冥界の王が転生してヤンデレ嫁から逃げ…られなかった件。
おまけ ゼウスの企み
アポロンは自らが寵愛していた娘から、自分の加護を消されたことに憤りを感じていた。
「ペルセポネめ、勝手なことをしてくれる。姉上もそう思うだろう?」
「悪いけど、どうでもいいわ」
アポロンの姉神・アルテミスには、果てしなくどうでもいい話だったようである。
するとアポロンは、今度は父であるゼウスに文句を言いに行った。
「父上、どう思われますか?」
それを聞いたゼウスは、少しペルセポネに灸を据える必要があると思った。と同時に、自らの策で転生した兄の様子も気になった。
そんなところに、運動不足で退屈そうなアテナが偶然通りかかったのである。
「わかった。アテナを遣わして少し反省させよう」
「ありがとうございます、父上」
「アテナよ、最近運動不足なようだな。そんなようではいざという時に動けまい」
「そうは言われましても、平和な世になりましたし……」
「まぁ聞け。兄上が最近新しい身体に変えたらしい。その感覚を試してみたいと言うので私が相手になるはずだったのだが、暇ならお前が行ってくれないか?」
「ハデス様が? わかりました。引き受けましょう」
さすがは我が娘。聞き分けが良くてお父さん嬉しいぞ。
そして今度はハデスの元へ。
「お前がペルセポネが付きまとってきてウザいと言うから、新しい嫁候補を用意した。お前にとっても申し分ない相手だと思うぞ。近々見えるだろう。その時はよろしく頼む。そいじゃ」
兄上は考える暇を与えると、不自然さに気づいてしまうからな。畳み掛けるように言って、さっさと退散するに限る。そう考えたゼウスは、用件を伝えてすぐに天界に帰った。
さて、どうなったかな……。
これが、ことの顛末をさも愉快そうに眺めている最高神の姿である。
「ペルセポネめ、勝手なことをしてくれる。姉上もそう思うだろう?」
「悪いけど、どうでもいいわ」
アポロンの姉神・アルテミスには、果てしなくどうでもいい話だったようである。
するとアポロンは、今度は父であるゼウスに文句を言いに行った。
「父上、どう思われますか?」
それを聞いたゼウスは、少しペルセポネに灸を据える必要があると思った。と同時に、自らの策で転生した兄の様子も気になった。
そんなところに、運動不足で退屈そうなアテナが偶然通りかかったのである。
「わかった。アテナを遣わして少し反省させよう」
「ありがとうございます、父上」
「アテナよ、最近運動不足なようだな。そんなようではいざという時に動けまい」
「そうは言われましても、平和な世になりましたし……」
「まぁ聞け。兄上が最近新しい身体に変えたらしい。その感覚を試してみたいと言うので私が相手になるはずだったのだが、暇ならお前が行ってくれないか?」
「ハデス様が? わかりました。引き受けましょう」
さすがは我が娘。聞き分けが良くてお父さん嬉しいぞ。
そして今度はハデスの元へ。
「お前がペルセポネが付きまとってきてウザいと言うから、新しい嫁候補を用意した。お前にとっても申し分ない相手だと思うぞ。近々見えるだろう。その時はよろしく頼む。そいじゃ」
兄上は考える暇を与えると、不自然さに気づいてしまうからな。畳み掛けるように言って、さっさと退散するに限る。そう考えたゼウスは、用件を伝えてすぐに天界に帰った。
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