悪魔令嬢は婚約破棄を許さない
令嬢の真実
クラウシアが飛びだった後の結婚式場の一室。
そこにはガンザス、ディック、そしてセイナの父親であり教会の司祭である『ハリアム・ミゼル』がいた。
「我が娘が起こしてしまった行動は本当に申し訳ない! あんな奔放な娘に育ってしまったのは全て私の責任であり、必ず償わせる。」
「いや、既にクラウシアが手を出しているはずです。多分、あの子はこの世のはてまでも追いかけますよ。」
「息子は無事、ではありませんね・・・・・・。」
「無傷では帰ってくる事は無いでしょう。ただクラウシアには無駄な殺生だけはするな、と強く言って育てて来ました。」
ガンザスはディックとハリアムにそう言った。
ディックとハリアムはそれはしょうがない事だ、と諦めていた。
愚かな行為をしたので自業自得であり、戻ってきた時はそれなりの罰を受けさせるつもりだ。
それよりも何よりも聞きたいのはクラウシアの事だ。
その空気を読んだのか、ガンザスはポツリポツリと話し始めた。
「あの子は捨て子だったんですよ。 ある日、家の前にポツンと一人で立っていたんです。 私と妻には子供がいませんでしたから、家で引き取る事にしました。 その時が4歳だったと思います。 6歳の時に急にクラウシアが告白したんです。 『私は魔王の娘です。実の父親と喧嘩して魔界から追い出されたんです。』その時、初めてあの姿を見ました。」
「何故、追い出されたんです?」
「クラウシアは魔王から『人間は下等な生き物』と教えられて来たそうです。ですがクラウシアは魔王の考えに反発したそうなんです。『魔界にもいろんな種族がいて、考えもバラバラだ。人間だって同じじゃないか。』と言ったそうです。」
ハリアムはそれを聞いてハッとした。
教会では『魔族は邪悪な存在、人類の平和と未来の為には倒さなければいけない』と教えられてきたし、教えてきた。
しかし、それでは魔王と同じではないか。
「教会の教えが・・・・・・、魔王とほぼ同じ考え、だったとは・・・・・・。」
「私はね、最初は驚きましたがそれでもクラウシアは私達夫婦のかけがえの無い、大事な子供なんですよ。妻は1年前に病気で亡くしましたが、『クラウシアの側にずっとついていてあげて下さい。例え、世間が敵になっても貴方は味方でいてください。』と言われました。それは今でも同じです。」
ガンザスは淡々と話しているつもりでも徐々に涙声になっていた。
と
「お父様、戻りました。」
「クラウシアっ!」
入口から声がして振り向くと人間モードのクラウシアがにこやかな顔で立っていた。
クラウシアはディックとハリアムにお辞儀をして
「ディック様、ハリアム様。お二人の大事な子供を一時的な感情で痛めつけてしまった事をお許し下さい。」
「いや、それは自業自得だからしょうがないのだが、息子は、レナウドは?」
「娘は・・・・・・?」
「ご安心を、命はとっておりません。」
クラウシアは、そっと横に移動した。
するとドサッと言う音と共にレナウドとセイナが倒れた。
身なりはボロボロ、体は傷だらけになっていて目は虚ろだった。
「レナウドっ! なんと言う馬鹿な事をしてくれたんだっ! 」
「ち、父上ぇ・・・・・・。」
「セイナ! お前の行為は教会の信頼を失失墜させる事なんだぞっ! 命だけでも助かった事はありがたく思え!」
「お父様ぁ・・・・・・、ごめんなさいぃ・・・・・・。」
「私じゃなくクラウシア嬢とガンザス伯爵に謝れっ!」
「レナウド、お前もだっ!」
「よろしいですよ。お二人の謝罪は受けましたから。」
クラウシアは二人を散々いたぶった後に二人から、『許してぇ・・・・・・』、『ごめんなさいぃ・・・・・・』と言われたのでそれで許す事にした。
この騒動はこれで終わり、となった。
