34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第25話 ロックの説明
「どどどどどうしよう〜〜…」
カナンの国の金髪の王子レオから、明日にでも食べられてしまいそうなクロちゃん(中身34歳サラリーマン)。
またまた閉じ込められた部屋で、なすすべもなくウロウロしている。
なぜかクロちゃんを主人と決めた人狼の末裔ハーリーは、別れ際震えるクロちゃんに、
「大丈夫ですよ」
とだけ囁いた。
「こ、ここは落ち着こう!ボクだってだてに34年間生きてきたわけじゃないぞ!
多分年下であろう金髪野郎なんかに、大人しく喰われてたまるかっての!!」
クロちゃんは珍しく威勢が良いことを考える。
まあ、考える方向は逃げるという一手だけだけど。
「とりあえず、この城を抜け出してみようかな…。そしたら、 チイッポ村まで何とか行けるかもしれない。」
しかし…その後は?とも考える。
チイッポ村でお世話になった人達には、コナンの国に行く途中でさられたことですでに迷惑をかけているであろう。
のこのこ自分が舞い戻ったら、コナン、カナン両国から何かされるのではないか。
「あんなに良くしてくれたハッキやガガたちを危険に晒すわけにはいかないよね…。」
あれこれ考えた挙句、ベッドに座ってしまったのを最後に意識はなくなり、朝まですっかり眠りこけてしまった。
そして、若き騎士ロックが遅めの朝食を持ってくる前に出した結論は、
「話せばわかってくれるかもしれない」
というほぼ無理理論だった…。
いつもぶっきらぼうだが威勢の良いロック、今朝はどうにもブスッとしている。
食事をテーブルに並べる手つきも、大きな音を立てたり食器を落としたりして何やら怪しかった。
ちゃんと話してみようと決心していたクロちゃんだが、ロックがそんな様子なので話せない。
とりあえずパンをポソポソ食べていると、ロックが聞いてきた。
「クロ、お前いくつだ?」
「えっ…」
なにせ、何もわからないまま異世界に来てイキナリこの姿になっていたので、本当の名前も歳も生まれたところも分からない。
多分、目の前の若き騎士よりは年下だろうと思う。
「あ、あの、ロックさんはおいくつなんですか?」
「俺か?俺は、16だ!いや、俺のことはいいんだ!お前は何歳なんだよ!」
「じゅう…14です…」
適当に決めてしまったクロちゃん。
顔や身長は幼いが、かなりの巨乳なのでこれ以下ということはない気がする。
「14か…うむ…早すぎるということはないか…。もう少し下でも嫁ぐ娘もザラにいる。
そうか、まあ、覚悟するんだな。」
嫁ぐ?覚悟?
話の意味がまったく見えず、キョトンとするクロちゃん。
どうやらロックは、クロちゃんにこれから起こることのあらましを説明する任務を仰せつかってきたらしく、心底困った顔で続けた。
「あー…、つまりだ、な、レオ王子は今夜お前を予言に則って〝喰らう〝そうだ。
喰らう、とは、とは…
お前みたいな庶民のガキは知らないかもしれないが、
つまり、
…
…
あー、もう、言えるかよ!!
あとで適当な侍女を寄越すから、そいつに聞いてくれ!」
何故か耳まで真っ赤にして部屋を出て行くロック。
「どうしちゃったんだろ…」
ロックの変な態度は気になったものの、何かが今夜起こる。
それまでにどうにかしなければならない。
クロちゃんが呆然とパンの残りを見つめていると、頭の中に声が聞こえてきた。
「クロ様、我が主人…お望みならばお助けいたしましょう…」
カナンの国の金髪の王子レオから、明日にでも食べられてしまいそうなクロちゃん(中身34歳サラリーマン)。
またまた閉じ込められた部屋で、なすすべもなくウロウロしている。
なぜかクロちゃんを主人と決めた人狼の末裔ハーリーは、別れ際震えるクロちゃんに、
「大丈夫ですよ」
とだけ囁いた。
「こ、ここは落ち着こう!ボクだってだてに34年間生きてきたわけじゃないぞ!
多分年下であろう金髪野郎なんかに、大人しく喰われてたまるかっての!!」
クロちゃんは珍しく威勢が良いことを考える。
まあ、考える方向は逃げるという一手だけだけど。
「とりあえず、この城を抜け出してみようかな…。そしたら、 チイッポ村まで何とか行けるかもしれない。」
しかし…その後は?とも考える。
チイッポ村でお世話になった人達には、コナンの国に行く途中でさられたことですでに迷惑をかけているであろう。
のこのこ自分が舞い戻ったら、コナン、カナン両国から何かされるのではないか。
「あんなに良くしてくれたハッキやガガたちを危険に晒すわけにはいかないよね…。」
あれこれ考えた挙句、ベッドに座ってしまったのを最後に意識はなくなり、朝まですっかり眠りこけてしまった。
そして、若き騎士ロックが遅めの朝食を持ってくる前に出した結論は、
「話せばわかってくれるかもしれない」
というほぼ無理理論だった…。
いつもぶっきらぼうだが威勢の良いロック、今朝はどうにもブスッとしている。
食事をテーブルに並べる手つきも、大きな音を立てたり食器を落としたりして何やら怪しかった。
ちゃんと話してみようと決心していたクロちゃんだが、ロックがそんな様子なので話せない。
とりあえずパンをポソポソ食べていると、ロックが聞いてきた。
「クロ、お前いくつだ?」
「えっ…」
なにせ、何もわからないまま異世界に来てイキナリこの姿になっていたので、本当の名前も歳も生まれたところも分からない。
多分、目の前の若き騎士よりは年下だろうと思う。
「あ、あの、ロックさんはおいくつなんですか?」
「俺か?俺は、16だ!いや、俺のことはいいんだ!お前は何歳なんだよ!」
「じゅう…14です…」
適当に決めてしまったクロちゃん。
顔や身長は幼いが、かなりの巨乳なのでこれ以下ということはない気がする。
「14か…うむ…早すぎるということはないか…。もう少し下でも嫁ぐ娘もザラにいる。
そうか、まあ、覚悟するんだな。」
嫁ぐ?覚悟?
話の意味がまったく見えず、キョトンとするクロちゃん。
どうやらロックは、クロちゃんにこれから起こることのあらましを説明する任務を仰せつかってきたらしく、心底困った顔で続けた。
「あー…、つまりだ、な、レオ王子は今夜お前を予言に則って〝喰らう〝そうだ。
喰らう、とは、とは…
お前みたいな庶民のガキは知らないかもしれないが、
つまり、
…
…
あー、もう、言えるかよ!!
あとで適当な侍女を寄越すから、そいつに聞いてくれ!」
何故か耳まで真っ赤にして部屋を出て行くロック。
「どうしちゃったんだろ…」
ロックの変な態度は気になったものの、何かが今夜起こる。
それまでにどうにかしなければならない。
クロちゃんが呆然とパンの残りを見つめていると、頭の中に声が聞こえてきた。
「クロ様、我が主人…お望みならばお助けいたしましょう…」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
2
-
-
310
-
-
337
-
-
107
-
-
147
-
-
24251
-
-
141
-
-
26950
-
-
549
コメント