34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第71話 ソニアとシルク(21)
シルク、ソニア、ハンスを乗せたブルーライオンのソードは突風のような速さで走り、あっという間にコナンのお城の中庭に着いた。
「すごいすごい!間に合ったみたいだよ、ソニアさん!」
「はい。まだ騒ぎにもなっていないので、シルク様がいなくなっていたこともバレていないようですね。」
「何が何だか分からないが、シルクは城に戻ることにしたのかい?」
庭師のハンスはただただ驚いている。
「ハンスさんごめんね。説明する時間もなかったね・・・。でもやっぱり、ソニアさんやハンスさんに迷惑はかけられないし、逃げてちゃだめだと思ったんだ。」
「では、私はもう森へ帰るぞ。誰かに見つかって騒ぎになっては面倒だからな。」
「はい!ソードさん、ありがとうございました!」
「また会うだろう、小さい世界を救う姫。」
そう言うとソードは紫色の空に消えていった。
ハンスはお城の庭師の小屋に戻り、シルクはソニアとおそるおそる一番端の自分の部屋に入った。
召使の女が一人だけ、ベッドを整えたり果物やお酒を用意したりしていたが、シルクが随分長い時間行方不明になっていたことはまったく気にしていない様子だった。
(いちおうお妃候補なのに・・・)微妙な気分になるシルク。今晩本当に王様が来るかどうかも怪しい。
結局、お妃の最有力候補の3人、アンジェリカ、ソフィア、バーバラ以外はどうでもいいということか。
召使の女は、ソニアも一緒なのが分かると、
「あと1時間ほどで王がお渡りになります。ソニア様、シルク様のお湯あみをお手伝いくださいますか?私、他に用事がありますので・・・」
と言いつつ、ソニアの返事も聞かずに出ていった。
「お湯あみ・・・」
さっきまで能天気に構えていたのに、急に現実的になって緊張してきたシルク。
中身がおっさんなのを考えると情けない限りなのだが、足が震えている。
「シルク様、大丈夫ですか・・・?」
ソニアが心配そうに顔を覗き込んだ。
「今からでも・・・また逃げてもいいんですよ?今度は私がご一緒します」
「大丈夫、大丈夫だよソニアさん!王様にお話しして、何とか分かってもらうつもりなんだけど・・・なぜか足が震えて・・・」
ソニアは堪らず、震える小さなシルクを抱きしめた。
「いざとなればこのソニアが命に代えてもお助けいたします。」
「ソニアさん・・・。ボクは・・・ボクにはソニアさんの命より大切なものはないんだ・・・」
「シルク様・・・?」
シルクはつま先立ちで背伸びして、ソニアの頬にそっとキスした。
ソニアは少し驚いたようだったが、挨拶のようなものだと思い微笑みで受け入れた。。
シルクはソニアに触れる事が出来て嬉しかった。
(もしボクが王様に抱かれても、ソニアさんと愛し合ってるんだと思うことにしよう・・・)
「さあ、シルク様、お湯あみをいたしましょう。少し広い浴場があるので、私もご一緒します。」
「ご、ご一緒?!」
その後シルクは鼻血が出るまでソニアと一緒にお風呂に入った・・・。
*****
とにかく王のお渡りを少しでも和やかに始めようと、ハンスに頼んで落ち着く効果のあるハーブをもらってきてお茶を用意した。
「何から話そうかな・・・」
シルクはそわそわしている。
ソニアは、横の部屋に控えていた。横の部屋と言っても護衛のために扉が付いていないので、シルクがいる部屋は見る事が出来き、声も聞こえる。
カツカツカツ・・・
太い靴の音が聞こえてきた。
(王様だ!)
シルクは椅子から飛びあがりそうになる。
(だだだだ大丈夫!あの、素朴で優しいデュラン王だもん!話せばきっとわかってくれる!)
バンッ!
