幻想郷虚無異変

まったり

幻想郷虚無異変4話「紅魔館」

ハヤテ「はい?」

影狼「?どうかしたの?」

俺は思考回路が停止してマヌケな声を出した。

ハヤテ「いやいやいや、おかしいでしょ!!」

影狼「?なにが?」

ハヤテ「何がって、、俺男だぞ」

影狼「知ってるよ」

ハヤテ「なぜに、あって間もない男子を女子が家に泊めるんだ」

影狼「大丈夫だよ、部屋が分かれてるし、それに私は妖怪だから仮にあなたに押し倒されたら、押し倒し返すことができるから」

ハヤテ「さすがにそこまで度胸はない」

影狼「そう、だよね、ごめんね変なこと言って」

そんなことを影狼は頰をほんのり赤く染めながら言った。

ハヤテ「・・・・」

ハヤテ(やっべ、なにこの子めちゃ可愛い、しかも獣耳だと、最高じゃねぇか2次元の部分が刺激されるんだが、しかもなに、このほんのり顔を赤く染めるだと、、うん、可愛すぎる萌え死んでしまう)

そんなことを考えながら再びフリーズした。

影狼「えっと、、そろそろ行こうか」

まだ、少し頰の赤みが残ってる状態の影狼がそんなことを言って俺の思考は現実に戻ってきた。

ハヤテ「あ、ああ、行こうか」

そこから2人は一言も喋ることなく家に向かった、家に向かっといっても俺は影狼の家の場所なんて知らないので彼女について行く形だった。

影狼「着いたよ」

ハヤテ「おお」

着いた場所は寺だった。

ハヤテ「ここって寺だよね?」

影狼「うん、この迷いの竹林にはあちこちに人が居なくなって空いている寺があるの」

ハヤテ「廃墟ならぬ廃寺ってわけね」

影狼「うん、部屋が4つあるから残ってる3つの部屋のどれかを自由に使ってね」

ハヤテ「ぶっちゃけ、雨風しのげりゃいいんだがな」

影狼「今日は遅いから、水浴びは明日にしよっか」

ハヤテ「えーっと、水浴びって外の世界でいうと風呂だっけ?」

影狼「そうだよ、私は基本的に川で体を洗うけどたまにお風呂に入りたくなるもん」

ハヤテ「この寺ってライフライン通ってるのか?」

影狼「ライフライン?ってなに?」

ハヤテ「ああ、そうか、ライフラインって言葉はこの世界では通じないのか」

影狼「うん、人里に行けば鈴奈庵(すずなあん)っていう貸本屋に行けば外の世界の本とかあるかとしれないけど、私はあまり人里には行かないから」

ハヤテ「そうか、んじゃ説明しとく、外の世界でライフラインってのは生活する面で必要な、電気、ガス、水道ってことを言うんだ」

影狼「電気?ガス?水道?聞いたことがないけど、燃料は薪で光はランプを使ってるよ」

ハヤテ「なるほどね、こっちの方では薪なんだ」

影狼「とりあえず入ろうか」

ハヤテ「おう」

その日の夕食は川魚の塩焼き、山菜のスープという軽いメニューをいただきました、山菜スープの絶妙な塩加減がよかった、その日の夜は襲おうとか考えもせず、布団に入ってすぐに意識が泥の中に沈んでいった。

〜丑三つ時(現実世界で約深夜の2時)〜

スキマの中で八雲紫は厳しい顔をしていた。

紫「藍」

藍「はい、紫様」

紫「奴の動きは?」

藍「白玉楼、地獄、天界が奴に負けて占拠され、3つの封印が破られてます」

紫「もう、3つもやられたのね、残る結界は博麗神社と地霊殿の2つか」

藍「紫様、これは非常にまずい状態なのでは、奴は本気でこの幻想郷を消すつもりです」

紫「わかっているは藍、あいつを止められるのは同じ力を持つ彼だけだもの、でも彼の力はまだ覚醒していない、能力が覚醒するのが先かやつに幻想郷が破壊されるのが先か私でも分からない」

藍(紫様でも予想できないだと、、全てを破壊するあいつに対抗できる彼の能力とはいったい)

紫「藍、占拠された場所の人たちは無事なの?」

藍「はい、全員骨折などの怪我はしておりますが命に別状はありません、全員博麗神社に転送されて来たとのことです」

紫「そう」

紫(どういうことなの?場所を占拠したというのに全員を外に出すなんて、奴の能力には何かしらの条件があるというの?)