そこにはガンザス、ディック、そしてセイナの父親であり教会の司祭である『ハリアム・ミゼル』がいた。
「我が娘が起こしてしまった行動は本当に申し訳ない! あんな奔放な娘に育ってしまったのは全て私の責任であり、必ず償わせる。」
「いや、既にクラウシアが手を出しているはずです。多分、あの子はこの世のはてまでも追いかけますよ。」
「息子は無事、ではありませんね・・・・・・。」
「無傷では帰ってくる事は無いでしょう。ただクラウシアには無駄な殺生だけはするな、と強く言って育てて来ました。」
ガンザスはディックとハリアムにそう言った。
ディックとハリアムはそれはしょうがない事だ、と諦めていた。
愚かな行為をしたので自業自得であり、戻ってきた時はそれなりの罰を受けさせるつもりだ。
それよりも何よりも聞きたいのはクラウシアの事だ。
その空気を読んだのか、ガンザスはポツリポツリと話し始めた。
「あの子は捨て子だったんですよ。 ある日、家の前にポツンと一人で立っていたんです。 私と妻には子供がいませんでしたから、家で引き取る事にしました。 その時が4歳だったと思います。 6歳の時に急にクラウシアが告白したんです。 『私は魔王の娘です。実の父親と喧嘩して魔界から追い出されたんです。』その時、初めてあの姿を見ました。」
「何故、追い出されたんです?」
「クラウシアは魔王から『人間は下等な生き物』と教えられて来たそうです。ですがクラウシアは魔王の考えに反発したそうなんです。『魔界にもいろんな種族がいて、考えもバラバラだ。人間だって同じじゃないか。』と言ったそうです。」
ハリアムはそれを聞いてハッとした。
教会では『魔族は邪悪な存在、人類の平和と未来の為には倒さなければいけない』と教えられてきたし、教えてきた。
しかし、それでは魔王と同じではないか。
「教会の教えが・・・・・・、魔王とほぼ同じ考え、だったとは・・・・・・。」
「私はね、最初は驚きましたがそれでもクラウシアは私達夫婦のかけがえの無い、大事な子供なんですよ。妻は1年前に病気で亡くしましたが、『クラウシアの側にずっとついていてあげて下さい。例え、世間が敵になっても貴方は味方でいてください。』と言われました。それは今でも同じです。」
ガンザスは淡々と話しているつもりでも徐々に涙声になっていた。
と
「お父様、戻りました。」
「クラウシアっ!」
入口から声がして振り向くと人間モードのクラウシアがにこやかな顔で立っていた。
クラウシアはディックとハリアムにお辞儀をして
「ディック様、ハリアム様。お二人の大事な子供を一時的な感情で痛めつけてしまった事をお許し下さい。」
「いや、それは自業自得だからしょうがないのだが、息子は、レナウドは?」
「娘は・・・・・・?」
「ご安心を、命はとっておりません。」
クラウシアは、そっと横に移動した。
するとドサッと言う音と共にレナウドとセイナが倒れた。
身なりはボロボロ、体は傷だらけになっていて目は虚ろだった。
「レナウドっ! なんと言う馬鹿な事をしてくれたんだっ! 」
「ち、父上ぇ・・・・・・。」
「セイナ! お前の行為は教会の信頼を失失墜させる事なんだぞっ! 命だけでも助かった事はありがたく思え!」
「お父様ぁ・・・・・・、ごめんなさいぃ・・・・・・。」
「私じゃなくクラウシア嬢とガンザス伯爵に謝れっ!」
「レナウド、お前もだっ!」
「よろしいですよ。お二人の謝罪は受けましたから。」
クラウシアは二人を散々いたぶった後に二人から、『許してぇ・・・・・・』、『ごめんなさいぃ・・・・・・』と言われたのでそれで許す事にした。
この騒動はこれで終わり、となった。
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