34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第42話 赤い影
「ここは・・・コナンの城じゃん・・」
そこは、ロックとクロちゃんが100年前から飛ばされて落ちてきたところだった。
整備された森の中、大きな湖、その向こうに見える立派なお城。
青い、短いマントを着ている騎士が湖のほとりを歩いている。
「クロ!」
ロックがものすごいダッシュで走って来た。
「ああ、ロック!無事だっ・・・!!!!」
ロックの後ろには青い塊、ブルーライオンが10頭以上も追いかけてきている。
「逃げろーーーーっ!」
「無理でーす!!」
ライオンの足にかなうわけもなく、クロちゃんとロックはあっという間に青い軍団に取り囲まれた。
「うわああああ!食べられる~~~!そうだ、モニカ!モニカはいないの?助けてぇ~!」
必死にコネを探そうとするクロちゃん。
「モニカ・・・待てよ、クロ、おかしくないか?」
「え?また?今度は何がおかしいんですか?」
「オルガ王子は、ブルーライオンはもう5頭しか残ってないって言ってただろ?どうして10頭以上いるんだよ!」
「あ・・・そういえば・・・」
「どうした、お前たち!」
ライオンたちの後ろから、紅い影と美しい声がした。
燃えるような長い紅い髪、紅いマント、そして紫の瞳と紅い唇。
美しい女剣士が近づいてくる。
「うわぁ・・・」
こんな状況にもかかわらず、思わず感嘆の声が漏れるクロちゃん。
(美しすぎる~!宝石みたいな人だぁ!)
瞬きをするのを忘れるほど見惚れてしまった。
恋に落ちてしまったのかもしれない。
しかし美しい女神は無情にも言い放った。
「何だ不審者か。殺れ。」
がううっ
女神の合図でブルーライオンたちが一斉に襲い掛かって来た。
ロックはとっさにクロちゃんをかばう。
ブルーライオンの牙は無情にも二人の肉を引き裂く・・・かのように思えた。
しかし、なぜか寸でのところで全員の動きが止まる。
「うん?どうしたお前たち。」
赤い女剣士がライオンたちを見ると、ライオンたちは少し困ったような顔をしてロックとクロちゃんから後ずさっていた。
ミー
ミー
ミー
クロちゃんから猫のような鳴き声が聞こえる。
「あれ?」
クロちゃんの胸元がゴゾゴゾ動いた・・・かと思うと、ぴょこっと青くて小さな頭が顔を出した。
「えっ!」
ビビるクロちゃん。
「ミー!」
それはブルーライオンの赤ちゃんだった・・・!
女剣士がどうやっても赤ちゃんライオンはクロちゃんから離れようとしないので、仕方なく城に生かしたまま二人と一匹を連れて行く。
「今すぐお前たちの首を跳ね飛ばしたいが、貴重なブルーライオンの子を殺すわけにもいかないからな。
ったく、どうして子ライオンを持っているんだ・・・。もうブルーライオンはこの城にいる11頭しかいないはずだが。」
女剣士が小首をかしげるしぐさを、クロちゃんはというと両手を縛られて掴まっているくせに、うっとりと眺めていた。
目が完全にハートである。
「おい、おいっクロ!」
ロックが何回か呼び掛けてきてその存在をやっと思い出した。
「あい?」
「あい、じゃねーだろ!この状況、分かってるのかよ!!」
「綺麗なおねぇさんに捕まっております」
「おります、じゃねーーー!」
完全に色ボケのクロちゃん。
「いいか、オレたちは、多分また、さらに過去へ飛ばされたんだ。ブルーライオンがまだ11匹残っている時代だよ。
オルガ王子は”母と55人と5匹を助けてくれ”と言っていただろ?
