34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第67話 ソニアとシルク(17)
「誰だ」
魔女の家からシータが出てきた。
「ミダ様!」
ソニアもミダを見て驚いた。しかし、雰囲気と瞳の色からすぐに別人と分かったようだ。
魔女シータはソニアに近づく。
「シータ!ソニアさんに触らないで!」
シルクは思わずソニアを自分の背中に回してかばった。そんなシルクに驚くソニア。自分より小さな少女が自分を守ろうとしている。
「私はソニアだ。シルク様の騎士、ソニア。」
(ボクの・・・騎士・・・)
ソニアの言葉にシルクの胸は高鳴る。
立ち姿も凛々しく美しいソニアがシータを睨む。
「そのガキの騎士か?」
「そうだ。この方は将来この国の王妃になるかもしれないお方。さっさと返していただこう。」
「それは出来ぬ。その者は魔女との契約により、パンと肉とワインの代わりに身体を差し出したのだ。
もし約束を違えると言うのなら、さらなる対価を要求する。」
シルクは、戸惑うソニアに事情を簡単に話した。
「…ならば良かろう。何なりと希望の物を言うがいい。シルク様のためならば、どのような物でも用意しよう。言え。」
シータはニヤリと笑う。
素早く魔法陣を指で空中に描き、小袋から薬草を取り出して撒いた。魔法陣は緑の色に輝く。
「ではソニアとの契約だ。お前の魂を未来永劫我がものに!」
魔法陣はソニア目掛けて空中を突進してきた。
「やめて!」
シルクはソニアを突き飛ばして、倒れたソニアに覆いかぶさった。
ジュッ
シルクの背中に魔法陣が焼きつく。
「!!!」激痛が襲った。
「シルク様!」
ソニアが心配するといけないので、シルクは声を上げない。
痛みは内臓までも焼きつくしているのかと思ったが、しばらくすると息苦しさだけを残して消え去った。
しかし服は背中が焼け焦げ、あわらになった白い肌には魔法陣の模様がくっきりと残っている。
ソニアはすぐにぐったりしたシルクを自分のマントでくるんだ。
「シルク様、なんて無茶を…!
おい、シータ!シルク様を元に戻せ!その契約は私としたはずだ!早く!」
「それは無理だな。魂の服従の契約は魔法陣に刻んだもの。
その魔法陣が心臓まで刻まれた今、取り消すということはすなわち即、死を意味する。」
「心臓に刻まれた…」ソニアは悔しそうに顔を歪めた。
「私がついていながら…私のためにシルク様が…。
くそっ!シータ!」
ソニアは素早く腰の剣を抜き、シータの首元に突きつけた。
「いいか!私は必ずこの魔法陣の呪いを解く!この命にかけてもシルク様を必ずお助けする!
