34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第56話 ソニアとシルク(6)
「また巨乳・・・」
クロちゃんは少々うんざりした。重いのだ。
そうこうしていたらソニアが医者を連れて帰って来た。
「シルク様、大丈夫ですか?」
「ああ・・・うん、まあ・・・はい・・・。」
シルク(中身クロちゃん、そのまた中身はおっさん、メンドクサイので以下しばらくはシルクで統一)は、何とも言えない返事をした。
「ん?」
ソニアが、シルクを見て首をかしげる。
(さっき庭で見た時と印象が違う気がする・・・)
そう思った。
儚げな弱弱しさが消えて、間抜けな面白さが増した様な。もちろん口には出さなかったが。
医者はシルクのそばに落ちていたという小瓶を取って、色を見たり匂いを嗅いだりしたが、よく分からないといった風に首をかしげる。
「これは・・・医学的な薬草ではありませんね。見たことがありません。もしかすると、魔法的な何かだと思います。ミダ様にお伺いなさってはどうでしょう?」
「ミダっ!!」
シルクは思わず脊髄反射で大声を出した。
(どの時代もミダの名前が出るとロクなことがない・・・)
流石のシルクも学習した。
変な世界に飛ばされて、ミダの予言のせいでコナンとカナンの王子から追いかけ回され、そこから100年前に飛ばされて、その時代の生意気なミダの子を生めとか言われて、さらに18年前にに飛ばされて、そこのミダにさらに10年前ぐらいに飛ばされた上にシルクの体の中。
(・・・しかも今度は1人だ・・・)
なんやかんや言っても、ロックの存在は心強かった。
口も態度も悪いが、なんとなく守ってくれていた気も・・・する。
「み、ミダさんはちょっと・・・どうかな、あははは」
シルクはどうにかミダに会わずに済ませたい。
「あ、ほら、ボクもうこんなに元気ですし!ピンピンしてますから!」
医者とソニアは目を合わせた。
「まあ・・・お元気そうですし。ご様子を見ては?」
医者はそう言うとそそくさと部屋を出ていった。
「なんと・・・。王のお妃候補の姫に対してそっけない態度だな。次期王妃様はもうアンジェリカ様だと思っているのだろうが。」
「王のお妃候補・・・・・・・・・」
シルクは入って来た情報をまとめてみた。
自分はシルクで、まだ王妃になっていない選考段階で、いまいち味噌っかすの立場らしいということ。
(どうしてボクはまたここに飛ばされたんだろう・・・)
飛ばされる直前、シルクは酒場でのことを思い出す。ソニアさんの話の最中だった。
その前・・・
(ソニアはシルクを愛していた)
ソニアは・・・シルクを・・・・
「・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・!!!!」
「うそーーーーっ!」
シルクは飛び上がる。
今目の前にいるソニアさんが、自分を愛するということなのかもしれない!
憧れのソニアさんが・・・・!
いや、すでに愛されているのかも??
「あの、ソニアさん、ボクたちいつ出会いましたっけ?」
ワクワクしながら聞いてみる。
ソニアはいぶかしげな眼をしてシルクを見た。
「先ほど、中庭でお話ししたのが初めてですよ。あなたはハンスにもらった種を植えていらしたんです。お部屋に戻られた後、ハンスが新しい種を見つけたということでお渡しするために私がお部屋に参りました。その時床に倒れているシルク様を見つけたのです。・・・さきほどのことをお忘れとは、やはり毒を飲まされたのかもしれません。」
(じゃあ愛されるのは今からだー!)
ウキウキしながらソニアを見る。まるで子犬がじゃれつくみたいに。
「その小瓶の中身と犯人の正体がわかるまでは、お守りするために私がこの部屋で寝泊まりをご一緒させていただきます。よろしいですか?」
「よろしいですとも!!!」
シルク(中身の中身34歳)は、今の状況も忘れて滅茶苦茶喜んだのだった・・・。
クロちゃんは少々うんざりした。重いのだ。
そうこうしていたらソニアが医者を連れて帰って来た。
「シルク様、大丈夫ですか?」
「ああ・・・うん、まあ・・・はい・・・。」
シルク(中身クロちゃん、そのまた中身はおっさん、メンドクサイので以下しばらくはシルクで統一)は、何とも言えない返事をした。
「ん?」
ソニアが、シルクを見て首をかしげる。
(さっき庭で見た時と印象が違う気がする・・・)
そう思った。
儚げな弱弱しさが消えて、間抜けな面白さが増した様な。もちろん口には出さなかったが。
医者はシルクのそばに落ちていたという小瓶を取って、色を見たり匂いを嗅いだりしたが、よく分からないといった風に首をかしげる。
「これは・・・医学的な薬草ではありませんね。見たことがありません。もしかすると、魔法的な何かだと思います。ミダ様にお伺いなさってはどうでしょう?」
「ミダっ!!」
シルクは思わず脊髄反射で大声を出した。
(どの時代もミダの名前が出るとロクなことがない・・・)
流石のシルクも学習した。
変な世界に飛ばされて、ミダの予言のせいでコナンとカナンの王子から追いかけ回され、そこから100年前に飛ばされて、その時代の生意気なミダの子を生めとか言われて、さらに18年前にに飛ばされて、そこのミダにさらに10年前ぐらいに飛ばされた上にシルクの体の中。
(・・・しかも今度は1人だ・・・)
なんやかんや言っても、ロックの存在は心強かった。
口も態度も悪いが、なんとなく守ってくれていた気も・・・する。
「み、ミダさんはちょっと・・・どうかな、あははは」
シルクはどうにかミダに会わずに済ませたい。
「あ、ほら、ボクもうこんなに元気ですし!ピンピンしてますから!」
医者とソニアは目を合わせた。
「まあ・・・お元気そうですし。ご様子を見ては?」
医者はそう言うとそそくさと部屋を出ていった。
「なんと・・・。王のお妃候補の姫に対してそっけない態度だな。次期王妃様はもうアンジェリカ様だと思っているのだろうが。」
「王のお妃候補・・・・・・・・・」
シルクは入って来た情報をまとめてみた。
自分はシルクで、まだ王妃になっていない選考段階で、いまいち味噌っかすの立場らしいということ。
(どうしてボクはまたここに飛ばされたんだろう・・・)
飛ばされる直前、シルクは酒場でのことを思い出す。ソニアさんの話の最中だった。
その前・・・
(ソニアはシルクを愛していた)
ソニアは・・・シルクを・・・・
「・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・!!!!」
「うそーーーーっ!」
シルクは飛び上がる。
今目の前にいるソニアさんが、自分を愛するということなのかもしれない!
憧れのソニアさんが・・・・!
いや、すでに愛されているのかも??
「あの、ソニアさん、ボクたちいつ出会いましたっけ?」
ワクワクしながら聞いてみる。
ソニアはいぶかしげな眼をしてシルクを見た。
「先ほど、中庭でお話ししたのが初めてですよ。あなたはハンスにもらった種を植えていらしたんです。お部屋に戻られた後、ハンスが新しい種を見つけたということでお渡しするために私がお部屋に参りました。その時床に倒れているシルク様を見つけたのです。・・・さきほどのことをお忘れとは、やはり毒を飲まされたのかもしれません。」
(じゃあ愛されるのは今からだー!)
ウキウキしながらソニアを見る。まるで子犬がじゃれつくみたいに。
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