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愛する人

ウミネコ

stay

道曲がったところから何か話し声が聞こえる。
そして男の怒鳴り声が聞こえてその後に悲鳴が聞こえた。路地裏からこちらの大通りに逃げる男性と追いかける男性が出てきて取り抑えられてた。追いかけて取り抑えてる人が「怪我人がいる!妻が刺された!通報しろ!!」と大声で叫び、周りに訴えている。そこに野次馬ができる。俺はその取り抑えてる男に見覚えがあり、悲鳴が聞こえた方に走る。
そこには鉄の破片のようなもが足に刺ささりお腹のあたりは服が刃物で切られ傷は浅いのだろうが、血を流すユイアがいた。野次馬たちがいて通報し、ユイアの旦那さんとともに何名かが犯人を獲り抑えてるようだった。

ユイアは泣きつく5歳くらいであろう幼い子どもを胸に寄せて自分の足に刺さった包丁など気にしないかのように座りあやしていた。
「トワ、タイタイはない?お母さんは大丈夫よ。」と懸命に足を見せないよう抱きしめていた。
「母ちゃん…お母ちゃん!」
明らかに次第に血の気がなくなっていくユイア。
「おまえらどけ!ゆい!!ゆいあ!」叫んでユイアに駆け寄る。
何でもない通りかがりで見つけた初恋の人…
その人から流れる血は見たくない。
一心不乱に駆け寄り手当しようとした。
ユイアは俺の顔を認識した時…一瞬ホッとしたかのような顔して倒れ気を失った。

この時、ユイアの子どもがお母さんとしがみつき泣いていた。
君の母さん助けるからと言い聞かせてから救急車来るまでの合間にハンカチを当てて止血などする。
1分、1秒が長く感じた。
ユイアの体が冷たくなるのが怖い。

ユイアとの関係なんてどうだっていい…お願いだから…生きて…また美しい表情を見せて…


救急のサイレンが聞こえ、彼女はその中に…俺は彼女の子どもだろう子に名刺渡して警察の事情を受けつつに病院にパトカーで向かう途中
ラ○ンのホーム曲に設定されてるのを昨夜聞いていたからかその一節が脳裏に浮かぶ。
英語の歌詞が脳裏に響く
私の前から去るのはわかってる。少しでもそばにいて…
あなたに望むのはここに居て欲しいだけ…
という意味の歌詞が脳裏に…響く。
ベッドに横たわる彼女、その安らかな寝息を聞いてホッとしたのだった。ベットサイドで彼女の手を握っていた。

横には子供用ベットが置かれてて…そこに彼女の幼い子どもが寝ていた。

彼女のことを俺は知ってる。
夫と離婚…子どもはお母さんに頻繁に会ってることも。SNSに載せてることがある。

彼女を傷つけた人間…それが誰であろうか…
向けようのない怒りがこみ上げる。
彼女の襲われた場所は…品川駅の近く。

思い当たる節はないわけではなかった。
ユイアに関しての…ストーカーじみた未練がましい俺の性格はいつもなら自分でも嫌いな短所なのだが…そんなのどうだっていいか…

俺と最後あった後の2年間…彼女はひとりの男性と交際しその人の暴力が原因で逃げた矢先に前夫に拾われて、結婚して間に子どもができて…その人とも彼女と破局。
交際していた男性が住んでいたのは品川駅の近く…そしてユイアが新幹線のり、息子と前夫を送り迎えるために行く最寄駅も品川駅…

面会の日だったのだろうと予測はできた。

ベットサイドに座り、廊下に視線を向けて怒り抑えきれず彼女の手を強く思わず握っていたのだろう…
彼女が目が覚めたのすら気がつかなかった。
俺の手をそっと撫でる感覚で気がついた。
そこにベットに横たわり弱々しくも。微笑んでくれる彼女がいた。

「孝也さん、深呼吸して落ち着いて…そんなに怒った顔しないで…」ゆっくりと言われてハッとした。
「ごめん…」手を離して立ち上がる、もう時刻は面会時間を過ぎようとしていた。
手を離して立ち上がると廊下にドタバタ走る音がした。
「トワ!ユイア!!」長身痩躯の精悍で整った顔の男性が病室に飛び込んできた。
「トワはねてますよ。」
「あぁ…この人は?」血のついたスーツを着てる俺を見てギョッとしていた。
「刺された後、応急処置などしてくれた菅谷孝也さんという方です。応急手当てしてくれた人ですよ…」と警察が来てる病院に犯人がここくるわけないでしょ?喜一さんとため息混じりに説明してくれた。

「息子と元嫁が…世話なりました」

頭下げる元旦那さんこと喜一さんはユイアに視線を向ける。
「ユイア、俺心からこんなことなるならと離婚を後悔してる。」ユイアが前夫の喜一さんの話を遮るように言った。
「後悔は私はしてないわ。それとトワを犯人から守れたのだから…」
「やっぱり母親は強いな、お前は凄いよ…包丁ふり廻す輩の首を蹴って捕まえようしたんだから…でももうそんな無茶はやめてくれよな?そうそうトワのこともあるから有給使って2日ここにいるから…」その一言に「裕介、トワの心のケアしなきゃね…」
その顔は…子を想う母親の顔だった。
初めて見るその表情に綺麗だと思うところと強さを感じた。

「俺、また後日伺います。…失礼しました。」

逃げるように俺は病室から立ち去った。
喜一はトワのことを言っていたが…心から息子はもちろん、ユイアを愛してるんだと感じた。

俺なんか。出る幕がない気がしたのが悔しい。
ユイアの隣は俺…ユイアをずっとそばいて守れたならユイアは嫁だったのだろうか。
あの時手を出さなきゃよかったのだろうか?

その日泣きつつタクシー乗って帰った。

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