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冥界の王が転生してヤンデレ嫁から逃げ…られなかった件。

エルトベーレ

十四話 世継ぎを作りましょう

宿題という呪いを解いていたときのことだった。
「スーマ様、世継ぎを作りましょう」
「……は?」
思わずシャーペンの芯を折ってしまった。
「真面目な話です」
いやいつも真面目にとんでもないこと言ってるのは知ってるよ。
「世継ぎができて、その子に冥府の仕事を押し付ければ、わたし達はずっとふたりで隠居できますよね?」
「子供のことは考えてあげてる?」
「娘だったら殺しちゃうかもですね」
娘にまで嫉妬するなよ……。
「というわけで、スーマ様。こっちにいらしてください。わたしにメロメロにさせてあげますっ」
オレはさっきから宿題を終わらせようとしているのだが、一向に進まない。……気が散る。これはオレの集中力のなさのせいではない……よな?


「スーマ様ぁ……」
肩をトントンと叩かれた。
「なんだよ、って、うわっ?!」
振り返ってみると、オレの肩を叩いていたのは例の大鎌だった。
「物騒なもんで叩くなよっ」
「だってぇ……。スーマ様は不死ですし、ちょっとくらい痛くっても我慢してもらえますよね?」
えーっと、怒ってらっしゃるんですね。恍惚の表情を浮かべているけれども、それが余計に怖いよ。


オレは仕方なく手を止めて、彼女の腰掛けるベッドの上に乗る。
「さぁ、どうぞ! たっぷりご堪能くださいっ!」
なんて、目を瞑りながら両腕を広げて待ち構えている。
きっと、すごくドキドキしているに違いないことが容易に想像できる。
そうは言われても、オレは全然そんな気分じゃないんだ。


手軽に相手の興奮度を高める呪文とかないですか?
『バカかお前は。あのペルセポネとヤれるんだぞ? ヤるしかないだろ。っていうかヤってくれ。オレじゃお願いされても踏み出せないんだから』
だからヘタレ童貞神ってネタにされるんだよ……。


オレは目を瞑ったまま両腕を広げているペルセポネの背後にまわり、ひとまずおっぱいを揉んでみることにした。
「ひゃうっ!」
うん、実に柔らかい。服の上からでもわかるこの感触。とろけてしまいそうでありながら、揉みしだく指を押し返そうとする弾力もある。そして、大きすぎず、小さすぎない、品のいいサイズだ。
「……スーマ様、さっきから、気持ちいいとこばっかり……。なぜそんなに手慣れているのですか? ……わたし以外の女とも、こういうことをなさっているのですか?」
どうしてこうなっちゃうかなぁ……。
「してたらどうだと言うんだ?」
「わたしのスーマ様を汚した奴は、問答無用で殺します」
一切感情のこもっていない声だった。今まで聞いた中でも一番怖い。
「わかった、もうやめにしよう」

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