本の購入希望書に悩みを書かないでください。
断章:おつかい
北沢先輩の予想通り、数日もすると、わたしへの嫌がらせはぱったりと止んだ。やっぱり彼の思い通りになっている。なんか悔しいな。でも、お礼は言わなきゃ。
けれども彼は、それ以来図書室に来なくなった。
わたしが彼の教室に行けば、噂のことを勘付かれるかもしれない。ここは癪だけど、彼にメールすることにした。
『ありがとうございました。おかげで平穏な生活が送れそうです』
少し待ってみるが、返信はない。
いつもなら、わたしがメールを送ればすぐに返信をくれたのに。って、彼だって、わたしにばかり構っているわけじゃない。何を思い上がってるんだ、わたしは。
しかし、数日経っても返事はこない。
……おかしい、よね。わたし、唐突に嫌われるようなことした……?
なんで? どうして?
いつの間にか、わたしの方から彼と話がしたいと思ってしまっていた。
そんな時、ケータイが震えた。液晶には、“新着メールがあります”の文字。
わたしは考える間もなくメールボックスを開く。
彼からのメールだった。
『返事遅れちゃってゴメン。本当によかったよ。これからも君の人生が良いものになることを祈っているよ』
そしてもう一通送られてくる。
『ところで、この前薦めてもらった本、全部読み終わっちゃったんだけど、またオススメを教えてくれないかな』
わたしは何をするのも忘れて、ひたすら文字を打ち込んでいた。そして送信する。
すると今度は、すぐに返信があった。
『ありがとう。一冊だけでいいから、良ければ明日買ってきてほしいんだけど、お願いできる?』
どういうことだろう。自分で買いに行けないってこと……?
あ、そういえば、この本は元々、入院している彼のお母さんに贈るものだったはず。もしかして、病状が悪くなって、彼が付きっきりになってるとか……?
『わかりました。明日買っていきます』
『ありがとう。じゃあ、中央総合病院に持ってきて』
やっぱりだ。だったら、元気が出るような、気持ちが明るくなるようなものを選んであげよう。
けれども彼は、それ以来図書室に来なくなった。
わたしが彼の教室に行けば、噂のことを勘付かれるかもしれない。ここは癪だけど、彼にメールすることにした。
『ありがとうございました。おかげで平穏な生活が送れそうです』
少し待ってみるが、返信はない。
いつもなら、わたしがメールを送ればすぐに返信をくれたのに。って、彼だって、わたしにばかり構っているわけじゃない。何を思い上がってるんだ、わたしは。
しかし、数日経っても返事はこない。
……おかしい、よね。わたし、唐突に嫌われるようなことした……?
なんで? どうして?
いつの間にか、わたしの方から彼と話がしたいと思ってしまっていた。
そんな時、ケータイが震えた。液晶には、“新着メールがあります”の文字。
わたしは考える間もなくメールボックスを開く。
彼からのメールだった。
『返事遅れちゃってゴメン。本当によかったよ。これからも君の人生が良いものになることを祈っているよ』
そしてもう一通送られてくる。
『ところで、この前薦めてもらった本、全部読み終わっちゃったんだけど、またオススメを教えてくれないかな』
わたしは何をするのも忘れて、ひたすら文字を打ち込んでいた。そして送信する。
すると今度は、すぐに返信があった。
『ありがとう。一冊だけでいいから、良ければ明日買ってきてほしいんだけど、お願いできる?』
どういうことだろう。自分で買いに行けないってこと……?
あ、そういえば、この本は元々、入院している彼のお母さんに贈るものだったはず。もしかして、病状が悪くなって、彼が付きっきりになってるとか……?
『わかりました。明日買っていきます』
『ありがとう。じゃあ、中央総合病院に持ってきて』
やっぱりだ。だったら、元気が出るような、気持ちが明るくなるようなものを選んであげよう。
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