乱暴に扉が開いた。
1人の大柄な男が立っている。
「デュラン王・・・?え?」
そこにいたのは、シルクが全く見たことがない男だった。
「すごいすごい!間に合ったみたいだよ、ソニアさん!」
「はい。まだ騒ぎにもなっていないので、シルク様がいなくなっていたこともバレていないようですね。」
「何が何だか分からないが、シルクは城に戻ることにしたのかい?」
庭師のハンスはただただ驚いている。
「ハンスさんごめんね。説明する時間もなかったね・・・。でもやっぱり、ソニアさんやハンスさんに迷惑はかけられないし、逃げてちゃだめだと思ったんだ。」
「では、私はもう森へ帰るぞ。誰かに見つかって騒ぎになっては面倒だからな。」
「はい!ソードさん、ありがとうございました!」
「また会うだろう、小さい世界を救う姫。」
そう言うとソードは紫色の空に消えていった。
ハンスはお城の庭師の小屋に戻り、シルクはソニアとおそるおそる一番端の自分の部屋に入った。
召使の女が一人だけ、ベッドを整えたり果物やお酒を用意したりしていたが、シルクが随分長い時間行方不明になっていたことはまったく気にしていない様子だった。
(いちおうお妃候補なのに・・・)微妙な気分になるシルク。今晩本当に王様が来るかどうかも怪しい。
結局、お妃の最有力候補の3人、アンジェリカ、ソフィア、バーバラ以外はどうでもいいということか。
召使の女は、ソニアも一緒なのが分かると、
「あと1時間ほどで王がお渡りになります。ソニア様、シルク様のお湯あみをお手伝いくださいますか?私、他に用事がありますので・・・」
と言いつつ、ソニアの返事も聞かずに出ていった。
「お湯あみ・・・」
さっきまで能天気に構えていたのに、急に現実的になって緊張してきたシルク。
中身がおっさんなのを考えると情けない限りなのだが、足が震えている。
「シルク様、大丈夫ですか・・・?」
ソニアが心配そうに顔を覗き込んだ。
「今からでも・・・また逃げてもいいんですよ?今度は私がご一緒します」
「大丈夫、大丈夫だよソニアさん!王様にお話しして、何とか分かってもらうつもりなんだけど・・・なぜか足が震えて・・・」
ソニアは堪らず、震える小さなシルクを抱きしめた。
「いざとなればこのソニアが命に代えてもお助けいたします。」
「ソニアさん・・・。ボクは・・・ボクにはソニアさんの命より大切なものはないんだ・・・」
「シルク様・・・?」
シルクはつま先立ちで背伸びして、ソニアの頬にそっとキスした。
ソニアは少し驚いたようだったが、挨拶のようなものだと思い微笑みで受け入れた。。
シルクはソニアに触れる事が出来て嬉しかった。
(もしボクが王様に抱かれても、ソニアさんと愛し合ってるんだと思うことにしよう・・・)
「さあ、シルク様、お湯あみをいたしましょう。少し広い浴場があるので、私もご一緒します。」
「ご、ご一緒?!」
その後シルクは鼻血が出るまでソニアと一緒にお風呂に入った・・・。
*****
とにかく王のお渡りを少しでも和やかに始めようと、ハンスに頼んで落ち着く効果のあるハーブをもらってきてお茶を用意した。
「何から話そうかな・・・」
シルクはそわそわしている。
ソニアは、横の部屋に控えていた。横の部屋と言っても護衛のために扉が付いていないので、シルクがいる部屋は見る事が出来き、声も聞こえる。
カツカツカツ・・・
太い靴の音が聞こえてきた。
(王様だ!)
シルクは椅子から飛びあがりそうになる。
(だだだだ大丈夫!あの、素朴で優しいデュラン王だもん!話せばきっとわかってくれる!)
バンッ!
乱暴に扉が開いた。
1人の大柄な男が立っている。
「デュラン王・・・?え?」
そこにいたのは、シルクが全く見たことがない男だった。
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