AI`s(アイズ)
第六話:戦いの行きつく先 前篇
セントラルタワー。そこは地球人類を統括するように模範的生活プロトコルを搭載したAIの母体、通称「AI's(アイズ)」が存在しているのであった。そこへと先に足を運ぶのは一体誰なのだろうか。
現時刻2036年1月13日am.9:22:01.
ヨハン、シロ―の二人は警官隊に見つからないようにタワーへの潜入作戦を開始し、ジョー、サバラ、エドは他の警官隊より先にタワーに行くべく隠密にシロ―含む解放軍を逮捕するためにタワーへと向かう。アイズの番人であるその他の警官隊やタワーのセキュリティーも彼らの作戦に気づいていないわけではない。そのため、タワーはいつもより厳戒態勢を貼っており周辺道路も封鎖されている状況だった。それを知っているのはやはりジョーたちだった。
「うーん、予想はしていたがこれほどの規制を貼ってるとはなぁ。聞いてたより多いぞ。」
『我々は配属任務に着かなくても大丈夫なのでしょうか。』
「何をいまさら言ってるんだエド。俺たちが護衛任務には配属されず隣町の事件についてやってこいってことは疑われてるということだ。それを『はいそうですか』と言っていくやつがいるかよ。」
車の中のサバラとエドのいつものような何気ない会話はいつも以上に冗談が冗談にならない状況だった。
「二人とも冗談いってないで、もうすぐ検問所ですよ。何とかやり過ごしてくださいよ。」
三人はようやくタワーの西側検問所の方に着いた。検問所にはアンドロイド警官一体がいるだけであった。
『こんなところに何の用ですか。サバラ警視、ジョー補佐官、E.Dー250』
「いやぁ、案件が早くに片付いたからこっちの応援頼むって言われちゃってさ。」
『AI's機関からの通達がありません。恐縮ですが関係者以外立ち入り禁止ですのでお引き取り・・』
アンドロイドが理屈っぽい説明書きを棒読みしている間に車の補助席に座るエドにサバラが合図を出して”彼の息の根を止めた。”
「大丈夫なんですか。あんなことして」
『理論的には大丈夫です。彼は私がインストールした新しいデータによって動きだします。それは私たちが通った形跡を失くしたデータですけどね。もっと具体的に説明しましょうか。』
「いや、僕そういうの苦手なんで大丈夫です。」
エドの分かりにくいアンドロイドジョークはジョーにとってはあまり好きなものではなく苦笑いしかできなかった。ジョーは少し横になって外の景色を見ながら
「シロ―、お前は必ず俺が捕まえる。死なせてたまるか、罪を償わせることが友人であり、今の自分にできる最善なんだ。」
さて、さかのぼること午前9時15分頃、タワーへと続く排水管を知っていたヨハンはシロ―と共に下の世界で何とか警官にもばれることもなく進んでいた。
「予定より少し遅れちまったな。」
「え、ええ、あんなに警官がいるとは。警戒態勢になるとは予想してましたがここまでとは予想外です。」
少しぎこちない会話が下水管の中で響き渡っていた。彼らももうすぐタワーのすぐ下の方へと進んでいた。
「ここいらで少し外の様子を見よう。ちょいと気になる。」
ヨハンがそう言うとシロ―はその場から逃げるように近くのマンホールへと続くハシゴに上った。重い鉄の塊を何とかどかしゆっくりと眺めると検問所の前だった。慌ててシロ―はハシゴをすべるように降りて
「ここから早く逃げましょう!検問所の前のマンホールを開けてしまいました!」
「くそ、よりによって。運の悪い奴め、行くぞ。」
二人は勢いよくその場を離れていって、予定のタワーの下を通り唯一入ることのできる道へとたどり着いた。ただ、二人は予想だにしない全力疾走に腰を落としてしまった。
「追ってきてるか?」
「いや、まだ・・・」
そこに足音は無くただ二人の話声が少し響いているだけだ。だが油断はできないだろう。
「気づかれていないうちに先を急ごう。諸々の話は後だ。」
シロ―は黙って返事をして、そこから二人はスッと立ち、自分達の道を切り開くことに専念した。
入ると中はボイラー室の様に配管がびっしりと並んでいた。そこには幸運にも監視カメラは無く死角だった。走りながら彼らは
