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34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました

丸めがね

第14話 赤い花と鷹と男

カーラの谷を下に見下ろし、鷹はクロちゃんを掴んだまま森を1つ超えるように飛んだ。

村長の息子アレンは、鷹の位置を確認しつつ馬を全力で走らせ、クロちゃんを追いかける。


2つ目の黒い森の上空に来た時、鷹は大きく旋回して、急下降した。

「うわぁぁぁぁ」

もう死ぬ!ダメだ!とクロちゃんが目をつぶった後、瞼の先の視界が急に明るくなった。


ドサッ


割と乱暴に落とされる。

しかし柔らかい草のようなものがクッションになってくれて、あまり痛みはなかった。

「んん…」

恐る恐る目を開けるクロちゃん。

「うわあぁ」

自然と口から感嘆の言葉が漏れた。

見渡す限り一面の、一面の赤い花、花、花。

クロちゃんが落ちた辺りの花びらが飛び散って、夢のように空中を舞っている。

その花びらの間から1人の男が現れた。


赤い花に負けないぐらい赤いマントを羽織った、強い気迫を背負っている男。


肩までの金色の髪をうねるようになびかせながら、男はクロちゃんの方に近づいて来た。


腫れた顔、赤茶けたショートカット、男の子にしか見えないクロちゃん。(中身はおっさんなんだけど)

男は怪訝な顔をする。

「どうしてこんな少年を連れて来たんだ、ハリス」

ハリスと呼ばれた鷹は、ジッと金髪の男を見て

「私は間違えない」

と言った。

「しゃべった!!」

驚きのあまり叫ぶクロちゃん。大きな瞳をめいいっぱい開いて鷹を見る。

金髪の男はクロちゃんの襟首を掴んで、顔を近づけた。

「そうだな、お前は間違えない。神の鷹ハリス。」

男は、襟首を掴んだ手をそのまま下に下ろして、クロちゃんのシャツを引き裂いた。
上半身の肌が露わになる。

「わわっ!」 

恐怖を感じて逃げ出すクロちゃん。しかしあっさり捕まえられて、赤い花畑の中に押し倒された。

そして、まるで紙を破るように、全身の服を破り取られてしまう。

金髪の男は、クロちゃんが女である事を確認した後、腰のナイフを取り出した。

まるで毎日の料理を始めるかのように、表情も変えずクロちゃんの首をさばこうとした。

クロちゃんはあまりの事に声も出ない。

もともと現実ではない異世界なのに、さらに現実ではないような気がした。


ナイフの刃先がクロちゃんの喉を1センチほど裂き、真っ赤な血がぷっくりと湧き出た瞬間、

そのナイフを鷹のハリスが吹き飛ばした。

「レオ、この人間を殺してはいけない。
生かすことに意味があると、神が言っている。」

レオと呼ばれた金髪の男は、ナイフを拾い腰に戻した。


全裸にされて首を少し切られ、呆然とするクロちゃんを、レオは引っ張り起こして歩かせようとした。

「来い。城に行くぞ」

「えっえっ…いやだ、いやっ!」

クロちゃんの抵抗を全く物ともせず、腕を強く掴んでズンズン歩くレオ。

「全く無骨なやつだ。女には服ぐらい着せてやれ。」

神の鷹ハリスが、カナンの王子レオに言った。
あらためて、クロちゃんの大きな乳房がむき出しになって揺れているのを見る。

クロちゃんは初めてその視線に恥ずかしさを感じた。

「分かった。」

レオは自分の真っ赤なマントをクロちゃんにつけてやる。

花のような、血のような真っ赤なマントを。


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