34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第50話 ソニアの過去
「あの・・・ミダさん・・・。」
クロちゃんは思い切って、自分たちが100年と18年後の未来から来たこと、18年後のオルガ王からここに飛ばされて、犠牲となった55人と5匹の獣を救って欲しいと頼まれたことを話した。
(ソニアが主犯であることは言えなかったので、その辺はぼかした)
ミダは少し考えてこう言った。
「今の話からすると・・・・」
ゴクリ。皆が次の一言に期待する。
「・・・私に息子がうまれるんだなぁ」
「そこーーーっ?!」
間髪入れずに突っ込んでしまうクロちゃん。
「確かにですね、あなたによく似た(生意気な)イケメンの息子さんでしたよ。そういえば、18年後にいる息子ミダさんもそろそろ結婚しなくちゃならない歳みたいですよ。ボクに子供生めとか言ってました!(大めーわく!)」
「な・・・孫か!」
「だからそこーーーー?!」
再びツッコミがさく裂するクロちゃんだった・・・。
(このミダさんはド天然かも)
しかしそんなやりとりの間、ソニアは怖い顔をしてうつむいていた。
「シルク様がそんなお辛い目に合うとは…私は一体、何をして差し上げたらいいのだ…。」
そして急に、クロちゃんに向かって頭を下げた。
「頼む、クロ!王の子を生んでくれ!
もし生んでくれるのならば、この先の我が人生を捧げる!死ぬまでこき使おうが、その場で煮ようが焼こうが構わない。
王妃を悲しませないで欲しい!」
「ソニアさん…あなたは、どうしてそこまでシルク王妃のために尽くすの…?」
クロちゃんはソニアのあまりの迫力に、そう聞かずにはいられなかった。(ソニアを自由に出来るという申し出は実に魅了的過ぎたが)
ソニアは苦悩に満ちた顔をしたまま、答えられない。
代わりに、また酒を飲みながらミダが答えた。
「ソニアは王妃を愛しているのさ。誰よりもね。」
「あ…愛してる?」
キョトンとするクロちゃん。
だってソニアさんは女、王妃も女じゃないか、と。
その時、酒が4人分運ばれてきた。
ソニアはジョッキを奪うように運んできた男から取り
、一気に飲み干して、横に置いてある樽の栓を勝手に開けてもう一杯飲んだ。
「ソニアさん、大丈夫ですか?!」
燃えるような紅い髪を少し乱す様も美しいソニア。
心配しながらもクロちゃんは見惚れてしまった。
「そうだな。ソニアのことを知れば、クロも協力してやりたくなるかもしれない。
こんな夜の酒のツマミに、話してやってもいいか?
お前のことを。」
ソニアは無言だ。それは了解の合図だと取れた。
「ソニアが生まれたのは貧しい町の貧しい家だ。
貧しい家庭だったのに子供の数だけは多くて、ソニアは9人兄弟の最初の子だった。」
ミダの話は続く。
だが実は、ソニアは他の兄弟と同じ父親の子ではない。
戦争の通り道になってしまった村にはよくあることだが、村の女たちが、集まった兵士に乱暴されて妊娠させられていたのだ。
ソニアの母もそんな女の1人だった。
しかしソニアが一歳の時に母が結婚した男はとても優しく、血の繋がらないソニアをとても可愛がってくれた。
だからソニアは、貧しい中次々と生まれる兄弟たちをとても可愛がってよく面倒をみた。
ソニアが15歳のとき、父親が病気で死に、母親も病気で動けなくなってしまってからも、生活の全てをソニアが支えた。
わずかばかりの畑で何とかしのいでいたが、10人も食べていくには不十分だった。
そこでソニアは、家族に内緒であることをする。
それは、傭兵だった。
頼まれればどんな戦争にでも参加して倒した敵の数だけ賞金をもらえる、そんな仕事だ。
今のソニアはミダの説明を聞きながら目を閉じて、当時のことを思い出す…
