アフ◎トリ(after trip)~廻るカルマの転生譚
第4章『飛鳥のテンプテーション』
「授業てのはどうも俺に合わんな」
灯夜は流れる雲を横目で眺め、そうぼやく。
高校に入り義務教育から解放されてから彼は弛んでしまった。
先生の説明は眠り歌になり、無駄なことに頭を使うのが今では得意。
眠る準備をしてる脳を起こして黒板に目をやるも、前半の板書は消されておりノート間隔が掴めない今ーーーー打つ手なし。
やることがない。きっとあるのだろうけど探す気がない。
『カチャカチャ』
ペン回しをして時間を潰す。……これ結構楽しいんだよな
と、
「…………なんだよ」
俺の隣に座る飛鳥が、ジーっと視線を送ってくる。
「……別に」
これは飛鳥がペン回しに魅せられてたわけではなく、いつものことだ。
というのも俺が授業を受けてようが、寝てようが気がつくと俺を見てる。ふと横を見ると一瞬で目が合ったりするから怖い。
一体なぜ俺を凝視してくるのかわからんが、嫌でもないから良しとしてる。
「……あーぁ、授業ダルっ……」
目に大きな涙を浮かべあくび混じりにまたぼやく。
「とうや。帰ろ?」
気づいたら帰りの支度を終えた生徒たちが教室から出て行ってる中、鞄を肩にかけて飛鳥が俺の短い髪をさすって話しかけてくる。
灯夜はうなずき、帰りの支度を始める。
「悪い、今日もノート見せてくれ」
飛鳥は俺の言葉にこくりと頷き、鞄の中からノートを取り出し灯夜に渡す。
「まじ助かる!」
長い間寝てたせいかボーとしていると、
「帰ろっ(つんつん)」
「あひっ!」
帰りを急かすように横っ腹を突かれアヒってしまう。
飛鳥は突くのをやめない。
(……こいつ楽しんでやがる。)
ズシュッ!ズシュッ!
だんだんと威力が増してくる。
「あ、そこは…らめっ!アーーーン!!」
「ガサッガサッ」
「コツっ、コツっ」 
帰り道、俺は前を歩き、飛鳥がひよこのようにちょんちょんとついてくる。
離れてないか後ろを確認しまた歩く。
そんなちょっとこそばゆい下校をしている。
アパートに着き、それぞれの部屋に別れる。
「そういや晩飯どうしよっかなぁ……」
献立を考えていると、
『ピンポーン』
呼び鈴がなり開けると私服の飛鳥が待っていた。みるとタッパーを手に持っている。
「昨日作ったの。…おっそわけ」
肉じゃがだった。見た目はとても美味しそうなんだが……見た目だけだ。
「おぉ、ありがと」
「ん、食べてみて?」
「あ〜とでにようかなー晩飯の時に頂くよ!」
(先に言っとく。  飛鳥の手料理は舌を壊す)
飛鳥の料理事情はさておき、
俺たちは母さんの協力もあり晩飯を共にしたり、残り物をあげるなどをしている。
母さんの「一人暮らしは大変だろうから食べていきなね」といった粋な計らいには当時の飛鳥も涙を浮かべていた。
「今日母さんいないんだけど、うちで食ってくか?」
「ぴんくさんいないの?」
「ぬッ……頼む。名前で母さんを呼ぶのやめてくれ、ライフポイントがなくなる」
なぜ?  と言いたげな顔で見てくる。恥ずかしいんだよ!
「じゃあとうや一人?」
「ああ、そうなる……不安か?」
「違うの……」
もじもじ、くねくねといった感じで
「私ってけっこう美味しいかも……よ?」
「お前、なに言ってんの?」
灯夜はとぼけるようにそう返した。
別に鈍感な訳ではない。むしろ敏感だ。なので飛鳥が言いたいことは理解できたのだが、そんな勇気も覚悟もないので流すことにする。
「とうやの……ばか」
飛鳥は少し顔を赤くして靴を脱ぎ、俺の横を通って部屋に入ってく。
(可哀想なことしたかな?)
