出会いは夕日。別れは朝日。

しっキー

1-6.はじめましてヤンキーさん


少し時は遡り………………



一学期始まって、二週間後。あいつは黒と白の混じった髪を風にたなびかせ、さも当然のように俺に話しかけて来た。

「はじめましてヤンキーさん、
私のことわかる?」

こ、こいつ今普通にヤンキーって言いやがった。初対面だよな?ま、まぁそこはいいだろう。

「わかるよ、風咲舞、クラス委員長で容姿端麗、成績優秀、コミュ力の化け物。俺の正反対だな。 そんな奴が学校1の嫌われ者に何の用だ?喧嘩か?」

一様、学校1の不良設定なのでそれらしい口調を使ってみたりする。

「話がしたいなぁ、なんて?だめ?」

やばいこいつ可愛すぎかよ。
日常の話や、俺がヤンキーではない事を、話しているうちに舞とは打ち解けていった。
高1の思春期真っ盛りという事もあり、美少女がぼっちに話しかけてきてくれた嬉しさもありで、簡単に俺は堕ちた。

しかし、この出会いから一ヶ月後ある事をキッカケに一切話さなくなってしまっていた。
どーもこの辺の記憶が曖昧で覚えていない。まぁ、どうせ俺が何かポカやらかして彼女に嫌われたとかその辺だろう。
気づいてはいた。この謎の関係がいつか必ず破綻することに。だけど唯一、話しかけてくれる人がいなくなってしまったことに少なからずショックを落としていた自分がいた…………………………



そして今に至る。

「委員長………どうして」
「ご、ごめんなさいっ。あなたを騙すつもりはなかったの。これは本当なの。」
「一つだけでいい、答えてくれ。君も海星の住人なのか?」
「………真実を言うわ。私は超神ポセイドンに使えしガルダニア陰聖家20強が1人
<聖華>フール・ガーデニア。」
「お、おいちょっと待て、ポセイドンってお前…」
「待って!ポセイドンに使えていたのは昔の話よ。1年前、私はポセイドンの忠実なしもべだったわ。奴に使えるのが喜びと感じるほどにね。」
「じゃあ、なんで…?」
「それは、工くんがわた…
いやなんでもないわ、それで話を戻すわね、えーと……………」

やばい、
アタマが痛い。
段々と舞の声が聞こえなくなっていく。
その時、背筋に冷たい何かが走り、脳裏に赤い血の色が浮かんだ。そう思った次の瞬間には、俺の左腕の感覚がなくなっていた。痛みで何も考えられなくなる中、掠れるように、しかし、わざとらしい程はっきりとそう聞こえた。



「ザマァ見ろ」

コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品