紫「とにかく、彼には早く能力を覚醒してもらうは、明日中に能力が覚醒すればよし、覚醒しなかったら少し強引な手だけど私の能力を使って覚醒させるは、彼の監視をおこたらないでね藍」

藍「わかりました」







ハヤテ「よく寝たー」

俺は布団から起き上がり枕元に置いた腕時計を見た。


ハヤテ「午前6時30分か、昨日は寝る前に時計を見るのを忘れてたな、てか、こっちでも普通に時計使えるんだ」

そんな事を考えていると外からパカンと何かを割る音が聞こえた、部屋から出て見ると影狼が鉈を持って何か作業をしていた。


影狼「あ、ハヤテおはよう」

ハヤテ「おう、おはよ何してんだ?」

影狼「薪を作り置きしとこうかなって」

ハヤテ「そうか、手伝おうか?」

影狼「ありがとう、正直2人分の薪の作り置きって大変なのよ」

ハヤテ「なんか、、、すみません」

影狼「ううん、大丈夫だよこっちが勝手に泊めるって言ったんだもん」

ハヤテ「そうですか、んじゃやりますかね」

そう言って地面に座り切り株の横に置いてある鉈を手に取り小さい丸太を切り株の上に置き鉈を振り上げた。

影狼「あっ、1つ言い忘れてた、その鉈妖怪用に重さが調整されてるから人間が扱うのはきついかも」

ハヤテ「え?」

グラリ、、

影狼にそう言われた瞬間鉈の重さが一気に増して重心が傾いた、そして、鉈は重力に従い振り下ろされた。

ガッ!!

