なぜ僕はこう何回も理不尽に囚われるのか

ノベルバユーザー211081

今後の予定

「自己紹介も済んだことですし、今年の予定をざっくりと説明しますね~。」

と騒然とした教室を静まらせ、カリーナは言った。

「まず、これからの3か月はひたすら魔術です。最初の一か月はほぼ座学ですけど、後半の二か月は実技もかなり入ってきます。この3か月の目標は、下級キマイラ程度の魔獣を撃退できる程度の魔術を身に着けることです。
もちろん、成長には個人差がありますから、全員ができるようになるとは思っていません~」

正直実感が湧かない、というのが大半の生徒の感想だろう。下級キマイラ、といっても絵本に出てくるようなものしか知らないので、まるで想像もつかない。といったところだ。尊も魔術のと多少の予備知識はあれど、対象がわからなければどれくらいの難易度かをはかることはできなかった。
そんな中カリーナは

「まあ下級キマイラはとても弱いので、これくらいの術で撃退できますよ~」

と言って左手の人差し指をたてる。と次の瞬間にカリーナの人差し指の数センチ先に、まばゆい光をと、多少の熱量を放つ炎球が発生した。

「おおー」
「すげー」
「まぶしー」

などと思い思いの感想を口にする同級生を横目に、尊は別のことに驚きを隠せないでいた。

カリーナは「この魔法はレベル2炎魔法<極小太陽ミニ・サン>っていって、初歩的な攻撃魔法ですね~」と言って炎を消した。

「「「おおー」」」

またしても教室が感嘆に包まれる。

(呪文の詠唱もしてなかったし、素手に魔法陣があることなんてまずない。だとするとあの人は攻撃魔法を感覚発動したのか?まったく見た目詐欺もいいかげんにしろよ…)

と、尊は考えを巡らせた。感覚発動というのは術式の発動方法のなかでもっとも難易度が高いものだ。のちに尊は、攻撃魔法を感覚発動できたら、軍の小隊長を務められるほどだ、ということを知った。そんな尊の考えなど知る由もなく、カリーナは続けた、

「このくらいの魔法だったらセンスがいい人で一か月、悪くとも半年程度で会得できますよ~」

「「「おお~」」」

今の一言で生徒(主に男子)の興奮は最高潮に達した。生徒たち(主に男子)がはしゃいでいるなかカリーナの

「次の話~してもいいですか~」

この一言で教室からまたしても音が消えた。二回目といえど、やはりすごい術の完成度だ。と尊は感心せざるを得ない。

「で、三か月後の5月に、クラスの交流を深める、という目的で泊まりで遠足に行きます~。行先はまだ未定なんですけどね~。まあ大体はキャンプみたいなことをするみたいですね~」

カリーナは反応を期待したようだが、さっきの恐怖が残っているのか、反応を挙げた生徒は誰一人としていなかった。そんな静寂のなかカリーナは

「もっと反応してくれてもいいんですよ~」

と演技がかった苦笑で話を続ける。

「その後は学年末まで、主だった行事はないですけど、学年末には二つ行事がありますね~。一つ目は豊穣祭。なんでこんな名前が付いたんだ~って思いますけど、個人の魔術戦の大会ですね~。各クラスから代表8名をだすそうです。二つ目は浄化祭。これも名前と反している気もしますが、魔術戦のこちらは団体戦ですね~。四人一チームで各クラスにチーム出すそうです。まあこの辺はおいおい話すとしますね~。」

カリーナは「ふうっ」といつの間にか開いていた手帳のようなものを閉じるとこう追加した。

「一年生が一番行事数が少なくて、四年生が一番多いそうですよ~。っと、なにか質問のある人は居ますか~」

さっきとは雰囲気の違う静寂が流れたことを確認すると

「じゃあ今日はこれで終わりです。みなさん、気を付けて帰ってくださいね~」

というカリーナの言葉で今日の学校は終了した。




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かなりのメタ発言をするので、あしからず。




サブタイトルがネタ切れを起こしてきたので一本を長くします。



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