冥界の王が転生してヤンデレ嫁から逃げ…られなかった件。
十八話 軍神
「ハデス様か。随分な姿になりましたね」
その口元の笑みは、侮蔑ととらえていいのか?
「悪いかよ。で、何の用だ?」
「父上から聞いておりませんか?」
やっぱりこいつが……。
でも、なぜアテナなんだ? こいつは処女の誓いを立てた女神のはず。
そりゃ、こいつを妻に迎えられるなら、栄誉としては申し分ないが。
「ハデス様、こいつはわたしが殺します」
「あなたはお呼びじゃなくってよ」
と、一瞬にして距離を詰められ、ペルセポネは槍で後ろに突き飛ばされてしまった。
「ペルセポネ!」
さすがに知恵と戦いの女神。ギリシャ神話最強の女神との呼び声も高い彼女に、ペルセポネが及ぶわけがない。
オレがペルセポネの元へ駆け寄ろうとすると、さっとアテナが間に割り込んだ。
「私の相手、してくださいますよね?」
こいつ……っ。
オレは手元に意識を集中し、剣を取り出す。
百戦錬磨の相手に長期戦は不利だ。ここはなんとしても、速攻をかけて勝つ。
「“汝に重圧の枷を課す”」
これでアテナには倍の重力がかかり、動きが鈍くなるはず。
「ペルセポネ!」
「“冥府魔道の女王の名において命じる。我が眷属よ、我に常夜の翼を授け、生命を刈りとる鎌を与えよ”」
ペルセポネはコウモリの翼を背に生やして飛び回り、その牙のような大鎌でアテナに斬りかかる。
「コレー、あなたに用はないわ」
アテナも動きが鈍くなっているはずだが、アイギスでうまく防ぎながら反撃している。
「うるさいです! あなたにハデス様は渡しません!」
オレはその隙に隠れ兜をかぶり、ペルセポネと、アテナを挟み撃ちにするように回り込む。
「邪魔をしないで、コレー。あなたはのんびり野原でお花でも摘んでればいいのよ!」
「アテナこそ、この前へパイストスに凌辱されたって聞きましたよ? 処女神が聞いて呆れますね」
「黙れっ!」
アテナが怒りに任せて振り上げた一撃は、痛恨の隙になった。オレは、それを見逃さなかった。
背後からアテナの喉元に刃をあて、制止させる。
「オレ達の勝ちだ」
「……ふっ、参ったわ。降参よ」
「これで、ハデス様との結婚は諦めてもらいますよ?」
「えっ? 何それ、どういうこと? だってハデス様の嫁はコレーでしょう?」
えっ? こっちがどういうこと? なんだけど。
「私はハデス様が新しい身体を試したがっているから相手してこいって言われて……」
「わたし達は、ハデス様の新しいお嫁さんを紹介するって……」
つまり……。
「もう、父上!!」
ふたりして叫んだ。
その口元の笑みは、侮蔑ととらえていいのか?
「悪いかよ。で、何の用だ?」
「父上から聞いておりませんか?」
やっぱりこいつが……。
でも、なぜアテナなんだ? こいつは処女の誓いを立てた女神のはず。
そりゃ、こいつを妻に迎えられるなら、栄誉としては申し分ないが。
「ハデス様、こいつはわたしが殺します」
「あなたはお呼びじゃなくってよ」
と、一瞬にして距離を詰められ、ペルセポネは槍で後ろに突き飛ばされてしまった。
「ペルセポネ!」
さすがに知恵と戦いの女神。ギリシャ神話最強の女神との呼び声も高い彼女に、ペルセポネが及ぶわけがない。
オレがペルセポネの元へ駆け寄ろうとすると、さっとアテナが間に割り込んだ。
「私の相手、してくださいますよね?」
こいつ……っ。
オレは手元に意識を集中し、剣を取り出す。
百戦錬磨の相手に長期戦は不利だ。ここはなんとしても、速攻をかけて勝つ。
「“汝に重圧の枷を課す”」
これでアテナには倍の重力がかかり、動きが鈍くなるはず。
「ペルセポネ!」
「“冥府魔道の女王の名において命じる。我が眷属よ、我に常夜の翼を授け、生命を刈りとる鎌を与えよ”」
ペルセポネはコウモリの翼を背に生やして飛び回り、その牙のような大鎌でアテナに斬りかかる。
「コレー、あなたに用はないわ」
アテナも動きが鈍くなっているはずだが、アイギスでうまく防ぎながら反撃している。
「うるさいです! あなたにハデス様は渡しません!」
オレはその隙に隠れ兜をかぶり、ペルセポネと、アテナを挟み撃ちにするように回り込む。
「邪魔をしないで、コレー。あなたはのんびり野原でお花でも摘んでればいいのよ!」
「アテナこそ、この前へパイストスに凌辱されたって聞きましたよ? 処女神が聞いて呆れますね」
「黙れっ!」
アテナが怒りに任せて振り上げた一撃は、痛恨の隙になった。オレは、それを見逃さなかった。
背後からアテナの喉元に刃をあて、制止させる。
「オレ達の勝ちだ」
「……ふっ、参ったわ。降参よ」
「これで、ハデス様との結婚は諦めてもらいますよ?」
「えっ? 何それ、どういうこと? だってハデス様の嫁はコレーでしょう?」
えっ? こっちがどういうこと? なんだけど。
「私はハデス様が新しい身体を試したがっているから相手してこいって言われて……」
「わたし達は、ハデス様の新しいお嫁さんを紹介するって……」
つまり……。
「もう、父上!!」
ふたりして叫んだ。
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