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異世界から帰って来たら、現代でも魔法が発達してた件!

眠り人

第3話 生徒会長からの呼び出し

終礼が終わると約束通り東岡さんに付いて行く。「何処に行くんだ?」「着いてからのお楽しみ。」お楽しみってw方向的には生徒会室だろう。それから数分後、着いたのは案の定、生徒会室だった。東岡さんに続いて俺も入る。「やぁ、君が紅くんだね?」「はい、初めまして、生徒会長」入ると生徒会長から挨拶してくる。生徒会長の見た目は、兎に角地味。眼鏡に黒髪、身長も高くなく低くなく、第一印象はほとんどの人が地味と受けるだろう。この人を見るのは、集会の時くらいだ。「そんな他人行儀な呼び方じゃなくて、浩介で良いんだよ。」「では、浩介先輩で。」「まぁ、妥協点か。それと、何故呼び出したのか、分かるかい?」俺が「分からない」と答える前にそれは起こった。突然魔法陣が展開された。魔力的に会長だろう。放置すれば、俺は大丈夫だが、東岡さんが危ない。とりあえず魔法陣を元素分解する。魔法陣は魔力まで分解された事により崩壊し、ガラスの割れた様な甲高い音と共に消滅する。「ほう、まさか無効化されるとは思わなかった。」「安全第一なんでね。」俺がそう言うと、生徒会長の横の扉が開く。中から出て来たのは、黒髪を肩まで伸ばした美人だった。制服を着ているから、この学校の生徒だろう。しかし、手に持っているものがヤバい。金属バット。しかも、ただの鉄じゃない。鑑定すると、真鉄だった。真鉄と言うのは、刀の素材だ。「会長?お戯れが過ぎますよ?」笑顔で言ったつもりだろうが、目が笑ってない。しかも、殺気を隠しきれていない。そのままフルスイングで浩介の後頭部を思いっきり打った。浩介は見事に飛び、壁に突き刺さった。俺と東岡さんは、結構引いている。「痛たたたた。何をするんだい、鏡花ちゃん。危うく死ぬ所だっただろう?」「あら、殺すつもりで打ったのですが、まだ生きていましたか。相変わらずの生命力の様で。まるでゴキブリですね。」さらっと毒を吐いている。この人の行動にも驚いているが、浩介の生命力にも驚いている。浩介の持つ『自動回復』のスキルで生命力はかなり回復している。「えっと…」「紹介が遅れました。私は生徒会副会長の南条 鏡花と言います。以後お見知り置きを。」丁寧な言葉使いで自己紹介をする南条さん。そう言えばこの人は鑑定で引っかからなかったんだけど、どうしてだろう?俺は南条さんを鑑定してみる。『鑑定が抵抗レジストされました。』ん?抵抗レジスト?鑑定がされるって事は隠蔽系のスキルか。自分のスキルを隠すのには、いくつかの理由がある。例えば、暗殺者だ。職業欄に暗殺者って堂々と書いてあったら、いくら腕が立っても、意味がないからだ。後は、実力を知られたくない者、特殊な職に就いている者も挙げられる。そう言った人は、あまり関わらない方が良い。例え仲間でもだ。「自己紹介が済んだ事だし、本題と行こうか。」浩介は元の位置に戻り話を始めた。「君も知っての通り、この世界には、世間一般では幻想とされている魔法がある。しかし、先程も言ったが、世間一般では魔法がある事は知れ渡って居ない。その為、魔法使い達の活動している社会は裏社会と呼ばれている。裏社会と言うと、悪いことしているイメージがあると思うが、そんな事は無いから安心して欲しい。さて、前置きはこの位にしよう。裏社会、魔法使い達は、魔法社会と呼んでいるのだが、そこでは、いくつかの組織がある。僕たち3人も、その内の一つに属していてね。それで、紅君をスカウトしたいんだが、受けてくれないかい?」「その場合の俺へのメリットとデメリットを教えて頂けませんか?」「ほう、案外冷静だね。」異世界召喚された際でこの程度では驚かない耐性が付いたのかもな。「まぁ、良い。まずはメリットだ。一つ、組織内のチームに属せる事。チームに属すとそれに見合ったサービスが受けられる。二つ、仲間が出来る事。困った時に助け合える仲間が居ると楽だろう?そして三つ、その組織の所有するダンジョンを利用出来る事。」ん?ダンジョン?こっちにもあるんだな。『解。此方の世界にもございます。』心の中に機械的な声が鳴り響く。これも『叡智之神』の能力の一つだ。「それから、デメリットだね。まずは、敵対組織との戦いに巻き込まれる事かな。こればかりは避けたいのだけれど、彼方から攻撃して来ることが多いから無理なんだよね。後、その敵対組織から狙われたりする事かな。彼方も全力で相手の力を削ろうとするからね。こんな感じだけど、乗ってくれるかい?」「もう一つ、聞かせてもらってもいいですか?」「なんだい?出来る限りの事ならば答えよう。」「俺が属す事によるメリットは?」「ほう、それはいい質問だ。」そう言ってから会長は、「紅君が属する事による一番の僕たちへのメリットは、強い者を取り込めると言う事だろうね。あまり野晒しにして居るといつ敵対組織に取られるかわからない。だからこそ、僕たちの組織へと属して欲しい。」「つまり、俺に敵対されたく無いから、俺をスカウトすると?」「まぁ、端的に答えるのならばそうだろう。」やはり、か。向こうの世界も同じだった。強力な力を持つとそれを物のように取り合う。何度も経験した。それに俺は、別に敵対組織とやらに何かをされた訳でも無い。かと言って野晒しにされて居るとそう言った組織も絡んできて面倒になる。それならと考えて俺が出した結論は。「考えさせて下さい。」「うむ、良いだろう。幸いにも、明日と明後日は休日だ。ゆっくりと考えて来てくれ。」「はい、失礼しました。」俺は一礼してから生徒会室を出る。そして教室に戻る。教室には誰もいない……と思ったのだが、雪葉が俺の席に座って居た。「雪葉」「あっ、隼也。お帰り。どこ行ってたの?」「用事だよ。」「ふ~ん。」「ふ~んって。お前が聞いたんだろ。てか、先に帰ってくれても良かったのに。」「私が居ないと隼也が寂しがると思って。」「俺はもう高校生だ。でも、ありがとな。」俺はそう言ってから、雪葉の頭を撫でる。雪葉の髪はサラサラだった。ちゃんと手入れして居るのだろう。「にゃ、にゃんで頭を撫でるの!?」雪葉が頬を赤らめながら言う。「嫌だった?」「嫌じゃ無いけど……むしろ嬉しいけど……って、そう言う事じゃないの!私ももう高校生なんだから子供扱いしないでって言う事!」「でも、見た目も中身も子供っぽいぞ?」「んな!はいはい、私はどうせ成長しない子供ですよーだ。」「でも、そう言うところも含めて、雪葉は可愛いと思うよ?」「にゃ!可愛……」雪葉の顔がどんどん赤くなっていく。こいつ、風邪でも引いたのかな?「大丈夫か?熱でもあるのか?」俺は雪葉の額に俺の額をくっつける。「にゃ……!?」ん?だんだん熱が上がって来て居る?大丈夫かこいつ?「熱いな。明日は休みだし、家まで送って行ってやるから、安静にしておけ。」俺は雪葉と俺の鞄を持ち雪葉をお姫様抱っこする。雪葉は遂に喋らなくなった。いつもうるさい雪葉もこうなればただの可愛い女の子だ。俺は雪葉を抱えたまま靴箱に向かう。うん、どうしよう。靴取れないじゃん。「雪葉、大丈夫か?」「だ、大丈夫じゃ無いでひゅ。」うむ、どうしたものか。お姫様抱っこだからいけないのか。俺は雪葉を器用におんぶの体制にする。良し、成功。結構無理したけど、魔法で補助をした。ここにソフィアがいたら魔法の無駄使いって言われるんだろうな。そんな事を考えながら、俺は靴を履き替える。続いて雪葉も履き替えさせて校門に向かう。異世界からの帰路とは違い、普通の帰路だ。異世界も良かったが、やはり生まれ育った此方の世界の方が良いな。そんな事を考えながら、俺は雪葉が家へ向かう。さて、此方の世界での変化といえば、やはり魔法だろう。今までの日常の中に非日常が日常として入ってくる。俺はそれを受け入れられるのだろうか?それは、今の俺には知る由も無かった。


