君なんてダイキライ!

那月 綾

誰のもの?

「春香は今、何歳だっけ?」

「16…」

「16歳かぁ、大きくなったねぇ!」
くだらないことを言うこの人は、私のおばあちゃんを殺した張本人。
「…まぁ、春香、そんなに僕を見つめないでよ〜!恥ずかしい!」

「…あんたは女子か…それに見つめてなんかない。」

「逆に睨んでたんじゃね?」

「…君には関係ないでしょ?僕と春香の話に入ってこないでくれる?」
潤と言う人は神崎さんを睨んだ。
「あ…思い出した…潤って…最近人気のアイドルグループにいる、超ー有名な人だ…」
里美さんは思い出した仕草をして潤って人に指を指す。
「っ!そうだよ〜!見てくれてたんだァ〜!嬉しいなぁー!」
里美さんは今にでも抱きつきたいだろう。
(ファンだって言ってたな…てか、そんな場合じゃない…)
私は…そんなことより、この人はなんでここにいるのかが分からない。
「…あ、なんでここにいるかと言うとね!春香を向かいに来たんだ!」

「む…かえ?…なんで?」

「…だって、あの時、また遊ぼうって言ったんだよ?その約束をしに来た!ね?一緒に…アソボ?」
まるで催眠術にでもかけられたように私は…ゆっくりと潤の所へ行く。
でも
「…春香さん!しっかりしろ!」
神崎さんが術を破ってくれた…
「ちっ……君、なんなの?僕はただ、春香と遊びたいだけだよ?」
潤は様子がおかしくなった。
「なんで?…なんで皆は僕の大切な人を奪っていくの?なんで!なんで!ねぇ!なんで、春香のことを何も分からないあんたらが邪魔するんだ?教えろよ!」
低い声が私の部屋に響き渡る。怒りの声で。きっとこの人は、今まで大切な人やものを奪われてきたんだ。
私は…神崎さんから離れようとした。でも、神崎さんは私を離さないでずっと抱きしめた。
「…春香さんは…あんたのものじゃない!」

ドキッ

「っ!」
私は、神崎さんの言葉をおばあちゃんの時と同じだったような感覚に包まれた。
(なんで…神崎さんは私をなんでも知ってるように言うの?…まるでおばあちゃんの時と…同じだ…)
「そうだ!春香さんは俺たちの大切な人だ!お前のじゃない!」
大和さんも里美さんも私を救おうと必死だ。私は…感じたことの無い暖かい気持ちが溢れそうになる。
「…あんたが昔何をされたのかは知らない…だがな!あんたの心の穴を埋めるのは春香さんだと決めつけるな!」

「っ!…う、うるさい!うるさい!お前達には関係ない!僕が決めることだ!春香は僕のものだ!」

「「「お前はガキか!最、周りを見ろ!」」」
三人の声が合わさって、私は泣きそうになる。いや、泣いた…僕は神崎さんの胸元に顔を隠し、バレないようにした。
「…!は、春香さん!」

「あー!ずるいぞ!神崎!春香さんから離れろ!」

「そうだ!そうだ!」
この人達は、今まで見てきた人とは違う……暖かい人だ。
「〜っ!……だったら、僕は君たちを殺さないとね?」
潤は、不気味な笑みをし、ズボンのポケットからナイフを取り出した。
「僕は、決めてるんだ。あの男を殺し、春香を僕のものにする…でも、それを邪魔する人がいたら、殺すって…出来れば、春香のお友達たちは殺したくなかったけどね?あははははっ!!!」
私は思った。
この人は、もう、何を言っても耳には入らないだろう。


可哀想な人間だな…
と。

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