念願の異世界転移がようやく俺にも巡ってきたけど仲間ばっかり無双してて辛い

たねっこ

第4話 ふとももいっぱい

そりゃそうだ。
俺だけじゃない。
イオリにも【刻印】があって然るべきなんだ。

俺は、たん、たん、たん、と規則正しく運動するイオリのふとももを見つめながら考える。

思えば、とんでもないことになったもんだ。
異世界だなんて浮かれてたけど、これが現実。
無敵の肉体も、超威力の魔法も、与えられることはなかった。
迫り来るモンスターには対抗できず、ただ無様に逃げ惑うしかなかった。
つか、ふつーに怖くて何もできんかった。

ああ…ほんとにもう、思てたんと、ちゃう。

そんなことを考えていたら、もう四階だ。
もうすぐイオリのふとももともお別れか。


「ついたよ。この教室! みんないるはずだよ」


イオリはそういうと、階段から1番近い教室の引き戸を開けた。


「いおりいいいいぃ!!」


何かがイオリの胸めがけてカッ飛んできた。
イオリはそれをガシっと受け止める。


「めっちゃカッコよかったぁあ! 好き! イオリ愛してる!」


「ぁはは…ありがと、ウミ」


ウミと呼ばれたその女の子は、イオリと同じ制服を着たショートカットの女の子だった。

とても身体が小さい。そのせいで小学生くらいに見えてしまうが、イオリと同じ制服なので、同い年くらいにも見える。細めのふとももは、いかにも未発達という感じだ。


「イオリ、おっつー。こっから見てたよー。楽勝だったじゃん?」


窓際に置かれた学習机の上に座っていたのは、見るからに頭の軽そうな金髪の女の子。
褐色、と言っていいくらい、肌が焼けている。
やっぱりイオリと同じ制服だったが、かなり際どい着崩し方をしていた。スカートなんてもう、履いている意味がないほどきわっきわのミニスカートだ。思い切りパンツが見えてる。
小麦色に焼けた、肉付きのよいふとももと白いパンツのコントラストが最高に眩しい。


「エリカもありがと。まぁ、くろいひと一匹だけだったしね」


「でっ、でも一人で行くのはいくらイオリさんでも危険過ぎですっ! 私、心配だったんですから!」


委員長、とあだ名を付けたくなるような、色白で三つ編みの女の子がアワアワとした感じで言う。ぱっつんの前髪の下にはフチなしのメガネをかけていて、いかにもマジメそうだ。この子もイオリと同じ制服。
一般的な学校の規定から一センチすら短くしていないノーマル丈のスカートからは、意外とむっちりした白いふくらはぎが覗いている。


「ごめんオトハっ! 次からは気をつける!」


イオリは、てへ、と謝った。


イオリ、ウミ、エリカ、オトハ。
そして俺、アキト。
以上の五人が、ここにいる全員だ。


「てか、男子じゃね!? 最後の仲間って、男子なん?」


エリカが俺を見て言った。


「そうみたいだね。これで、仲間は全員、揃ったってこと!」


イオリが受け答える。
まただ。仲間。イオリもエリカも、仲間と表現した。


「あっ、そう言えばまだ名前も聞いてなかったよね。よかったら、自己紹介してくれないかな?」


イオリは、まだ胸の中にいるウミの頭をヨシヨシしながら俺に言った。





俺たち五人は教室の真ん中あたり、互いに向かい合うように座った。


「えっと…初めまして。俺は山田アキト。高一。……以上です」


「オワリかよっw なんかもっとあるくね!?」


エリカがすかさず突っ込む。
なんかと言われてもな…趣味とか言えばいいのか?


「うん、じゃ次あたしね! さっきも言ったけど、名前は赤木あかぎイオリ。高一。アキトくんも高一なら、ここにいる全員、高一だね。貰ったのは、【獅子の刻印】」


ああ、全員タメなんだ。へぇ。
って、獅子の刻印!?
やっぱほんとにそうなんだ!?
カッコいいんですけど!?


「ボクは箱森はこもりウミ! 【天馬の刻印】!」


ボクっ娘!?
天馬の刻印!?!?
え、カッコいいんですけど!?


「あーし倉門くらかどエリカ。【龍の刻印】でーす」


龍!?
なにそれ!?主人公格が貰うやつじゃ!?


「あのっ、私は宮司みやつかさオトハといいますっ。刻印は、【麒麟の刻印】です」


麒麟!?
キリンじゃないよね?
たぶん流れ的に麒麟の方だよね!?


ちょっと待て!
なんなんだ全員、その名前だけでわかるチートスキル感は!?


「アキトくんの刻印は?」


当然のようにイオリから質問が入る。


ヤバイ。この流れはヤバイ。
これこっからスキル説明に入る流れだ。

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