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『ダンジョンの守護者「オーガさんちのオーガニック料理だ!!」』

チョーカー

ゴブリンと鳥の唐揚げ!

 「俺がここに来た理由は君たちを、あの外来種に勝たせるためだ!」



 手作りの玉座からゴブリンたちを煽る亮は王の如くであった。

 あったが……



 「料理を考えるために集中したい」と1人になった亮はため息をついた。



 「実際問題、何を作れば良いんだ?」



 そもそも料理で、あの外来種を倒す? 自分で言って意味がわからない。

 どうやって料理で魔物を倒すんだ? 毒か?



 「いや、違う! 違う違う違う!」



 亮は叫んだ。



 「俺がやる事はきっかけに過ぎない。ゴブリンたちが自分の力で外来種を倒す。俺はその手助けをするだけだ」



 なら――――



 「イメージしろ。注文(オーダー)は団結力の強化、連携強化。どうすればいい?」



 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・



 「これでいいのか?」とオーガさん。

 彼女に頼んでいたのは大量の鳥肉。

 その様子を見ていたゴブリンたちは――――



 「おぉ、ついに亮さまが我等のために料理を……」



 感極まったのか、涙を流す者もいた。

 それを無視して調理を開始する。

 前回、生姜焼きの時に手にいれていた生姜しょうがを切り刻む。

 本当は、おろし金ですりおろせばいいのだが、手に入らなかった。

 異世界におろし金はないのかもしれない。

 そして、もう1つ。



 ニンニクだ!



 ニンニクは比較的に無農薬栽培に向いている植物。家庭菜園でも育てる事ができる。

 さて――――

 ニンニクの球根(?)をばらすと鱗片状態になる。

 その字の通り、鱗片は鱗のような形状の事。

 普段料理をしない人なら、ラーメン屋のセルフサービスで置いてるニンニクでも思い出してほしい。

 それが種子だ。

 少し寒い時期に畑へ埋め、土を乾燥させないように、土を湿らせすぎないように調整しながら水をやる。

 そうやって育てのが、このニンニクだ!



 そのニンニクも生姜と同じように切り刻む。

 それに醤油、砂糖、酒、塩、水を加えると、タレの完成だ。

 このタレの中に一口サイズに整えた鳥肉を入れて、4時間待つ。



 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・



 ――――4時間後――――



 タレから取り出した鳥肉を片栗粉につけて

 油で満たされた鍋。すでに十分な火力で熱している。

 その中に鳥肉を投入!



 この時、注意しなければならないのは揚げ過ぎると言う事。

 揚げすぎると内部の水分と共に旨みも逃げてパサパサになってしまう。

 目安は、泡が小さくなったり、揚げる音が小さくなったり――――



 なにより――――



 ベストは、こんがりきつね色!



 そう、これは――――否。

 これこそが、鳥のからあげだ。



 亮は淡々と、黙々と、永延と、鳥の唐揚げを作り続けた。

 積み上げられた唐揚げを皿に盛り付けて――――



 「完成だ!」



 ゴブリンたちの前に披露した。

 「おぉ~」と歓声があがる。



 「これが、食べると強くなる料理……ですか?」

 「す、凄い。臭いに誘われて目が離せない」



 ザワ……  ザワ…… とざわめきが起きる。

 集落のゴブリンたちが全員集まっているのだろう。

 亮はゴブリンAに目で合図をしてから――――



 「よし! それじゃ――――いざ、開食といこうぜ」



 それを合図にゴブリンたちは唐揚げを手にして――――

 口の中に投げ込むように食べ始めた。



 ニンニクと生姜による刺激的な匂い。

 それに誘われ、口内へ送り込む。

 パリパリサクサクの衣。 不思議な甘みを含んだ衣だ。

 その衣に包まれた肉には肉汁が閉じ込められている。

 それはジューシー以外の表現法が見つからない!



 人はどうして空に憧れるのだろうか?



 ライト兄弟が空を飛んで100年以上経過した現在、人は大空を越えて宇宙にすら届いて見せた。

 しかし、それは――――



 やはり憧れ。



 自らの肉体1つで空を自由に飛びまわる、偉大すぎる先駆者への憧れだ。

 やはり、人間は――――地球の重力に縛られた我々、人類は先駆者に―――― 



 鳥に憧れるのだ。



 嗚呼、いけない。

 このままでは、鳥肉を食す毎に過剰なほどのリスペクトを鳥に感じてしまう。



 「ここに1つの物語が完成を迎えた」





 

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