りんご

蜘蛛星

異変

朝、目が覚めると海の上にいた。正しくは小さめのクルーザーの上。自分の伸ばした足が見えることから、どうやらデッキチェアに座っているとわかる。足はどう見ても男の人のものだ。太陽が照りつける中、数人の知らない若者が水着姿で海に飛び込むのを眺めていた。そのうちの一人、美しい曲線をした大学生ほどの女性がこちらに近づいてくる。私はそこから動くこともなく、自分に付いている男の足や自分の体、周りの状況に注意を向けることも出来ず、ただただその女性に目を向けることしかできなかった。

母の怒号が聞こえた。

我に返ると、私は制服を着ている途中だった。ワイシャツのボタンを止める手は再び動き出し、頭はつい先程見た風景を反芻しつつ状況を整理しようとしていた。そして気づく。これ遅刻確定じゃん。

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