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34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました

丸めがね

第34話 爆弾発言

「で、キミたちはカナンの国の人だね?どうしてこの城の敷地内にいたの?」

食事をすっかり平らげてしまったころ、オルガ王子は聞いてきた。

そもそもロックは、まんまカナンの国の紋章の付いた騎士の服を着ているので隠しようがない。

「・・・道に迷ったんだ。」
ロックは眉間にしわを寄せたまま答えた。

もちろんそんな事、オルガが信じないだろうというのは承知だ。

「ふうん。結構ウチの警備は手薄だったんだね。気を付けないと。ミダがキミたちの事を予言してなかったのは不思議だけど。」

「ミダ!!」
クロちゃんは思わず大声を出した。

”預言者ミダ”のせいでクロちゃんは色々追い回される羽目になったのだ。

ロックの、馬鹿かお前は!、というあきれ返った目がクロちゃんを睨む。

「ミダのことを知っているようだね。」
オルガが立ち上がった。

ロックはナイフに手を掛けようかどうか一瞬迷う。
クロちゃんの発言は、敵地の真ん中に行って”秘密知ってまーす”と言っているようなものなのだ。

緊迫した空気が流れた。(クロちゃん以外)


「預言者ミダさんって、ほんとにいるんですか?ボクちょっと言いたいこと・・・もとい聞きたいことがあるんです!良かったら会わせてください!」

クロちゃんの、1ミリも空気を読まない発言第2弾の投下に、ロックはめまいを起こしそうになった。

しかし意外にも、オルガはこう言ったのだ。
「お安い御用だよ。ミダも退屈してるみたいだから、話し相手になってやってくれ」



クロちゃんたちは食事の後、談話室のようなところに通されて、少し待つように言われた。
花の模様がたくさん書いてある調度品ばかりが置かれている。

床の絨毯にも花、壁にも花、天井にも花。

「落ち着かねぇな!」
ロックは少女趣味な部屋に入れられてちょっと赤くなっている。

クロちゃんは、ミダに会ったらなんて言おうか悩んでいると、ロックが急に真面目な顔をして接近してきた。

クロちゃんの腰を抱き、顔を近づける。

「な、なに?」ビックリ仰天のクロちゃん。

「静かに。オレがお前に迫ってるふりするからそのまま聞け。・・・ここは誰に見られてるか分からないからな。
少し前から考えていたんだが、ここは・・・、というか、この世界はおかしいんだ。」

「おかしい?世界が?」
クロちゃんは間近に感じるロックの息に戸惑いながら言う。

ロックはさらに、クロちゃんの首筋に唇を当てながら続けた。
「いいか。オルガっていうのは、コナンの国の先々代の王の名前だ。今から、100年以上前のな。」

「ひゃくねん?!」
流石のクロちゃんも驚いた。

「それに、この国の騎士が来ている短い青いマントも、今では使われていないと歴史書に書いてあった。」

「れ・・・歴史書・・・。え、じゃあ、ミダは?ミダがいるってことは、”今”じゃないの?」

「バカだな、ミダって言うのは、代々預言者の血統に受け継がれる名前なんだよ!つまりコナンの王に使える預言者は何百年も”ミダ”なんだ!」

「えーーー。えーっとじゃあ・・・?
・・・・
・・・・・

ここは100ぐらい年前の世界ってこと?」

ロックはうなずく代わりに、クロちゃんを抱き寄せてキスをした。

「!!!!!」

「あれ、これはどういうこと?」

いつの間にか戸口の方に見知らぬ少年が立っている。
ロックはそれに気付いて、キスでごまかしたのだった。

「おかしいな。オルガ王はボクの子を産む女を連れて来たって言ってたのに、彼氏がいるんじゃん。」


「子を産む?!?!」

ロックにキスされたことかイキナリの衝撃発言か、どちらに驚いていいかもはや分からなくなっているクロちゃんだった・・・。


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