薬草調合師と悩める青年

春夏秋冬

「ベル、本当にここに居たの?」

『あぁ、この付近にいたが』

「!!」

『どうした?』

「少しだけど、魔力が残ってる…」

『魔法を使ったんだろう』

「ベル、何か探す方法はない?」

『少し、血の匂いがする。辿れば見つかるかもしれない』

だったら最初からそうしてよっ!

「じゃあ、辿ってくれる?」

『あぁ』

#######

「ベル、かなり遠くまで来ちゃったわね」

『あぁ、おそらく洞窟かどこかに隠れてでもいるんだろう』

「あそこっ洞窟があるわ行ってみましょう」

ガサガサ、ガサガサ

「葉が邪魔で進みにくいわね…」

「誰だっ」

「きゃっ」

『クロエッ』

「誰だと聞いている、敵なら斬るぞ」

「ベル、彼らは…」

『そうだ、探していた奴ら』

「そう…」

「おいっ何なんだお前らはっ」

「取りあえず…ヒュプヌーン・エテレイン」

「なっ…んだ」

「取りあえず、寝てもらいましょう」

『いきなりだな……』

「だって予想外に元気だったんだもん、一人は…ね」

『……』

「もう一人は重症よ早く治療しないといけないのに私達が誰かなんて説明なんてしてる暇なんてないでしょう?」

『…これからどうする』

「…村で治療する、ベル運ぶの手伝って」

『あぁ』

#######

「……ん、ここは」

「目が冷めたみたいですね」

「!アルはっ」

「落ち着いて下さい。貴方が言うアル、と言う方かわかりませんが一緒にいた方は治療していますから、」

「無事なのか?」

「今のところは」

「今のところ…?」

「えぇ、治療が早かったので命に別状はないですが…毒が完全に消えるまでは油断できないでしょう」

「そう…か」

「………」

「?何だ」

「いえ、何も」

この辺の人ではないみたいね?でも、それならば何故人に追われていたなかしら……?

「あの…君は一体誰なんだそしてここは?」

同じことを聞きたくなるわね……

「ここはミルリアと言う村です、王都のずっと西の方にある村よ」

「ミルリア、……」

「聞いたことないって顔ね?」

「あぁ、えっといや」

「ふふっ仕方ないわ、じゃあ質問に答えましょうか、私の名はクロエこの村で薬剤調合師をしているわ」

「薬剤調合師……」

「治癒魔法の一種ね、____次はあなたに自己紹介してもらいましょうか?」

「俺は…レイルだ普通に王都離れの街で暮らしていたんだが…」

訳ありってことね、ファミリーネイムを言わないってことは何かあるってこと…まぁお互い様だから良しとしましょうか、

「そう…レイルさんね、じゃあ起きてそうそう悪いんだけど村長が起きたら話がしたいと言っていたの、いいかしら?」

何か大変な事が始まる……予感がした………



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