出会いは夕日。別れは朝日。

しっキー

1-2.最初の幸運?


『なんで私のこと無視したの?』

いやいやいや。初対面ですけど。
一度見たら忘れるわけねぇじゃん、こんな美少女。

「いや、あったことさえないじゃん」
『さっき会った』

記憶の底から見つけ出そうとするが、
やはり見つからない。

「いつ?どこで?何時何分何十秒?」

我ながら子供のような子どをいってしまった。てかまだ子供か!

『4時52分38.23秒東河原町6丁目』

その時の様子を必死に思い出してみる。
その時と言えば、ふしぎな光があったくらいかなー。

「あってねーよ、その時周りに人いなかったし、いたとしても初対面の人に話しかけるわけないでしょ。」
『無視できるはずない、あの光は人の視線、心を強制的に奪うことができるのよ』

なにいってんだこいつ。やばいやつに絡まれたなぁ。おれがいえることじゃにいか!いや、感心してる場合じゃねぇ。

「なにいってんのお前。
自分で言っててかっこいいと思ってんのかも知んないど、そーゆーの厨二病って言うの!!直したほうがいいよ」

こんなことを言うのにも訳がある。
黒歴史で誰にも話したくないが、中学の時、思いっきり厨二をこじらせていた。
そのせいで、中学でもbochだった。
こんな美少女が厨二病とか普通にもったいない!

『ホントの話!ほら証拠!!!』

俺の言い草に怒ったのか少女が、なにかを取り出した。それは光だった。あの時の。

その瞬間、今の今まで完全に空気だった店長が、取り憑かれたようにその光に飛び込んで行く。そして、光に触れた瞬間
固まったように、店長が動かなくなった。

『どう?この光は見ただけで心と視線を奪い、触れてしまったら最後。一生この光の奴隷よ』
「な、なんだと。一生この光の奴隷だと!?」
『驚いているようね、愉快だわ』

「ん、まてよ………一生 ってことは店長のラーメンもうくえねぇじゃねぇかよーーー!!」

普通にネタで言っていると思われるかもしれないが、本音である。店長の作るラーメンは別格で本気で美味しいのだ。
             美味しいのだ!

『!?、驚くとこそこなのね』
「ん、待て。じゃあなぜ俺に効かなかった?」
『そう、そこなのよ。あんた名前は?』
「南島工だ」 

なんでそんなことを聞くのかふしぎに思ったが次の瞬間どうでもよくなった。


『工、私と婚約しなさい』




コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品