心残りはある灯夜だが、自分の選択は間違いではないと思い、ドアを閉め後に続く。
飛鳥は慣れたようにテーブルへと向かい定位置となった右隅の席に着いた。
俺は台所に入り冷蔵庫を見るも、二人分の食材はない。
「仕方ない、買ってくるわ」
使わないと決めていた野口を握り玄関に戻る。
飛鳥も来ると言ったが、すぐそこのスーパーだし待ってるよう言った。
「あ、そうだ。なに食いたい?」
「とうやが食べたいもの」
「んーじゃあ俺の得意なカレーでいいか?」
得意というよりも楽だし作り置き可能なのでカレーを推奨。
「ん、楽しみ」
「了解!行ってくる」
「いってらっしゃい。」
楽しみにされちゃしょうがない、少しモチベが上がり勢いよく玄関を飛び出した。
灯夜は流れる雲を横目で眺め、そうぼやく。
高校に入り義務教育から解放されてから彼は弛んでしまった。
先生の説明は眠り歌になり、無駄なことに頭を使うのが今では得意。
眠る準備をしてる脳を起こして黒板に目をやるも、前半の板書は消されておりノート間隔が掴めない今ーーーー打つ手なし。
やることがない。きっとあるのだろうけど探す気がない。
『カチャカチャ』
ペン回しをして時間を潰す。……これ結構楽しいんだよな
と、
「…………なんだよ」
俺の隣に座る飛鳥が、ジーっと視線を送ってくる。
「……別に」
これは飛鳥がペン回しに魅せられてたわけではなく、いつものことだ。
というのも俺が授業を受けてようが、寝てようが気がつくと俺を見てる。ふと横を見ると一瞬で目が合ったりするから怖い。
一体なぜ俺を凝視してくるのかわからんが、嫌でもないから良しとしてる。
「……あーぁ、授業ダルっ……」
目に大きな涙を浮かべあくび混じりにまたぼやく。
「とうや。帰ろ?」
気づいたら帰りの支度を終えた生徒たちが教室から出て行ってる中、鞄を肩にかけて飛鳥が俺の短い髪をさすって話しかけてくる。
灯夜はうなずき、帰りの支度を始める。
「悪い、今日もノート見せてくれ」
飛鳥は俺の言葉にこくりと頷き、鞄の中からノートを取り出し灯夜に渡す。
「まじ助かる!」
長い間寝てたせいかボーとしていると、
「帰ろっ(つんつん)」
「あひっ!」
帰りを急かすように横っ腹を突かれアヒってしまう。
飛鳥は突くのをやめない。
(……こいつ楽しんでやがる。)
ズシュッ!ズシュッ!
だんだんと威力が増してくる。
「あ、そこは…らめっ!アーーーン!!」
「ガサッガサッ」
「コツっ、コツっ」 
帰り道、俺は前を歩き、飛鳥がひよこのようにちょんちょんとついてくる。
離れてないか後ろを確認しまた歩く。
そんなちょっとこそばゆい下校をしている。
アパートに着き、それぞれの部屋に別れる。
「そういや晩飯どうしよっかなぁ……」
献立を考えていると、
『ピンポーン』
呼び鈴がなり開けると私服の飛鳥が待っていた。みるとタッパーを手に持っている。
「昨日作ったの。…おっそわけ」
肉じゃがだった。見た目はとても美味しそうなんだが……見た目だけだ。
「おぉ、ありがと」
「ん、食べてみて?」
「あ〜とでにようかなー晩飯の時に頂くよ!」
(先に言っとく。  飛鳥の手料理は舌を壊す)
飛鳥の料理事情はさておき、
俺たちは母さんの協力もあり晩飯を共にしたり、残り物をあげるなどをしている。
母さんの「一人暮らしは大変だろうから食べていきなね」といった粋な計らいには当時の飛鳥も涙を浮かべていた。
「今日母さんいないんだけど、うちで食ってくか?」
「ぴんくさんいないの?」
「ぬッ……頼む。名前で母さんを呼ぶのやめてくれ、ライフポイントがなくなる」
なぜ?  と言いたげな顔で見てくる。恥ずかしいんだよ!
「じゃあとうや一人?」
「ああ、そうなる……不安か?」
「違うの……」
もじもじ、くねくねといった感じで
「私ってけっこう美味しいかも……よ?」
「お前、なに言ってんの?」
灯夜はとぼけるようにそう返した。
別に鈍感な訳ではない。むしろ敏感だ。なので飛鳥が言いたいことは理解できたのだが、そんな勇気も覚悟もないので流すことにする。
「とうやの……ばか」
飛鳥は少し顔を赤くして靴を脱ぎ、俺の横を通って部屋に入ってく。
(可哀想なことしたかな?)
心残りはある灯夜だが、自分の選択は間違いではないと思い、ドアを閉め後に続く。
飛鳥は慣れたようにテーブルへと向かい定位置となった右隅の席に着いた。
俺は台所に入り冷蔵庫を見るも、二人分の食材はない。
「仕方ない、買ってくるわ」
使わないと決めていた野口を握り玄関に戻る。
飛鳥も来ると言ったが、すぐそこのスーパーだし待ってるよう言った。
「あ、そうだ。なに食いたい?」
「とうやが食べたいもの」
「んーじゃあ俺の得意なカレーでいいか?」
得意というよりも楽だし作り置き可能なのでカレーを推奨。
「ん、楽しみ」
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