なぜ僕はこう何回も理不尽に囚われるのか

ノベルバユーザー211081

先生の自己紹介

「じゃあみなさん、聞いてくださいね~」
さっきの凍り付いたかのような雰囲気はどこへやら、完全に元通りで普通の雰囲気に戻った教室の中、カリーナ先生が風船のように軽い口調で言った。
 
「先生実は、去年まで軍に所属してたんですよ~」

さっきとは違う意味で教室が凍り付いた。万に一つでもこの人が軍属だったとは到底考えられまい。ましてこの人が魔術で人を攻撃しているところなど想像できるはずもない。

「まあ、精神魔術医療士なんですけど~」

その後、ちなみに精神魔術医療士というのは、敵からの幻覚魔術から開放したりといった、身体ではない面のダメージを回復する職業だという説明を加えた。
なるほど、と。確かにそれなら合点がいく。弱そうな見た目のくせに軍属だったことと、それにさっきの恐怖のこともだ。おそらくあれは幻覚げんかく魔術の応用。出力を絶妙に調整することで意識は覚醒状態のまま、精神に干渉していた…といったところだろうか。
が、そんな人間離れした術を、詠唱なしで、20人にかけるなど本当にこの人に可能なのだろうか、と思わずにはいられなかった。

カリーナは最後に、
「実は~軍の研究と学校で教えることには多少、というには大きすぎるほどのタイムラグがあるんですね~。ですのでたまに教科書にないことについて言ったりもしますが、そこはどうかご了承ください~」
と自己紹介を締めくくった。

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