なぜ僕はこう何回も理不尽に囚われるのか

ノベルバユーザー211081

学校への道

 学校までの時間、いろいろなことを紹介しようと思う。
 僕の名前は暁(あかつき)尊(たける)。前にも言った通り、過去に二回の転生魔術を成功させている、魔術師だ。―が、「魔術」以外のことはなにも引き継げていない。転生前の顔も、名前も、周囲の環境も、死んだ年齢も、なにもかも、わからない。

 「あらたーくん、えみちゃん、おはよう。」
 「あ、やまさん!おはようございます!」
 「…おはようございます。」

 通常、転生魔術が成功すれば、転生前の「魔術」と「記憶」の二つが引き継がれるのだが、どういうわけか失敗してしまったらしい。寸分の狂いも許されない転生魔術において、中途半端の成功、というのは完全な成功よりもよっぽど珍しいものだ。

 「道、これであってるの?周りに人が全然いないよ?」
 「あってると思う…っていうか、ここまで一直線だし、間違えようがないよね。」
 「それもそっかぁ、なら大丈夫だね♪」

 魔術以外のことがなにもわからない状態でもわかること…といえば、転生前の僕は、「人知を超えた」といっても差し支えないほどの魔術師だったことくらいだ。だからこそ、なんで転生魔術が半分失敗したのか、まったくもってわからない。

 「あ、学校だ。意外と近かったね~」
 「前来たときはもうちょっと遠かった気がしたけど、確かに意外と近かったな。」
 「ねえ、同時に入ろ!」
 「はあ、今日だけだぞ。」
 「じゃあ行くよ!せ~のっ!」 
 

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