クロちゃんは思い切って、自分たちが100年と18年後の未来から来たこと、18年後のオルガ王からここに飛ばされて、犠牲となった55人と5匹の獣を救って欲しいと頼まれたことを話した。
(ソニアが主犯であることは言えなかったので、その辺はぼかした)
ミダは少し考えてこう言った。
「今の話からすると・・・・」
ゴクリ。皆が次の一言に期待する。
「・・・私に息子がうまれるんだなぁ」
「そこーーーっ?!」
間髪入れずに突っ込んでしまうクロちゃん。
「確かにですね、あなたによく似た(生意気な)イケメンの息子さんでしたよ。そういえば、18年後にいる息子ミダさんもそろそろ結婚しなくちゃならない歳みたいですよ。ボクに子供生めとか言ってました!(大めーわく!)」
「な・・・孫か!」
「だからそこーーーー?!」
再びツッコミがさく裂するクロちゃんだった・・・。
(このミダさんはド天然かも)
しかしそんなやりとりの間、ソニアは怖い顔をしてうつむいていた。
「シルク様がそんなお辛い目に合うとは…私は一体、何をして差し上げたらいいのだ…。」
そして急に、クロちゃんに向かって頭を下げた。
「頼む、クロ!王の子を生んでくれ!
もし生んでくれるのならば、この先の我が人生を捧げる!死ぬまでこき使おうが、その場で煮ようが焼こうが構わない。
王妃を悲しませないで欲しい!」
「ソニアさん…あなたは、どうしてそこまでシルク王妃のために尽くすの…?」
クロちゃんはソニアのあまりの迫力に、そう聞かずにはいられなかった。(ソニアを自由に出来るという申し出は実に魅了的過ぎたが)
ソニアは苦悩に満ちた顔をしたまま、答えられない。
代わりに、また酒を飲みながらミダが答えた。
「ソニアは王妃を愛しているのさ。誰よりもね。」
「あ…愛してる?」
キョトンとするクロちゃん。
だってソニアさんは女、王妃も女じゃないか、と。
その時、酒が4人分運ばれてきた。
ソニアはジョッキを奪うように運んできた男から取り
、一気に飲み干して、横に置いてある樽の栓を勝手に開けてもう一杯飲んだ。
「ソニアさん、大丈夫ですか?!」
燃えるような紅い髪を少し乱す様も美しいソニア。
心配しながらもクロちゃんは見惚れてしまった。
「そうだな。ソニアのことを知れば、クロも協力してやりたくなるかもしれない。
こんな夜の酒のツマミに、話してやってもいいか?
お前のことを。」
ソニアは無言だ。それは了解の合図だと取れた。
「ソニアが生まれたのは貧しい町の貧しい家だ。
貧しい家庭だったのに子供の数だけは多くて、ソニアは9人兄弟の最初の子だった。」
ミダの話は続く。
だが実は、ソニアは他の兄弟と同じ父親の子ではない。
戦争の通り道になってしまった村にはよくあることだが、村の女たちが、集まった兵士に乱暴されて妊娠させられていたのだ。
ソニアの母もそんな女の1人だった。
しかしソニアが一歳の時に母が結婚した男はとても優しく、血の繋がらないソニアをとても可愛がってくれた。
だからソニアは、貧しい中次々と生まれる兄弟たちをとても可愛がってよく面倒をみた。
ソニアが15歳のとき、父親が病気で死に、母親も病気で動けなくなってしまってからも、生活の全てをソニアが支えた。
わずかばかりの畑で何とかしのいでいたが、10人も食べていくには不十分だった。
そこでソニアは、家族に内緒であることをする。
それは、傭兵だった。
頼まれればどんな戦争にでも参加して倒した敵の数だけ賞金をもらえる、そんな仕事だ。
今のソニアはミダの説明を聞きながら目を閉じて、当時のことを思い出す…
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