つまり・・・あれから18年前じゃないか?王子が生まれる前だ」
「王子が生まれる前・・・」
クロちゃんも流石に少しこの事態が飲み込めてきた。
2人が女剣士とライオンたちに連れられて、見覚えのある城門前の跳ね橋のところに着くと、見張りの兵隊が言った。
「ソニア様、その者たちは?!」
そこは、ロックとクロちゃんが100年前から飛ばされて落ちてきたところだった。
整備された森の中、大きな湖、その向こうに見える立派なお城。
青い、短いマントを着ている騎士が湖のほとりを歩いている。
「クロ!」
ロックがものすごいダッシュで走って来た。
「ああ、ロック!無事だっ・・・!!!!」
ロックの後ろには青い塊、ブルーライオンが10頭以上も追いかけてきている。
「逃げろーーーーっ!」
「無理でーす!!」
ライオンの足にかなうわけもなく、クロちゃんとロックはあっという間に青い軍団に取り囲まれた。
「うわああああ!食べられる~~~!そうだ、モニカ!モニカはいないの?助けてぇ~!」
必死にコネを探そうとするクロちゃん。
「モニカ・・・待てよ、クロ、おかしくないか?」
「え?また?今度は何がおかしいんですか?」
「オルガ王子は、ブルーライオンはもう5頭しか残ってないって言ってただろ?どうして10頭以上いるんだよ!」
「あ・・・そういえば・・・」
「どうした、お前たち!」
ライオンたちの後ろから、紅い影と美しい声がした。
燃えるような長い紅い髪、紅いマント、そして紫の瞳と紅い唇。
美しい女剣士が近づいてくる。
「うわぁ・・・」
こんな状況にもかかわらず、思わず感嘆の声が漏れるクロちゃん。
(美しすぎる~!宝石みたいな人だぁ!)
瞬きをするのを忘れるほど見惚れてしまった。
恋に落ちてしまったのかもしれない。
しかし美しい女神は無情にも言い放った。
「何だ不審者か。殺れ。」
がううっ
女神の合図でブルーライオンたちが一斉に襲い掛かって来た。
ロックはとっさにクロちゃんをかばう。
ブルーライオンの牙は無情にも二人の肉を引き裂く・・・かのように思えた。
しかし、なぜか寸でのところで全員の動きが止まる。
「うん?どうしたお前たち。」
赤い女剣士がライオンたちを見ると、ライオンたちは少し困ったような顔をしてロックとクロちゃんから後ずさっていた。
ミー
ミー
ミー
クロちゃんから猫のような鳴き声が聞こえる。
「あれ?」
クロちゃんの胸元がゴゾゴゾ動いた・・・かと思うと、ぴょこっと青くて小さな頭が顔を出した。
「えっ!」
ビビるクロちゃん。
「ミー!」
それはブルーライオンの赤ちゃんだった・・・!
女剣士がどうやっても赤ちゃんライオンはクロちゃんから離れようとしないので、仕方なく城に生かしたまま二人と一匹を連れて行く。
「今すぐお前たちの首を跳ね飛ばしたいが、貴重なブルーライオンの子を殺すわけにもいかないからな。
ったく、どうして子ライオンを持っているんだ・・・。もうブルーライオンはこの城にいる11頭しかいないはずだが。」
女剣士が小首をかしげるしぐさを、クロちゃんはというと両手を縛られて掴まっているくせに、うっとりと眺めていた。
目が完全にハートである。
「おい、おいっクロ!」
ロックが何回か呼び掛けてきてその存在をやっと思い出した。
「あい?」
「あい、じゃねーだろ!この状況、分かってるのかよ!!」
「綺麗なおねぇさんに捕まっております」
「おります、じゃねーーー!」
完全に色ボケのクロちゃん。
「いいか、オレたちは、多分また、さらに過去へ飛ばされたんだ。ブルーライオンがまだ11匹残っている時代だよ。
オルガ王子は”母と55人と5匹を助けてくれ”と言っていただろ?
つまり・・・あれから18年前じゃないか?王子が生まれる前だ」
「王子が生まれる前・・・」
クロちゃんも流石に少しこの事態が飲み込めてきた。
2人が女剣士とライオンたちに連れられて、見覚えのある城門前の跳ね橋のところに着くと、見張りの兵隊が言った。
「ソニア様、その者たちは?!」
コメント