「おい、今何時だ。ボウズ」
「9時25分ですけど っていうかそのボウズって言うのやめてもらえますか?」
「ボウズはボウズだろ。今更、名前呼ぶなんて気持ちわりいよ。」
「確かに今更ですが、もうボウズって言われる年じゃないんですけど。」
シロ―はむっとしながら前にいた彼に言うと彼は振り向いて人差し指を縦にして口に当てて外を見渡した。監視カメラに見つからずに部屋を出るとそこに監視カメラは無かったが殺風景な廊下に監視員が見回りをしていた。
「この辺りはカメラは少ないが監視が多いときた。だが、ここを抜ければメイン制御室に行ける。」
「誰かの制服も奪っとかないと移動も大変だと思うんですが」
「待て、なんかおかしいぞ。外が騒がしい」
というと二人は影にひっそりとひそめていた。そこには監視員の一人が手を片耳にあててそれからもう一人に話していて、耳を澄ませると
「地上より伝令だ。どうやら地上に珍客がいるらしい。そいつらはどうやら警察って名乗ってるらしいが、どうも胡散臭いらしい。後、辺りにこの間の犯人もいる可能性があるから応援頼むってさ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「聞いたか、ボウズ。マンホールばれたらしいぞ。」
「そうですよね。すいませんでした。 でも変な客ってなんだ?」
「もしかしたら、お前のともだちかもな。」
その言葉に一瞬びくっとしたがシロ―はそれがあり得そうで、しかもとんでもなく最悪のシナリオへと繋がりそうで内心気が気で無かった。だからと言って彼らは歩みを緩めることは許されない。
「ヨハンさん。これから起こることはきっと僕にとって最悪な状況かもしれません。でも、絶対に引き返しませんし、考えも変わりません。一緒に行ってくれますね。」
ヨハンは少し笑って
「やってやろうじゃない。人間が皆、平等で自由な意思を持つことが権利だってこと機械やそれに頼ってる奴らに思い知らせるんだろ?」
二人はお互いの意志の強さを改めて確かめ合った。
「行くぞ、シロ―。」
9時26分シロ―、ヨハン:タワー地下付近、中枢部まで後100m・・・
現時刻2036年1月13日am.9:22:01.
ヨハン、シロ―の二人は警官隊に見つからないようにタワーへの潜入作戦を開始し、ジョー、サバラ、エドは他の警官隊より先にタワーに行くべく隠密にシロ―含む解放軍を逮捕するためにタワーへと向かう。アイズの番人であるその他の警官隊やタワーのセキュリティーも彼らの作戦に気づいていないわけではない。そのため、タワーはいつもより厳戒態勢を貼っており周辺道路も封鎖されている状況だった。それを知っているのはやはりジョーたちだった。
「うーん、予想はしていたがこれほどの規制を貼ってるとはなぁ。聞いてたより多いぞ。」
『我々は配属任務に着かなくても大丈夫なのでしょうか。』
「何をいまさら言ってるんだエド。俺たちが護衛任務には配属されず隣町の事件についてやってこいってことは疑われてるということだ。それを『はいそうですか』と言っていくやつがいるかよ。」
車の中のサバラとエドのいつものような何気ない会話はいつも以上に冗談が冗談にならない状況だった。
「二人とも冗談いってないで、もうすぐ検問所ですよ。何とかやり過ごしてくださいよ。」
三人はようやくタワーの西側検問所の方に着いた。検問所にはアンドロイド警官一体がいるだけであった。
『こんなところに何の用ですか。サバラ警視、ジョー補佐官、E.Dー250』
「いやぁ、案件が早くに片付いたからこっちの応援頼むって言われちゃってさ。」
『AI's機関からの通達がありません。恐縮ですが関係者以外立ち入り禁止ですのでお引き取り・・』
アンドロイドが理屈っぽい説明書きを棒読みしている間に車の補助席に座るエドにサバラが合図を出して”彼の息の根を止めた。”
「大丈夫なんですか。あんなことして」
『理論的には大丈夫です。彼は私がインストールした新しいデータによって動きだします。それは私たちが通った形跡を失くしたデータですけどね。もっと具体的に説明しましょうか。』
「いや、僕そういうの苦手なんで大丈夫です。」
