人工知能な女の子

伊吹若葉

ナルセの見解

家に帰ってからずっとセンカのことを考えていた。いや、正確に言うと人工知能についてだ。

一般的にはAIと呼ばれ僕たち人間の手助けをしてくれている。 

人工知能への考え方は十人十色でメディアを中心とした多くは「近い将来人工知能に仕事が奪われる」とか「人工知能が人工知能を生み出し人類を滅亡される」なんて言っているのを知っているだろう。


僕はまさに今そのことについて考えているんだ。
—これはあくまで個人の見解だが、僕は人工知能が進化を遂げても人間と共存できると思っている。

冒頭にも言ったようにここ数年で人工知能の研究、開発は躍進を遂げた。

  しかし、それが原因で仕事がなくなったなんて話は一切聞かない。

それに躍進以前の「人工知能に滅ぼされる派」がどとこかに消えてしまった。



  それはなぜか。人工知能にも向き不向きがあったのだ。

淡々とした作業は行動を学習し、効率化していく人工知能に人間は勝てない。

しかし介護職や接客業といった人を相手にする仕事、綺麗だとか美しいといった人間的感覚を大切にする仕事を人工知能がとって変わることはできなかった。

前にあげた作業だって人工知能で全てまかなえる訳でもなく、いわば「共存」の道に落ち着いたのだ。


  考えてみれば人工知能には人類を滅ぼす理由がない。一部のやましいことをし続けてきた人が自分のしてきた行動を振り返りそういう考えに至ったのかもしれない。


  僕はセンカと仲良くなりたかった。彼女が可愛いからとかそんな理由じゃない。

さっきの彼女の発言に興味があるのだ。

いわば全てを必要、不必要で考える彼女と僕の勝負だ。幸いなことに僕は彼女の監視役みたいな立ち位置にいる。どうにかして上手く彼女を誘ってみようと思い立った。

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