出会いは夕日。別れは朝日。

しっキー

1-4.魔法と天性


「パラレルワールドか……、あんな光見せつけられて今更信じねぇとかは言わない。だけど、こっちに来たのもなんか理由があんだろ?」
『よくわかったわね』
「あんな悲しそうな顔見せられて気づかねぇ方がおかしいってもんだよ。」
『それもそうね。本題だけど、
私達の住む世界は海星と呼ばれているわ。』

それからミューは海星であったことを話し始めた。長い話なのでまとめると、
海星に超神ポセイドンとかいう魔王が降臨。あっという間に世界を氷漬けにし、しもべとなるアクリズという魔族を生み出した。
しかも、それだけでなくその世界の住人、動物を氷魔人・氷魔獣へと変えているらしい。  
流石に世界観がわからなくなったが、
この世界とミューの世界の違いは、ポセイドンがいたか、いなかったかの違いだと思う。そう考えると恐ろしすぎる!

「それで、俺に何をしろと?
  自慢じゃないが、力は学年トップクラスだが、神に比べたらクソだぞ?俺」

『ちょっと失礼』

そう言ってミューは俺の手を広げ
光沢のある砂?のようなものを乗せた。

『ゼロ・ラインアーツ』

ミューがそう言った瞬間、俺の手のひらに紫、黄色の光が交差するように現れ太陽の形のような紋章が黒く俺の手のひらに刻まれた。

「何をした!?」
『あなたにどんな神の加護があるのかを調べて、その力を引き出したのよ』
「つまり?」
『今のあなたは神に勝るほど強いってこと』

まじですか?

『光から察するに、あなた2人の魔女に愛されてるわね。』
「魔女に愛されている?」
『そう、順を追って説明すると、私達の世界では魔法がある程度使えるの。まぁ、1人1属性しか使えないんだけど。
一つの属性に1人づつ魔女がいるの。
普通は火、水、木、光、闇の5属性。だけど、その上位五感で
炎、氷、樹、雷、影があるの。
ほんとにごく稀に、陽、陰、毒、精神、回復、を使える人がいるの。
そして、どの神に愛されることによって、使える属性が決まるのよ。』
「待てよ、さっき2人の神に愛されてるって……」
『そうあなたは、
雷の魔女雷帝ローズ・シェーラート
毒の魔女魔帝メイリィ・フレランス
の2人に愛されているのよ』 

毒って主人公にそんな属性持たせていいのかよ!?そんなどーでもいいことを頭の隅で考えつつ、大事なことを聞く。

「待て、2人に愛されることって普通なのか?」
『そんなわけないじゃない!そんな人1人も見たことないわよ!!!』

えーーー。じゃあ、俺いつ神様に愛されるようなことしたっけ?
だめだ思い当たる節がねぇ。

『あなたほんとに何者?』
「こっちのセリフだよ!」

濃すぎる内容のせいで肝心なこと忘れてた。

「それで、なんで婚約なんだよ?」
『簡単な話よ。あなたが私の夫になれば、海星に行く理由ができるじゃない』
「なにも結婚しなくても、そっちの世界に行ってやるぞ?」
『それが世界の決まりでだめなのよ』

なんて決まりだ。決めた奴は誰だよ!

『神が決めたから逆らったら死ぬわ。
正当な理由なく世界転移はできないのよ』

神が決めたのかよ。なら仕方ないな。

「俺が世界を救いに行くって正当な理由じゃないのか?」
『あ、』
「え?」
『その手があったか!』
「いやバカすぎだろ!」

このまま話を進めようとしたが
店の中で話すのも迷惑極まりないので帰りながら話すことにした。



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