エドの分かりにくいアンドロイドジョークはジョーにとってはあまり好きなものではなく苦笑いしかできなかった。ジョーは少し横になって外の景色を見ながら
「シロ―、お前は必ず俺が捕まえる。死なせてたまるか、罪を償わせることが友人であり、今の自分にできる最善なんだ。」
さて、さかのぼること午前9時15分頃、タワーへと続く排水管を知っていたヨハンはシロ―と共に下の世界で何とか警官にもばれることもなく進んでいた。
「予定より少し遅れちまったな。」
「え、ええ、あんなに警官がいるとは。警戒態勢になるとは予想してましたがここまでとは予想外です。」
少しぎこちない会話が下水管の中で響き渡っていた。彼らももうすぐタワーのすぐ下の方へと進んでいた。
「ここいらで少し外の様子を見よう。ちょいと気になる。」
ヨハンがそう言うとシロ―はその場から逃げるように近くのマンホールへと続くハシゴに上った。重い鉄の塊を何とかどかしゆっくりと眺めると検問所の前だった。慌ててシロ―はハシゴをすべるように降りて
「ここから早く逃げましょう!検問所の前のマンホールを開けてしまいました!」
「くそ、よりによって。運の悪い奴め、行くぞ。」
二人は勢いよくその場を離れていって、予定のタワーの下を通り唯一入ることのできる道へとたどり着いた。ただ、二人は予想だにしない全力疾走に腰を落としてしまった。
「追ってきてるか?」
「いや、まだ・・・」
そこに足音は無くただ二人の話声が少し響いているだけだ。だが油断はできないだろう。
「気づかれていないうちに先を急ごう。諸々の話は後だ。」
シロ―は黙って返事をして、そこから二人はスッと立ち、自分達の道を切り開くことに専念した。
入ると中はボイラー室の様に配管がびっしりと並んでいた。そこには幸運にも監視カメラは無く死角だった。走りながら彼らは
「おい、今何時だ。ボウズ」
「9時25分ですけど っていうかそのボウズって言うのやめてもらえますか?」
「ボウズはボウズだろ。今更、名前呼ぶなんて気持ちわりいよ。」
「確かに今更ですが、もうボウズって言われる年じゃないんですけど。」
シロ―はむっとしながら前にいた彼に言うと彼は振り向いて人差し指を縦にして口に当てて外を見渡した。監視カメラに見つからずに部屋を出るとそこに監視カメラは無かったが殺風景な廊下に監視員が見回りをしていた。
「この辺りはカメラは少ないが監視が多いときた。だが、ここを抜ければメイン制御室に行ける。」
「誰かの制服も奪っとかないと移動も大変だと思うんですが」
「待て、なんかおかしいぞ。外が騒がしい」
というと二人は影にひっそりとひそめていた。そこには監視員の一人が手を片耳にあててそれからもう一人に話していて、耳を澄ませると
「地上より伝令だ。どうやら地上に珍客がいるらしい。そいつらはどうやら警察って名乗ってるらしいが、どうも胡散臭いらしい。後、辺りにこの間の犯人もいる可能性があるから応援頼むってさ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「聞いたか、ボウズ。マンホールばれたらしいぞ。」
「そうですよね。すいませんでした。 でも変な客ってなんだ?」
「もしかしたら、お前のともだちかもな。」
その言葉に一瞬びくっとしたがシロ―はそれがあり得そうで、しかもとんでもなく最悪のシナリオへと繋がりそうで内心気が気で無かった。だからと言って彼らは歩みを緩めることは許されない。
「ヨハンさん。これから起こることはきっと僕にとって最悪な状況かもしれません。でも、絶対に引き返しませんし、考えも変わりません。一緒に行ってくれますね。」
ヨハンは少し笑って
「やってやろうじゃない。人間が皆、平等で自由な意思を持つことが権利だってこと機械やそれに頼ってる奴らに思い知らせるんだろ?」
二人はお互いの意志の強さを改めて確かめ合った。
「行くぞ、シロ―。」
9時26分シロ―、ヨハン:タワー地下付近、中枢部まで後100m・・・
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