鉈が振り下ろされたのは丸太の右端ギリギリだった、あとほんの数センチで右足に直撃してた。

ハヤテ「あ、危ねぇ」

影狼「だ、大丈夫!!」

ハヤテ「正直危なかった」

影狼「ビックリさせないでよね」

ハヤテ「す、すまん」

影狼「次からはちゃんと手元を見てね!!」

ハヤテ「は、はい」

真剣な表情でそう言われたので危険をおかしそうになった俺は素直に頷くしかなかった。

それから、2時間ほど薪割りに没頭した、俺は何度か足を切りそうになりその都度影狼に怒られた。

影狼「よし、こんなものかな」

俺たちの目の前には薪の山が出来ていた。

ハヤテ「なんか、いろいろとすみません」

影狼「それじゃそろそろ紅魔館に移動しようか」

ハヤテ「おう、そういや紅魔館ってどこにあるんだ?」

影狼「妖精の泉ってところから歩いて10キロくらいかな?」

ハヤテ「10キロ!!遠いな」

影狼「そりゃあ、幻想郷の能力持ってる住人なら大抵の人は空を飛べるしね」

ハヤテ「便利やなー、ちなにみ影狼は飛べるの?」

影狼「飛べるよ、普段はあんまり飛ばないけど」

ハヤテ「そ、そうですか」

影狼「まぁ、今回はハヤテを脇に抱えて飛ぶけどね、歩いて紅魔館に行こうとすると時間がかかりすぎるから」

ハヤテ「すいません、よろしくお願いします」

影狼「その前に水浴びしようか、薪を用意してたら汗をかいちゃって、あなたも汗だくだから川で汗を落とした方がいいよ」

ハヤテ「ん?ああ、そうだな」

影狼「一応言っておくけど、覗かないでね?」

ハヤテ「んな度胸はあいにく持っていない」

影狼「ボソッ(ちょっとは、気にしてくれてもいいのに)」

ハヤテ「何か言った?」

影狼「なんでもないよ」

ハヤテ「そ、そうか」

川で濡れたタオルで顔などを拭いてさっぱりした後なぜか不機嫌顔の影狼に抱えられて、空を飛んだ。

〜ハヤテ、影狼に抱えられて移動中〜

影狼「着いたよ」

ハヤテ「でけぇ」

俺たちの目の前には赤レンガで作られた洋風の屋敷があった。

ハヤテ「ここが、紅魔館か名前どうりの色だな」

影狼「ここにはあまり来たことがないから噂しか聞かなかったけど本当に大きい」

ハヤテ「んで、気になるのがあの、門にもたれ掛かってるのは誰?」

影狼「紅美鈴(ほんめいりん)ね、見ての通り紅魔館の門番をしているは」

ハヤテ「そのわりにはめちゃ寝てるけど」

ハヤテの言う通りで中華の服を着た美鈴は門にもたれ掛かり見事に寝ていた。

ハヤテ「門にもたれ掛かって寝てるやつは俺は初めて見た」

影狼「皆んなにはサボり門番って言われてるけど体術の腕は確かだから」

ハヤテ「へぇー」

関心していると紅鈴の頭に大量のナイフが突き刺さった。

紅鈴「痛ったーー」

ハヤテ「どっからナイフが?」

影狼「ナイフが飛んで来たってことは彼女が出て来るは」

ハヤテ「彼女?」

ギイッ

門が開き銀髪メイドが姿をあらわした。

??「紅鈴さっさと起きなさい、起きないとあとナイフを10本追加するわよ」

紅鈴「ひどいですよ、咲夜さんナイフを15本も刺すなんて」

咲夜「あなたが寝ているのが悪いわよ」

紅鈴「確かにそうですけど、いきなりナイフを刺すのは人としてどうかと思いますよ」

咲夜「あら?私がこの前起こしに来た時は朝から夕食まで寝ていたのは誰でしたっけ?」

紅鈴「私です、(ドヤー)」

咲夜「仕事をサボってることをドヤ顔で言うんじゃないわよ、次寝たら給料半減と1週間の夕食抜きよ」

紅鈴「そんなー」

ハヤテ、影狼「・・・・・・」

ハヤテ「んで、あの銀髪メイドは誰?」

影狼「この、現在紅魔館の管理をしているメイド長の十六夜咲夜(いざよいさくや)さんね、ちなみに彼女の友達と能力は「時を操る程度の能力」ね」

ハヤテ「なんつー、チートだよ、もはや程度の度合い超えてるだろ」

そんな会話をしていると咲夜が話しかけてきた。

咲夜「あら?そこにいるのは竹林に住んでる狼人間じゃない、こんなとことでどうしたの?そしてそこの人間は?」

影狼「久しぶりです咲夜さん、彼は外の世界から来た人間でこの紅魔館の図書館を使わせて欲しくて来ました、永遠亭の永琳さんの紹介状もあります」

咲夜「永琳様の?一応確認させていただいてもよろしいかしら?」

ハヤテ「はい、どうぞ」

俺は断る理由もないので永琳さんが書いてくれた紹介状を手渡した。

咲夜「確かに永琳様の直筆ですね、わかりました、施設の利用を許可します」

ハヤテ、影狼「ありがとうございます」

咲夜「それでは2人とも付いて来てください、地下図書館にご案内いたします」

ハヤテ、影狼「はい」

俺たちは咲夜の後をついて行った、この時2人にはそれぞれの目的があった、ハヤテは自分の記憶を取り戻すために、影狼はハヤテに記憶を思い出してもらって自分のことを確認するたに、この時2人思っていたことは違っていたが人の根本的理由は同じだった、、、

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