34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第10話 変わり果てたクロちゃんの姿
ハッキは、クロちゃんを組み敷いてるガガを突き飛ばしてひきはがした。
「クロちゃん!大丈夫?!」
 
濡れた小鳥のようにみすぼらしい姿になったクロちゃんを、困惑して見るハッキ。
「どうしてこんな…」
床に座り込んでいるガガの襟首を引っ掴む。
「ガガっ!あんた、どうしてクロちゃんにこんな酷いことしたの?!」
ガガはうつむいたまま答えない。
「…後で白状させてやる!とにかく、クロちゃん!はやくその頭のドロを落としましょう!」
ハッキはクロちゃんを、水を溜めている大樽まで連れていき、頭から水をかけて髪を洗った。
「これは…」
ハッキは泥の匂いを嗅いで顔をしかめる。
それもそのはず、泥をすっかり落としたクロちゃんの髪は、艶やかな黒髪ではなく、マダラに錆付いた鉄のような汚い焦げ茶色になっていた。
「ガガのやつ、どうしてこんなことを!」
ハッキが唇を噛む。
クロちゃんはイマイチ自体を飲み込めず、寒い夜に水を掛けられてブルブル震えていた。
ハッキは少し考えて、クロちゃんを村長キリマの所に連れていった。
もちろんガガも引きずっていく。
両親や下の兄弟たちにクロちゃんのこの姿を見せたくなかったのだ。しかも犯人はガガである。
「村長さん!すみません!ハッキです!」
ハッキは村長の屋敷のドアを叩く。
すぐに村長の息子アレンが出て来た。
「どうしたハッキ。クロちゃんの出発は明日、朝からだが」
「それが…困ったことになったのです」
ハッキはクロちゃんをアレンの前に出した。
「それは誰だ?」
「あの…髪の色と長さは変わっていますが、この子はクロちゃんです」
「いや…髪の問題ではなく…顔が…」
「え?」
ハッキがろうそくに照らされたクロちゃんの顔を見た。皮膚が赤く腫れ上がって本当に誰だか分からなくなっていた。
「クロちゃん!!」
ハッキは倒れそうになるのを何とか踏み止まった。
「クロちゃんなのか…」
アレンは困惑している。
ハッキは怒りをガガに向けた。
「あんた、自分がクロちゃんに何したか分かってんの!?
どうしてこんなことしたのよーー!!」
とりあえず中に入って暖かい物でも飲みなさいと促された。ハッキ、ガガ、クロちゃんは先日来たばかりの部屋で、同じテーブルで温めたミルクをもらっている。
言われてみると、クロちゃんは自分の顔がやけに熱い事に気が付いた。
触ってみるとかなり熱を持っている。
心配そうに見つめるハッキ、表情を崩さず考え事をしているアレン。
「父は夕方ごろ用事がありこの村を立ってしまったので、相談することは出来ない。さて…どうしたものだろう。いや、どうしてこんな事に?」
ハッキはギロリとガガを睨んだ。
ガガは温めたミルクからでる湯気を見たまま、口を開き始めた。
「クロちゃんを…コナンの街に行かせたくなかったんです…。
クロちゃんが占い師ミダの言う女の子じゃなければ行かなくていいんでしょう?
黒髪でなければ、美しくなければコナンの王子は見向きもしないのではないかと思ってんです…。」
「ガガ…」
理由を知ってクロちゃんはちょっとホッとした。すごく嫌われてこんなことをされたわけじゃなかったのだと。
「クロちゃん!大丈夫?!」
 
濡れた小鳥のようにみすぼらしい姿になったクロちゃんを、困惑して見るハッキ。
「どうしてこんな…」
床に座り込んでいるガガの襟首を引っ掴む。
「ガガっ!あんた、どうしてクロちゃんにこんな酷いことしたの?!」
ガガはうつむいたまま答えない。
「…後で白状させてやる!とにかく、クロちゃん!はやくその頭のドロを落としましょう!」
ハッキはクロちゃんを、水を溜めている大樽まで連れていき、頭から水をかけて髪を洗った。
「これは…」
ハッキは泥の匂いを嗅いで顔をしかめる。
それもそのはず、泥をすっかり落としたクロちゃんの髪は、艶やかな黒髪ではなく、マダラに錆付いた鉄のような汚い焦げ茶色になっていた。
「ガガのやつ、どうしてこんなことを!」
ハッキが唇を噛む。
クロちゃんはイマイチ自体を飲み込めず、寒い夜に水を掛けられてブルブル震えていた。
ハッキは少し考えて、クロちゃんを村長キリマの所に連れていった。
もちろんガガも引きずっていく。
両親や下の兄弟たちにクロちゃんのこの姿を見せたくなかったのだ。しかも犯人はガガである。
「村長さん!すみません!ハッキです!」
ハッキは村長の屋敷のドアを叩く。
すぐに村長の息子アレンが出て来た。
「どうしたハッキ。クロちゃんの出発は明日、朝からだが」
「それが…困ったことになったのです」
ハッキはクロちゃんをアレンの前に出した。
「それは誰だ?」
「あの…髪の色と長さは変わっていますが、この子はクロちゃんです」
「いや…髪の問題ではなく…顔が…」
「え?」
ハッキがろうそくに照らされたクロちゃんの顔を見た。皮膚が赤く腫れ上がって本当に誰だか分からなくなっていた。
「クロちゃん!!」
ハッキは倒れそうになるのを何とか踏み止まった。
「クロちゃんなのか…」
アレンは困惑している。
ハッキは怒りをガガに向けた。
「あんた、自分がクロちゃんに何したか分かってんの!?
どうしてこんなことしたのよーー!!」
とりあえず中に入って暖かい物でも飲みなさいと促された。ハッキ、ガガ、クロちゃんは先日来たばかりの部屋で、同じテーブルで温めたミルクをもらっている。
言われてみると、クロちゃんは自分の顔がやけに熱い事に気が付いた。
触ってみるとかなり熱を持っている。
心配そうに見つめるハッキ、表情を崩さず考え事をしているアレン。
「父は夕方ごろ用事がありこの村を立ってしまったので、相談することは出来ない。さて…どうしたものだろう。いや、どうしてこんな事に?」
ハッキはギロリとガガを睨んだ。
ガガは温めたミルクからでる湯気を見たまま、口を開き始めた。
「クロちゃんを…コナンの街に行かせたくなかったんです…。
クロちゃんが占い師ミダの言う女の子じゃなければ行かなくていいんでしょう?
黒髪でなければ、美しくなければコナンの王子は見向きもしないのではないかと思ってんです…。」
「ガガ…」
理由を知ってクロちゃんはちょっとホッとした。すごく嫌われてこんなことをされたわけじゃなかったのだと。
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