【生徒会室その後   京介視点】「鏡花ちゃん、紅君の強さはどうだった?」「ちゃんを付けないで頂けますか?まぁ、紅さんの強さは、圧倒的、と言うのが正しいかと。」「鏡花ちゃんがそこまで言うとなると相当だね。」「殺しますよ?」「ごめん、ごめん。止めるからその物騒なを振りかざさないで。」「分かれば良いんです。」「それで、正確にはどのくらいの強さなんだい?」「測定不可。私の魔眼で出た答えです。」「なっ、鏡花の魔眼でも無理だったのかい?」「えぇ、そう言ったはずですが?」「それならますます紅君が来てくれる事を望まないとね。」「えぇ、そうですね。味方ならば、救世主。敵ならば、天災と言った感じでしょう。」「そうだね。それで、東岡さん。君から見た紅君はどんな人かな?」「いつも一つのグループで固まって居る人ですね。しかも、そこには成績学年一位の哲也君も居ます。紅君も頭が良く、学年二位。しかし、その中に学年最下位の雪葉さんと中の下の和幸君も居ます。聞いた所によると全員幼馴染のようです。」「ふむ、紅君の周りの事は分かったのだが、紅君自身はどうなのかな?」「正直、何と言って良いのか。頭が良い事以外に掴み所が無いですからね。あと、顔が整って居る事も。」「そうか……あまり分からないと言った感じか……まぁ、その辺は後で考えよう。」「相変わらず適当ですね、会長は。」「おやおや、そろそろ京介と呼んでくれないのかい?」「嫌ですよ、気持ち悪い。紅さんならまだしも、貴方の事を名前で呼ぶとなるとゾッとします。」「結局は顔か!顔なのかーーーー!」1人の男の虚しい叫びは、その場にいた者以外に届く事は無かった。

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