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34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました

丸めがね

第33話 コナンの城の中

「城?!」

驚くロック。

再度この青年をしげしげ見ると、かなり良い仕立ての服を着ているし、顔立ちも美しい。

「お前、もしかして・・・。」

「私はコナンの国の王子、オルガだ。ついて来なさい。」


オルガ王子とブルーライオンの軍団の後ろについて歩きながら、ヒソヒソ話をするクロちゃんとロック。

クロちゃんが助けたブルーライオンはクロちゃんの横にピッタリくっついてを離れようとしない。

(いいの?、ロックさん!このままコナンのお城について行っちゃって!)ヒソヒソ

(んなこと言っても仕方ないだろ!あのままライオンに食われたらシェレになんねぇし!)ヒソヒソ

(ぐるるるる)ヒソヒソ

なぜかブルーライオンまでもがそっと唸る。

「あの、この子の名前はなんて言うんですか?」
クロちゃんは、母ライオンの頭を撫でながらオルガに尋ねた。

「モニカだよ。多分初めてじゃないかな、ボク以外でモニカの頭に触って生きている人間は。」

クロちゃんはキョトンとしてモニカと目を合わせた。



「ここで少し待っていて」
城門の跳ね橋の前でクロちゃんたちはブルーライオン隊と一緒に置いて行かれる。

クロちゃんは跳ね橋の下の用水路をモニカと眺めていた。

ふと横を見ると、ロックが眉間にしわを寄せて難しい顔をしている。

「どうしたの、ロック?」
「いや・・・どうも変なんだ。
ここがコナンの国なのは間違いなさそうだが、ハザード王子には兄弟などいないはず。
オルガ・・・オルガ王子・・・どこで聞いた・・・どこかで・・・」

「さあ、入ってきなさい。」
「あ・・・!」
オルガ王子に呼ばれるのと同時にロックの記憶が蘇る。
小さいころカナンの城で読んだ書物。”コナンの歴史”

「コナンの・・・先々代の王、魔法と獣の王、オルガ!しかし、そんなバカな・・・!今は、いつなんだ!!」



クロちゃんとロックは、立派なテーブルがある広間に通され、椅子を勧められた。
ロックは始終怖い顔をして辺りを見回している。

(ちょっと、ロックさん!もう少し愛想よくしてないと、いつ王子様の気が変わってエサにされちゃうかわからないよ!)ヒソヒソ
こういう所はまだまだ中身が気弱なサラリーマンなクロちゃん。

(いや、だって、おかしいんだって!)ヒソヒソ

(なにがですか?!とりあえずあの状況から生きてるんだからいいじゃないですか?)ヒソヒソ

2人がヒソヒソしている間に、目の前に食事が並べられた。
そういえば、もの凄くお腹が空いていることを思い出す。

「お、美味しそう・・・・」
クロちゃんは”食べ物を見てヨダレを垂らす”という経験を始めてした。

「モニカを助けてくれた礼だ。食べてくれ」

オルガ王子の言葉がスタートの号令かのようにクロちゃんはパンやら肉やらをモグモグ食べ始める。
たまにお肉の硬い所などをまだ横にいるモニカの口に入れた。

ロックも難しい顔をしながら、綺麗に食事をする。

「あれ?」
皿の料理を7割がた食べ終わった時、クロちゃんはオルガ王子が何も口にしていないことに気が付いた。

王子はただ、クロちゃんたちが食べるのを眺めて、たまに少しのワインのようなお酒を飲んでいるのみ。

「あの、オルガ王子は何も召し上がらないんですか?」

そのあまりにも裏のない、無遠慮な質問にロックはブッと吹いた。

「お前なぁ・・・」

「私は、あまりお腹が空かないんだよ。」
オルガ王子は普通に答えた。
よく見ると、本当にガリガリに痩せた手足、頭蓋骨がそのまま見えるような顔、どこか病気なのかもしれない。

クロちゃんはふと、元の世界の不動産会社にいるぽっちゃり角田さんを思い出し、”脂肪を半分分けてあげたらお互い丁度いいのになぁ”とか考えて1人笑ってしまった。

そんなクロちゃんを見て心底呆れるロック。
「お前・・・こんな状況でよくニマニマ笑えるなぁ・・・」

オルガ王子はそんな二人を見てプっと笑う。

彼が笑ったのは随分久しぶりだということを知っているのは、ブルーライオンのモニカぐらいだったが。


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