力でうなづいているの見えてますからね!?
「だったら、そんなお面脱いだらいいじゃん?  食事の時までしてたら邪魔だろ?」
 アキラの意見も最もだ、食事中にお面なんて被ってたらマナー違反だろうに。
「確かに、じゃあ脱ごうか?」
 そう言いながら、お面に手を掛け脱ぎ始める。
 隣で目をキラキラ輝かさているキアラが少し気になる、あんまり見つめないでくれるかな…?
 申し訳ないけど、お面の下から出てくるのは中味普通の男子高校生だからね?
「ちょっと待ってッ!!」
 思わぬところから待ったが掛かる。
 見るとマリーちゃんが両手をテーブルに置き、スッと立ち上がるところだった。
「ユウくんの素顔は分からないからこそ素晴らしいの! 寝る前にユウくんの顔がどんなだろうかと妄想しながら寝るのがアタシの楽しみなの!だから、そのお面は取っちゃダメよ…!」
 なんかあまりもの説得力でキュンと来ちゃったかも… と錯覚しそうになったけど、よくよく考えても俺、被害者だよね?
 夜な夜な抱き枕を抱えて俺のことを妄想しているマリーさん…
 うぶッ!? 吐き気が…
 落ち着けー、落ち着けー 深呼吸ー…
「マリーさん… そのー、なんと言いますか…」
「ユウくん… 」
 マリーさんが、俺の話をもう十分とでも言うように制止する。
「 『マリー〝ちゃん〟』って呼べっつってるだろ!? ア゛アンッ!!?」「ひぃぃぃいッ!!?」
 いきなり般若のような顔で、俺の顔を超至近距離で睨みつけるマリーさんに腰を抜かしてしまう。
「ごごごめんなさい!!まっ、マリー〝ちゃん〟… 」「よろしい… もうッ、おいたがすぎるわよ?」
「以後、十分気をつけます…」
 そんなこんなで4人で食事を和気あいあい? と食べてお開きになった。
「じゃあユウくん、またいつでも遊びにいらっしゃいね」「はい、ありがとうございました。 マリーさッ… マリー〝ちゃん〟」
「はーい、またねーん。 じゃあ、アキラちゃん、キアラちゃん、ユウくんをエントランスまでお見送りしてあげてくれる?」
「え~、なんで私が~」「ほら、アキラちゃん行くよ。 またマリーさんに怒られても知らないからね?」
「マリーちゃん怒ると恐いからなー」
 そんな仲睦まじい2人にエントランスまで送ってもらい、スターエッグプロダクションを後にした。
 帰り際、キアラにガップレみんなにと手土産を渡された。 本当によくできた子だ。  アキラは最後までそっぽ向いていたが、なんだかんだでお見送りまでしてくれてるんだから前よりは良くなった方だろう。
 帰りの電車の中で、妹の愛美に『今から帰る』とメールをする。
 すぐに『サイン貰ってきてくれた?』とだけメールが返ってきた。
 すまん、妹よ…
 お兄ちゃん、サイン貰うの忘れたわ。
 代わりに、この義也の分の手土産を愛美に渡してあげよう。
 それにしても、電車の中が騒がしいな。 さっきから子供がワンワン泣いているが…
 ん? 何だ? 俺を見ている?
 あ! しまった… お面を脱ぐのを忘れてた!!
「学園」の人気作品
書籍化作品
-
-
6
-
-
768
-
-
140
-
-
37
-
-
124
-
-
127
-
-
63
-
-
267
-
-
22803
コメント