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『ダンジョンの守護者「オーガさんちのオーガニック料理だ!!」』

チョーカー

勇者VSスラリンの戦い

 「本当に初心者ダンジョンって感じだね。シーラのお姉ちゃんって言っても上位冒険者じゃないんでしょ? もしかして、話を盛ってる……とかじゃないの?」



 そう言うのは勇者パーティの1人であるロザリー。

 聖職者でありながら、厳しい修行を重ねた教会の戦士。

 前衛特化型の戦士として、純白の盾と鎧を装備している。そのどちらも重厚だ。

 聖職者のわりに砕けた口調。 若干、だらしのない性格。

 どうやら、厳しい禁欲生活から解放された反動……と本人は言っている。



 「いいえ、姉と私で技能的には遜色はないはずです。私は貴方とアッシュに会えたから……」



 そういうのは賢者にそっくりな女性。

 名前はシーラ。賢者の妹だ。

 一見するとダンジョン探索には不向きとしか思えない薄着。

 しかし、魔力が込められた特殊な繊維が使われ、鉄の鎧と同等の強度がある。



 「……2人と油断するなよ」



 勇者アッシュはそう言うと、剣を振るった。

 アッシュには不意打ちは効かない。 冒険の最中、女神から受けた祝福による効果だ。

 当然、背後から近づいてきた魔物は一刀両断に――――



 「――――なにッ!?」



 ならなかった。

 それどころかアッシュから驚きの声を出させる。

 アッシュは蠢く魔物を凝視した。その正体は――――



 スライムだった。



その動きは素早く、スライムとは思えない速度領域。



 「せいやぁ!」と裂帛の気合を込めた勇者の一振りをギリギリで避ける。



 紙一重の攻防。だが、実力が拮抗しているわけではない。

 決して当たらないという余裕。 そして、大振りの隙を突く為に近距離で避けているのが勇者にも分かる。 

 そして、それは来た。

 スライムの体から何かが放出される。



 水の塊。……水弾?



 勇者アッシュは、腕につけて籠手コテで防御をしようとする。

 だが――――



 「危ない!」



 ロザリーが両者の間に割り込んできた。

 そして爆発のような接触音。

 重厚な鎧と盾を装備したロザリーの体が衝撃で浮き上がり、吹き飛んだ。

 そのまま、背後にいた勇者と衝突する。



 「くっ……なんて威力だ」



 純白の盾が黒く焼け付いていた。

 あれは、ただの水弾ではない。おそらく……強力な酸が含まれている。



 ぞくりと勇者は寒気に襲われる。



 (もしも――――籠手で受けていたなら、俺の腕は存在していなかった)



 「みんな下がって!」とシーラの声。



 「ただ、速いだけの魔物だったら、いくらでも対策は――――」



 地面に複数の魔方陣が浮かび上がる。

 地属性魔法。

 シーラが足元から流した魔力が溜め込まれている。

 踏めば、爆破。

 だが――――



 「……逃げた? そんな呆気なく?」



 スライムの姿は既に消え去っていた。



 残ったのは呆然とする勇者たち3人のみ……



 

 

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