覚えておけ!」
シルクはジンジンと痛む背中を押さえながらも、
(ソニアさん超カッコイイ…)
とか思っていた。そして、
(この魔法陣が、ソニアさんに付かなくて本当に良かった)とも。
しかしシルクはこれで、シータから逃げることも出来なくなり、また肌に魔法陣を刻まれた今、王妃となることも出来ないだろう。
それどころか、異端の反逆者として重く罰せされるかもしれない。
「シルク様、私はもとよりコナンの城には縁のない者です。これより先は魔法陣の呪いを解くまでいつでもお側におります。」
ソニアはシルクを前に大地に膝を折った。
「ソニアさん、ありがとう…。でもきっと貴女はこの魔女の家には住めないでしょう。
この森の入り口辺りにハンスの小屋があります。
そこを訪ねてみてください。」
「シルク様…分かりました。しかし今夜はこのソニア、小屋の外で立っております。
そうさせて下さい、お側にいたい。」
「勝手にするがいいさ。さあ、中に来いシルク。」
「シルク様に手を出さないでくれ!頼む!」
ソニアの叫び声を聞きながら、シルクはソニアのマントを羽織ったまま、シータと魔女の家に入っていった。
魔女の家からシータが出てきた。
「ミダ様!」
ソニアもミダを見て驚いた。しかし、雰囲気と瞳の色からすぐに別人と分かったようだ。
魔女シータはソニアに近づく。
「シータ!ソニアさんに触らないで!」
シルクは思わずソニアを自分の背中に回してかばった。そんなシルクに驚くソニア。自分より小さな少女が自分を守ろうとしている。
「私はソニアだ。シルク様の騎士、ソニア。」
(ボクの・・・騎士・・・)
ソニアの言葉にシルクの胸は高鳴る。
立ち姿も凛々しく美しいソニアがシータを睨む。
「そのガキの騎士か?」
「そうだ。この方は将来この国の王妃になるかもしれないお方。さっさと返していただこう。」
「それは出来ぬ。その者は魔女との契約により、パンと肉とワインの代わりに身体を差し出したのだ。
もし約束を違えると言うのなら、さらなる対価を要求する。」
シルクは、戸惑うソニアに事情を簡単に話した。
「…ならば良かろう。何なりと希望の物を言うがいい。シルク様のためならば、どのような物でも用意しよう。言え。」
シータはニヤリと笑う。
素早く魔法陣を指で空中に描き、小袋から薬草を取り出して撒いた。魔法陣は緑の色に輝く。
「ではソニアとの契約だ。お前の魂を未来永劫我がものに!」
魔法陣はソニア目掛けて空中を突進してきた。
「やめて!」
シルクはソニアを突き飛ばして、倒れたソニアに覆いかぶさった。
ジュッ
シルクの背中に魔法陣が焼きつく。
「!!!」激痛が襲った。
「シルク様!」
ソニアが心配するといけないので、シルクは声を上げない。
痛みは内臓までも焼きつくしているのかと思ったが、しばらくすると息苦しさだけを残して消え去った。
しかし服は背中が焼け焦げ、あわらになった白い肌には魔法陣の模様がくっきりと残っている。
ソニアはすぐにぐったりしたシルクを自分のマントでくるんだ。
「シルク様、なんて無茶を…!
おい、シータ!シルク様を元に戻せ!その契約は私としたはずだ!早く!」
「それは無理だな。魂の服従の契約は魔法陣に刻んだもの。
その魔法陣が心臓まで刻まれた今、取り消すということはすなわち即、死を意味する。」
「心臓に刻まれた…」ソニアは悔しそうに顔を歪めた。
「私がついていながら…私のためにシルク様が…。
くそっ!シータ!」
ソニアは素早く腰の剣を抜き、シータの首元に突きつけた。
「いいか!私は必ずこの魔法陣の呪いを解く!この命にかけてもシルク様を必ずお助けする!
覚えておけ!」
シルクはジンジンと痛む背中を押さえながらも、
(ソニアさん超カッコイイ…)
とか思っていた。そして、
(この魔法陣が、ソニアさんに付かなくて本当に良かった)とも。
しかしシルクはこれで、シータから逃げることも出来なくなり、また肌に魔法陣を刻まれた今、王妃となることも出来ないだろう。
それどころか、異端の反逆者として重く罰せされるかもしれない。
「シルク様、私はもとよりコナンの城には縁のない者です。これより先は魔法陣の呪いを解くまでいつでもお側におります。」
ソニアはシルクを前に大地に膝を折った。
「ソニアさん、ありがとう…。でもきっと貴女はこの魔女の家には住めないでしょう。
この森の入り口辺りにハンスの小屋があります。
そこを訪ねてみてください。」
「シルク様…分かりました。しかし今夜はこのソニア、小屋の外で立っております。
そうさせて下さい、お側にいたい。」
「勝手にするがいいさ。さあ、中に来いシルク。」
「シルク様に手を出さないでくれ!頼む!」
ソニアの叫び声を聞きながら、シルクはソニアのマントを羽織ったまま、シータと魔女の家に入っていった。
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