34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第37話 飛び交う槍
「生け贄?!」
いつものパターンなら、クロちゃんはライオンたちの前に飛び出すであろうと読んだロックは、とっさに腕を掴んだ。
大正解で飛び出そうとしていたクロちゃんは前にコケそうになる。
「離してください!」
「バカ!離したらお前あの中心へ行っちまうだろ!
オレたちは今、この城から逃げ出そうとしているんだぞ!!
最大限目立ってどーすんだよ!」
「だって、このままだとブルーライオンたちが殺されちゃうよ!あの中にはモニカの赤ちゃんのお父さんがいるのに!」
クロちゃんがロックの手を振り払い、ライオンたちのところに人混みをかき分けて進んだ時、すぐ横を青い何かが音もなく通り過ぎた。
「モニカ!」
モニカが槍を構えた騎士を1人2人となぎ払い、仲間のところへ行く。
傷ついた仲間たちをかばって守るように、モニカは仲間の前に立ちはだかった。
騎士の槍は容赦なくモニカも狙う。その槍の数の多さに、ライオンたちは避けきれず皮膚を裂かれている。
クロちゃんたちの近くにいた男が言った。
「可哀想になぁ。ブルーライオンは小さい頃から、この国の騎士は傷つけないように王子に訓練されているから、手出しができないんだろう。」
それを聞いたクロちゃんは堪らなくなった。
「ロックは逃げて!ボクは行く!」
「はあっ?!」
「待ってください!やめて!」
クロちゃんはまだ槍が飛び交う庭に走り出た。
2.3箇所クロちゃんの腕と脚をかすめたので血が流始める。
「あのバカ…」
ロックも舌打ちしながら前に出た。、
「王子が死にかけなら、ボクが治します!生け贄なんかいらない!」
大勢の騎士に向かって大見得を切るクロちゃん。
いままでハーリーやモニカを治すことが出来たが、自信なんかなかった。でも、今、ブルーライオン達を救うにはこの方法しかない。
「何を言ってるんだこの女は!とっ捕まえて牢屋にでも入れておけ!」
「えっ・・・」
どこの誰とも分からないドチビのいうことを信じる騎士はいなかった・・・。
あっという間にロックともども捕まってしまう。
「だーかーら、言ったじゃねーか!」
「ごめんなさいロック・・・でも・・・」
「待ちなさい。その少女が言うことは嘘ではない。王子を不治の病から救うのは、彼女だ。」
皆が振り返ると、そこには預言者ミダが立っていた。
騎士たちと、見物していた城の人々はざわつき始める。「しかし、ミダ様・・・」
「黒髪の君、皆に証拠を示して。ブルーライオンたちを治してやりなさい。」
ミダがクロちゃんに言った。
「えっ・・・う・・・はい。」
周りにたくさんのギャラリーがいるし緊張して自信はなかったが、ライオンたちの中に入っていって、傷口を優しくなでてやった。
モニカを治した時と同様、周りから”暖かい何か”が集まってくる気がする。
息遣いが荒かったライオンたちの呼吸は徐々に落ち着き、傷はみるみるうちに塞がっていった。
5分ほどしてクロちゃんは、ライオンたちが元気になったのを見届けてからその場で気を失ってしまった。
凛々しく立ち上がったブルーライオンたちに囲まれるクロちゃんを、周りの人々褒めたたえる。
「すごい!奇跡だ!」
「神の使いの少女が現れた!」
「我が国の王子を救うのは彼女だ!」
ロックにお姫様抱っこされながら、クロちゃんは夢うつつにみんなの声を聞いていた。
いつものパターンなら、クロちゃんはライオンたちの前に飛び出すであろうと読んだロックは、とっさに腕を掴んだ。
大正解で飛び出そうとしていたクロちゃんは前にコケそうになる。
「離してください!」
「バカ!離したらお前あの中心へ行っちまうだろ!
オレたちは今、この城から逃げ出そうとしているんだぞ!!
最大限目立ってどーすんだよ!」
「だって、このままだとブルーライオンたちが殺されちゃうよ!あの中にはモニカの赤ちゃんのお父さんがいるのに!」
クロちゃんがロックの手を振り払い、ライオンたちのところに人混みをかき分けて進んだ時、すぐ横を青い何かが音もなく通り過ぎた。
「モニカ!」
モニカが槍を構えた騎士を1人2人となぎ払い、仲間のところへ行く。
傷ついた仲間たちをかばって守るように、モニカは仲間の前に立ちはだかった。
騎士の槍は容赦なくモニカも狙う。その槍の数の多さに、ライオンたちは避けきれず皮膚を裂かれている。
クロちゃんたちの近くにいた男が言った。
「可哀想になぁ。ブルーライオンは小さい頃から、この国の騎士は傷つけないように王子に訓練されているから、手出しができないんだろう。」
それを聞いたクロちゃんは堪らなくなった。
「ロックは逃げて!ボクは行く!」
「はあっ?!」
「待ってください!やめて!」
クロちゃんはまだ槍が飛び交う庭に走り出た。
2.3箇所クロちゃんの腕と脚をかすめたので血が流始める。
「あのバカ…」
ロックも舌打ちしながら前に出た。、
「王子が死にかけなら、ボクが治します!生け贄なんかいらない!」
大勢の騎士に向かって大見得を切るクロちゃん。
いままでハーリーやモニカを治すことが出来たが、自信なんかなかった。でも、今、ブルーライオン達を救うにはこの方法しかない。
「何を言ってるんだこの女は!とっ捕まえて牢屋にでも入れておけ!」
「えっ・・・」
どこの誰とも分からないドチビのいうことを信じる騎士はいなかった・・・。
あっという間にロックともども捕まってしまう。
「だーかーら、言ったじゃねーか!」
「ごめんなさいロック・・・でも・・・」
「待ちなさい。その少女が言うことは嘘ではない。王子を不治の病から救うのは、彼女だ。」
皆が振り返ると、そこには預言者ミダが立っていた。
騎士たちと、見物していた城の人々はざわつき始める。「しかし、ミダ様・・・」
「黒髪の君、皆に証拠を示して。ブルーライオンたちを治してやりなさい。」
ミダがクロちゃんに言った。
「えっ・・・う・・・はい。」
周りにたくさんのギャラリーがいるし緊張して自信はなかったが、ライオンたちの中に入っていって、傷口を優しくなでてやった。
モニカを治した時と同様、周りから”暖かい何か”が集まってくる気がする。
息遣いが荒かったライオンたちの呼吸は徐々に落ち着き、傷はみるみるうちに塞がっていった。
5分ほどしてクロちゃんは、ライオンたちが元気になったのを見届けてからその場で気を失ってしまった。
凛々しく立ち上がったブルーライオンたちに囲まれるクロちゃんを、周りの人々褒めたたえる。
「すごい!奇跡だ!」
「神の使いの少女が現れた!」
「我が国の王子を救うのは彼女だ!」
ロックにお姫様抱っこされながら、クロちゃんは夢うつつにみんなの声を聞いていた。
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