どう考えても彼女は俺を避けている

のあ。

~第4話~ 『打開策』

彩菜が言った発言が頭から離れず。
今日1日全く集中できなかった

俺はとてつもないショックと不安を覚えていた
彼女、清水 伊織がどうして俺と付き合う事を了承したのか
もし本当に彼女が俺を避けているのであれば、理由は何なのか
皆目見当もつかない中、下校時刻になり家に帰ることにした

(一回頭を冷やすんだ、何も答えの出ないのに一人で考えても仕方がない)

「かーなたっ、ちょっと寄り道しようぜ」
「どうしたんだよ急に、珍しいな」
「ちょっとした気分転換だよ、いいだろ?」
「まぁ、少しくらいなら」
「よっし決まりだ。」
「なになにー?寄り道するの?私も行きたい!」
「仕方ねぇなぁ、3人で行くか!」

そんな浩介に流されて、俺はいつもと違う道を歩いていた。
もしかして、俺に気を使ってくれているのかもしれない

浩介と彩菜と一緒にゲーセンに寄って遊んだ後、喫茶店で話をしていた。

「ありがとうな、浩介」
「ん?何がだよ」
「俺の事、心配してくれてたんだろ。気を使わせちゃって悪いな」
「なんだそんなことか、そういうのは気にしねぇでいいんだよ」
「やっぱ、私根拠も無しに変な事言っちゃったよね。奏多君ごめんね?」
「あぁ、いいよ気にしないで。それに、その予想も筋は通っていると思うんだ。」
「どういう事?」

2人に今日1日俺が考えていた事を説明した。
説明するのが難しくて少し伝えにくかったが、2人は一生懸命聞いてくれていた。

「なるほどなぁ~、普段の態度とかを考えるとありえない話ではない…か」
「まさか噂の2人がそんな事になってたとはね」
「あぁ、けどそれが正しいとも限らない。だから一度頭を冷やそうと思ってたんだ」
「まぁ今のところできる事は何もないしな。」
「そういう事だ、変に考えすぎても自分の首を絞めるだけだし」

こうやって話している間でも、結局頭の中では彼女の事を考えていた
今彼女は何をしているのだろうか
今彼女は何を考えているのだろうか

そう俺が黙っていると、彩菜が気を張った声で口を開いた

「私、伊織ちゃんと話してみるよ!」
「彩菜、お前清水と知り合いなのか?」
「うーんと、めちゃくちゃ仲がいいってわけでもないんだけど、普通に話したりはするよ」
「そうなのか、知らなかったな。普段の清水ってどんな感じなんだ」

浩介のその発言には俺もとても興味があった
普段の彼女はどういう会話をしているんだろうか
彼女が普段どういう人柄なのか気になる事がある

「んで、具体的にどうするんだ?」
「どうするって、普通に話しかけて、さりげなく奏多君の話持ちだすかな?」
「そんなんで大丈夫なのか」
「大丈夫だよ!なんとかなるでしょ!」

正直なところ、不安要素が多いが
ここはいったん彩菜に任せてみるか

何事もなければいいんだけど
実のところ、彩菜がこういう変に自信満々の時は大体いいことはない。
しかし、だからと言って彩菜の提案してくれた事に乗らないほかはない。

だからこそ困っているんだ
彼女の事を知りたいという理由もあれば、彩菜が何かやらかさないか心配なのもある。

「本当に大丈夫なのか?」
「ねぇ!さっきから2人とも私の事信じてないでしょ!!!!!!」
「「あぁ」」
「なにそれー!手伝ってあげないよ?!」
「あぁ悪い悪い!許してくれ!」
「冗談だよ、私から言い出したんだからちゃんと最後まで手伝うよ」
「すまん、頼む」
「そろそろ時間も時間だし、帰ろうか」
「そうだな」

そういって俺は2人と別れた
1人でいつもとすこし違う道を通って家に向かった。

家の前に着くと夕飯の匂いがして、空腹だったのを思い出した。


「ただいま」
「あ、お兄おかえり~」







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