34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第24話 人狼の主人
カナンの第2王子がコナンの都に行くということは、コナンの姫と結婚するということだった。
すでに王子を愛していたアンジュ、心の中では悲しんだが、婚姻によって多くの人の命を救いたいという王子の想いを受け止めた。
しかし、王子の怪我は深くなかなか良くならない。
それどころかどうやら毒が体に入っていたらしく、どんどん衰弱していった。
このままでは王子が死んでしまうと思ったアンジュは、禁断のヒーラーの力を使ってしまう。
果たして、王子は回復し、アンジュは瀕死状態になった。
「私のことは気にせず、先を急いで下さい。」
アンジュはそう言ったが、自分を助けてくれた彼女を王子も愛していた。
2人の恋は結局、コナンの国、カナンの国、そして人狼たちと3つの勢力の争いになってしまった。
滅びそうになった人狼たちを救ったのがカナンの第1王子。
弟のため、弟が愛した人狼の娘のため、第1王子は自らの命を投げ出したのだった。
「この物語は全てをお話しするととても長く複雑になってしまうのですが、おおよそこんな感じです。
以来、残ったわずかな人狼の一族はカナンの王族に忠誠を誓い、ヒーラーが生まれると王にその子を捧げました。」
「それが…今のあなたなんですね。」
クロちゃんはなぜだかすごく感心した。
「そうです。私も多くの古のヒーラーたちのように、カナンの王を主人として、王の怪我を治しお助けして生きていくつもりでした。…しかし、私はあなたに出会ってしまった。
真の主人、クロ様。」
「いや!いやいやいや!!ボクがあなたの主人なんて、そんな…」
「人狼の一族の中には多くの伝説があります。
ヒーラーは他人の怪我は治せるのですが、自分の怪我は治せません。ヒーラー同士でも治せないのです。
だがもし、ヒーラーの怪我を治す方が現れたとしたら、それは運命の主人となるであろう、と。」
「ボクがあなたの怪我を治しなんて…」
戸惑うクロちゃん。
「ボクの方が治してもらっただけですよ?!」
銀髪のハーリーは優しく微笑んだ。
「あなたに触れた時、私の中にとても暖かなものが流れ込んできたのを感じました。そして、傷はすっかり癒えてしまったのです。
クロ様、あなたこそ、人狼の一族ハーリーの主人です。」
「と、言われましても…」
なんと言ってもクロちゃんは現在囚われの身。中身は冴えないサラリーマン、外見は黒髪の巨乳美少女だけど力も弱ければお金もない。
「そう、…ボクはあなたに何もしてあげられません…」
クロちゃんはうつむいた。
「違います、クロ様。私があなたに、あなたの望むことをして差し上げるのです。」
「やはり。」
その言葉はカナンの王子、金髪のレオ。
「やはりこの少女は今回の予言になんらかの形で関わっているのだろう。
突然現れて人狼の主人になりし者よ。
喰らう生贄の少女なのか、そうでないのかは分からぬが…調べてみる必要があるだろうな。」
レオは固まるクロちゃんの腕を引っ張り自分のそばに引き寄せた。
キスしそうなぐらいの距離で瞳を覗き込む。
「レオ様、お調べになるとは、どうやって…?」
若き騎士ロックが尋ねた。
「予言の通り、喰らってみよう。」
すでに王子を愛していたアンジュ、心の中では悲しんだが、婚姻によって多くの人の命を救いたいという王子の想いを受け止めた。
しかし、王子の怪我は深くなかなか良くならない。
それどころかどうやら毒が体に入っていたらしく、どんどん衰弱していった。
このままでは王子が死んでしまうと思ったアンジュは、禁断のヒーラーの力を使ってしまう。
果たして、王子は回復し、アンジュは瀕死状態になった。
「私のことは気にせず、先を急いで下さい。」
アンジュはそう言ったが、自分を助けてくれた彼女を王子も愛していた。
2人の恋は結局、コナンの国、カナンの国、そして人狼たちと3つの勢力の争いになってしまった。
滅びそうになった人狼たちを救ったのがカナンの第1王子。
弟のため、弟が愛した人狼の娘のため、第1王子は自らの命を投げ出したのだった。
「この物語は全てをお話しするととても長く複雑になってしまうのですが、おおよそこんな感じです。
以来、残ったわずかな人狼の一族はカナンの王族に忠誠を誓い、ヒーラーが生まれると王にその子を捧げました。」
「それが…今のあなたなんですね。」
クロちゃんはなぜだかすごく感心した。
「そうです。私も多くの古のヒーラーたちのように、カナンの王を主人として、王の怪我を治しお助けして生きていくつもりでした。…しかし、私はあなたに出会ってしまった。
真の主人、クロ様。」
「いや!いやいやいや!!ボクがあなたの主人なんて、そんな…」
「人狼の一族の中には多くの伝説があります。
ヒーラーは他人の怪我は治せるのですが、自分の怪我は治せません。ヒーラー同士でも治せないのです。
だがもし、ヒーラーの怪我を治す方が現れたとしたら、それは運命の主人となるであろう、と。」
「ボクがあなたの怪我を治しなんて…」
戸惑うクロちゃん。
「ボクの方が治してもらっただけですよ?!」
銀髪のハーリーは優しく微笑んだ。
「あなたに触れた時、私の中にとても暖かなものが流れ込んできたのを感じました。そして、傷はすっかり癒えてしまったのです。
クロ様、あなたこそ、人狼の一族ハーリーの主人です。」
「と、言われましても…」
なんと言ってもクロちゃんは現在囚われの身。中身は冴えないサラリーマン、外見は黒髪の巨乳美少女だけど力も弱ければお金もない。
「そう、…ボクはあなたに何もしてあげられません…」
クロちゃんはうつむいた。
「違います、クロ様。私があなたに、あなたの望むことをして差し上げるのです。」
「やはり。」
その言葉はカナンの王子、金髪のレオ。
「やはりこの少女は今回の予言になんらかの形で関わっているのだろう。
突然現れて人狼の主人になりし者よ。
喰らう生贄の少女なのか、そうでないのかは分からぬが…調べてみる必要があるだろうな。」
レオは固まるクロちゃんの腕を引っ張り自分のそばに引き寄せた。
キスしそうなぐらいの距離で瞳を覗き込む。
「レオ様、お調べになるとは、どうやって…?」
若き騎士ロックが尋ねた。
「予言の通り、喰らってみよう。」
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